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噺の話

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2018年 11月 22日 ( 1 )


 平岩弓枝著『橋の上の霜』の記事を続けているが、少し、ここで仲入りとしたい。

 内容も、やや深刻なムードが漂っているので、気分を変えよう。

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春風亭栄枝著『蜀山人狂歌ばなし』
 狂歌、なかでも蜀山人が大好きな落語家の春風亭栄枝は、『蜀山人狂歌ばなし-江戸のギャグパロディーの発信源-』という楽しい本を書いている。

 平成9(1997)年、三一書房から初版発行。

 『橋の上の霜』は、大田直次郎という人物の物語が中心で、狂歌などの作品はそう多くは紹介されていない。
 
 ということもあって、栄枝の本から、蜀山人の狂歌を紹介したくなったのだ。
 併せて、栄枝の楽しい文章もね。

 『橋の上の霜』の記事は、大田直次郎が、吉原は松葉屋の新造、三穂崎を身請けするかどうか、という話に進んでいる。

 さて、そのあたりの頃を含め、栄枝の本から、引用。
 平岩さんと妻や新造の名前の字が微妙に違うが、それぞれ原文のままである。
 どちらが正しいかは、勉強不足で不明。ご容赦を。

 さて、天明六年(1786)というと、あの狂歌ブームで南畝得意の絶頂期でした。
 そんな時、南畝は吉原の遊郭・松葉屋の三保崎という遊女を身請けしています。身請けとは、廓内での借金すべてを代わりに払ってあげ、廓から出してやることです。
 つまり、今でいえば大型の「援助交際」ってとこでしょうか・・・・・・。
 (中 略)
 しかし当時、南畝が遊女・三保崎を身請けしたというビッグニュースは、時の三流スキャンダル誌に絶好なネタとて大いに書きまくられたかも知れませんね。
「大田南畝が援助交際!」
「独占スクープ 南畝に愛人発覚!」
「愛人が綴る南畝との愛欲の日々 本誌に独占手記!」
 などなど大きな活字が躍って、江戸の市中を賑わせたかも知れません。
 しかし一方、妻のお里与さんにとっては、この上ない苦悩の時期だったといえます。

  世の中は 酒と女が 敵なり
   どうか敵に めぐり会いたい

 と南畝自身も歌に詠んでいますが、世の中の男どもすべてが、「そう、そう、その通りだ。うまいこというもんだ」なんていっていること間違いありません・・・・・・。
 この歌はなんの説明も必要とせず、落語のマクラに大いに使わせてもらっています。

 やっと、狂歌が登場し、落語との関係性も出た。

 なかなか、敵にはめぐり会えないのが、私の今日この頃^^

 ということで、太田直次郎、蜀山人については、こちらの本からも、今後紹介するつもり。

 志ん朝と同じ昭和13年生まれの栄枝は、最初の師匠が私が大好きな八代目柳枝。
 百枝の師匠としての方が知られているかもしれない。
 この本、実に楽しいのですよ。

by kogotokoubei | 2018-11-22 12:27 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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