噺の話

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2018年 11月 06日 ( 1 )

 一日時間ができた。

 寄席、落語会をネットで調べてみたら、落語芸術協会のサイトで、立川談吉と春風亭傳枝の二人会で、実に木戸銭が良心的な会があることを知り、昨日電話して予約した次第。
 談吉も傳枝も、過去に一度だけ聴いたことがある。

 家元最後の弟子である談吉は、今年三月「さがみはら若手落語家選手権・本戦」で『野ざらし』を聴いた。
2018年3月12日のブログ

 私の好きな八代目春風亭柳枝を彷彿とさせる部分もあり、好印象だった。

 傳枝は、古くなるが、2012年6月に池袋演芸場で『壷算』を聴いている。
2012年6月17日のブログ

 二人ともまた聴きたいと思っていた。

 
 場所を確認するために「池袋GEKIBA」のサイトを開く。
池袋GEKIBAのサイト

 これが、今回と次回の落語会のチラシ。
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 最近は高い木戸銭の落語会が増えている中、なんと千円。

 少し早めに池袋に着き、会場の場所を確認してから、昼食をとろうとしたら、すぐ近くに、500円ランチのメニューの看板のある、「135酒場」という店を発見。

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 メニューから中華屋さんのようだが、贅沢なランチなどとるつもりもなかったので、入った。
 玉葱と豚肉と玉子炒めの定食を選択。これが、ボリュームもそこそこあって旨かった。

 まだ時間が少しあるのでコーヒーを飲みたいと思っていると、すぐ近くに、「DREAM COFFEE」なるお店がある。

 豆も売っているお店のようで、ブレンドが220円とのこと。迷わず入った。

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 このコーヒーは、なかなかに美味い。

 落語会の木戸銭、昼食、そしてコーヒーまで良心的価格の池袋、いい町だなぁ、などと思いながら、持参した文庫を読みうちに、ちょうど開場の1:30となり、すぐ近くのビルへ。

 ここが、池袋GEKIBAが三階にある、ビル。私のガラケーと雨のせいで(?)ちょっとボケているがご容赦を。

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 こちらが、ビルの正面のテナントの案内板。

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 エレベーターで三階に上がると、広いとはいえない受付が目の前にあり、席亭さんがいらっしゃった。

 前日電話したので、前売り価格の木戸銭千円を払い、中へ。

 お一人お客さんがいらっしゃった。
 パイプ椅子が一列に八席で三列、二十四席。
 高座は、こんな感じ。

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 後で懇親会に参加させていただき分かったのだが、このステージは演劇が主体なのだそうだ。

 連雀亭に似ているが、もっと狭い。

 最終的に、お客さんは六名。

 これで、採算がとれるのか、などど内心思いながら、二時ちょうどに開演。
 二列目に座ったが、高座とは目と鼻の先。
 傳枝ー談吉-傳枝の三席、順番に感想などを記す。

春風亭傳枝『長短』 (23分 *14:00~)
 この会は十人の若手の噺家のうち二人づつで開催していると説明してくれた。談吉との会は、初めてらしい。立川流のことから、今年一月に若くして亡くなった柳家小蝠の話題に。内容は、秘密。
 鯉昇一門のことなども含む13分ほどのマクラからこの噺へ。
 NHK新人落語大賞で、笑福亭呂好が上方では珍しくこのネタで勝負していたことを思い出した。
  長さんが与太郎にならず、短七との掛け合いもリズムがあった聴いていて心地よい。
 呂好の高座で審査員の権太楼は饅頭の食べ方にダメ出ししていたが、栗饅頭の食べ方も、実に美味そう。
 長さんが、夜中にはばかりに行くところから語った雨、というのもこの日の空に相応しいと思っていたら、懇親会で、雨だからこのネタを選んだとのこと。なるほど。そういう感覚、私は大事だと思う。
 師匠のような独自のくすぐりなどは挟まず、噺本来の味で楽しませてくれた。
 この人、古典が好きなんだなぁ、と思わせる高座。
 
立川談吉『野ざらし』 (23分)
 秋の花粉症らしい。薬を飲んでいるが効き目がなくなってご隠居が鼻水をたらしてもご勘弁と、笑わせる。
 この会が月二回あるとはいえ、もう42回目なんですねぇ、と感慨深く語っていた。
 本編は、三月に「さがみはら若手落語家選手権」でも聴いたこの噺だった。
 家元版なのだろうが、三代目柳好と八代目柳枝の良い部分が程よく配合されている印象。柳好で有名な「サイサイ節」、♪鐘がボンとなァりゃさ 上げ潮ォ 南さ、もなかなか良かった。
 NHKで柳亭市弥の高座について、権太楼が「座布団の中を出なさい」と忠告しちたが、この人は、八五郎の動きが十分に座布団から飛び出す躍動感があった。
 時間の関係もあるのか八五郎の仕方噺でサゲ。
 懇親会で、つい「サゲまでやらないの?」と聞いてしまった。あの後つまらなくから、とのことだったが、確かにそういう面もある
 でも、私は、この噺、時間が許すなら、サゲまで聴きたいなぁ。
 そんなことを含め、このネタについてはずいぶん前に書いたことがある。
2014年3月25日のブログ
 初代円遊が今に伝わる賑やかな噺に改作し、三代目柳好、八代目柳枝を経て、家元から談吉に伝わっているネタなのだろう。家元も途中でサゲたのかもしれないが、この日とならサゲまで出来ると思う。
 当代でサゲまで聴いた人には花緑、扇辰、小文治などで聴いていて、どの高座も良い印象を持っている。花緑が稽古してもらった小三治は生では出会ったいないが、音源を楽しんでいる。
 ぜひ、後日、談吉が幇間も引っ張り出してくれることを期待している。

春風亭傳枝『鮑のし』 (22分 *~15:10)
 短いマクラから、この噺。
 とっかかりの甚兵衛さんが、少し与太郎になっていて心配したが、中盤以降は、人の良い、あの甚兵衛さんになってくれた。しっかり者の女房の造形も悪くない。
 鮑を持って行って大家が怒って追い返された後に甚兵衛さんに知恵をつけるのは、魚屋さん。人によって、長屋の吉兵衛さんだったり、頭(かしら)だったりするが、魚屋さんというのも、アリだな。説得力が増した。
 そして、サゲは、今ではあまり聴くことのない型で、大家が甚兵衛さんに問う「のし」の字、「たすきのし」のみならず、「乃」の「杖つきのし」まで登場。
 二人の問答は、こうなる。
 大家「のし」の字は->甚兵衛さん「鮑のむきかけ」、大家「たすきのし」は->甚兵衛さん「鮑のひも」、大家「杖つきのし」は->甚兵衛さん「・・・あれは、鮑のおじいさん」
 懇親会でお聞きしたら、師匠譲りとのこと。
 この人、やはり古典派だなぁ、とあらためて感じた好高座。

 
 懇親会にお誘いがあった。ブログを書いていることもあり、できるだけそういう会には出ず、噺家さんと距離を置いてきたが、この会の手作りの温かさが心地よく、参加することにした。

 客席にテーブルをこしらえての懇親会。
 なんと、常連のお客さんが料理を持ち寄ってくれている。
 傳枝さんはビールを飲むようなので、壜ビールをお願いする。結果として3本、出演のお二人と私で飲んでいた^^
 二人の入門のいきさつやら、鯉昇一門のこと、立川流のこと、他のレギュラーメンバーのことなどで盛り上がる。内容は・・・内緒^^
 池袋の近くに住む噺家さんと、池袋の近くに住む落語好きの方による会、とのこと。
 普段は小劇場の場で、空いた日に落語会とのことで、儲けは度外視なのだろうが、こういう会は若手の噺家には、大事な研鑽の場だ。


 機会があれば、また寄せてもらおうと思いながら、雨の中を駅に向かった。

 
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by kogotokoubei | 2018-11-06 21:27 | 寄席・落語会 | Comments(6)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛