噺の話

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2018年 03月 06日 ( 1 )

 立川談四楼のツイッターで、最初に知ったことだったが、三遊亭好楽の三番弟子、好の助が、師匠の前名である林家九蔵の三代目を襲名する予定だったが、根岸の反対によって、取りやめたらしい。

 いくつかのメディアが取り上げているが、スポーツ報知が図を含めて詳しく扱っていたので、引用したい。
スポーツ報知の該当記事

前代未聞の襲名取りやめ 好楽の弟子・好の助、九蔵襲名に林家正蔵が直前で“待った”
2018年3月3日5時0分 スポーツ報知

 落語家・三遊亭好楽(71)の3番弟子で5月に真打ちに昇進する三遊亭好の助(35)の襲名が取りやめになったことが2日、分かった。真打ち昇進を機に、好楽の前名でもある林家九蔵(くぞう)を3代目として襲名することを昨年末に発表していたが、2月に入り林家正蔵(55)が異議を唱えた。好の助の師匠である好楽は熟慮し、襲名の取りやめを決断。「好の助」のまま真打ちに昇進することを決めた。

 落語家の華々しい門出となるはずの襲名が白紙になる前代未聞の出来事が起こった。「林家九蔵」は好楽が、8代目・林家正蔵(後の彦六)に入門し17年間名乗った名前。彦六没後に5代目・三遊亭円楽門下に移り、好楽と改名した。今回、弟子・好の助の真打ち昇進を機に、愛着のある前名・九蔵を贈ることを決め、8代目・正蔵の遺族や一門の兄弟子の林家木久扇(80)に相談し了解を取り付けた。

 さらに親交のあるアマチュア落語家に宮崎県限定で「九蔵」を名乗る許可を与えていたため、その人を2代目とカウント。好の助を3代目・九蔵とすることで、昨年末に、所属する「5代目円楽一門会」で発表。襲名に向けて準備していた。

 だが、2月に入り襲名を知った林家正蔵と正蔵の母・海老名香葉子さんから“物言い”がついた。香葉子さんから連絡を受け、好楽は東京・根岸の海老名家に出向き、3時間話し合って理解を求めたが、賛同を得ることはできなかった。

 驚いたなぁ、これは。

 披露目のために、すでに案内状なども印刷済み、幟も作っていたようだ。

 これ、根岸の言い分が、理不尽としか言いようがない。

 好楽が彦六の九番目の弟子だったので、九蔵となったのが初めであり、林家九蔵という名に名跡として争うような理由はないはず。

 では「林家」、という一門の名について、根岸が命名の権利を持っているのかどうか・・・・・・。

 そもそも、当代の正蔵の祖父が七代目林家正蔵を名乗っていたとはいえ、六代目正蔵の弟子ではなかった。
 柳家三語楼の弟子で七代目の柳家小三治を名乗っていたが、師匠が当時の東京落語協会(現落語協会)を脱会したため、協会の四代目小さんから、一門の名であった小三治を返すように求められた。小三治の名跡を返上しない間に協会側で八代目小三治が誕生してしまった。五代目柳亭左楽を仲立ちとして、六代目正蔵の遺族から名跡を譲り受けて、七代目正蔵を襲名した、という経緯がある。

 その正蔵の名を、五代目柳家小さん襲名争いで敗れた彦六(当時は蝶花楼馬楽)が、一代限りの約束で、海老名家に許しを得て八代目となった。

 彦六は、先代三平が亡くなった後に正蔵の名跡を海老名家に帰したので、たしかに正蔵の名は、根岸に権利があると言える。
 しかし、彦六が弟子につけた、過去の歴史や由縁などのない九蔵の襲名に難癖をつけるのはおかしい。

 九代目正蔵は、三遊亭が林家を付けることがおかしい、と主張しているようだが、お前の爺さんだって、事情があったとは言え、柳家から林家に替わっているじゃないか。
 好楽に九蔵の名を付けた彦六の正蔵は、いろんな一門で修業してきた関係で、さまざまな名跡を名乗った。
 三遊亭円楽(三代目)を名乗っていたこともある。
 円朝の弟子で多くの昭和の名人たちが教えを受けた三遊一朝の薫陶を受けて、一朝が二つ目だった彦六に前の名の円楽を譲ったと言われる。その後は三代目小さんの預り弟子でもあったし、兄弟子の四代目蝶花楼馬楽の内輪となり、その馬楽が四代目小さんを継いだ時に、小さんへの出世名と言える五代目蝶花楼馬楽を名乗った。

 しかし、五代目小さんは、弟弟子の小三治が襲名することになったことが、林家正蔵を名乗る背景にあった。

 林家九蔵の名は、彦六のご遺族が了承しているのなら、何ら、襲名に問題はないと、私は思う。

 なぜ、根岸が横やりを入れるのか・・・・・・。

 根岸が「林家」の名すべての権利を持っていると思っているとしたら、それは大きな勘違いである。

 また、円楽一門が落語協会を脱退したから林家を名乗れない、と言うなら、林家という一門の名が落語協会の所有物か、という問題にもぶち当たる。

 当代正蔵としては、「できれば林家を名乗って欲しくない」という気持ちを「忖度」して欲しかった、ということかもしれないが、私は、あなたに九代目正蔵襲名について、ぜひ遠慮する「忖度」を期待していたなぁ。

 正蔵という名は、大きいよ。

 とはいえ、マスコミが予想以上にこの問題を取り上げているようなので、結果として、好の助にとっては、名前を売る絶好の機会となったとは思う。

 神田連雀亭で何度か聴いている。
 古典も新作も手がけ、なんとも不思議な魅力のある人で、いわゆるフラのある人だと思う。
 今回の騒動を乗り越えて(利用して^^)、精進していただきましょう。



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by kogotokoubei | 2018-03-06 12:47 | 襲名 | Comments(18)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛