噺の話

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2014年 12月 12日 ( 1 )

『百日紅』のアニメ映画化に続き、『合葬』が実写版で映画化されるようだ。

 「映画.COM」の記事をご紹介。映画.COMの該当記事

柳楽優弥&瀬戸康史、杉浦日向子「合葬」映画化にダブル主演!
2014年12月10日 06:00

[映画.com ニュース] 江戸風俗研究家としても活躍した故杉浦日向子さんの日本漫画家協会優秀賞受賞作「合葬」が映画化されることになり、柳楽優弥と瀬戸康史がダブル主演を務めていることがわかった。「ジョゼと虎と魚たち」「天然コケッコー」などで知られる渡辺あやが、約4年ぶり(「カントリーガール」京都先行上映が2011年3月公開)に映画脚本を担当。その渡辺が、新進気鋭の逸材と絶賛する小林達夫監督がメガホンをとる。

「合葬」は、幕府の解体に反対し最後まで戦った「彰義隊」に参加した、秋津極、吉森柾之助、福原悌二郎という3人の若者の数奇な運命を描いている。柳楽は、悌二郎の妹との婚約を破談にし、彰義隊へ入隊した極に息吹を与える。クールな物腰の反面、主君・徳川慶喜に対して強い忠誠心をもつ役に挑んだが「日本の伝統、日本らしさというのは忘れてはいけないんだと作品を通して思いました。粋な人生を生き抜いた『極』という役を演じることができて幸せでした」と振り返っている。

一方の瀬戸が演じたのは、極と悌二郎の幼なじみで、養子先の笠井家を追い出され行くあてもないまま彰義隊に入る柾之助。自らの役どころを「あっけらかんとした性格で、僕が思い描いていた“武士”とは全く違っていた。ものすごく純粋で不器用だ」と説明する。さらに「作品を知っていくうちに、僕が思い描いていた武士は薄っぺらく、当時の人も現代の若者と同じような悩みを持ち、柾之助はある意味、時代に抗った人物なんだという、僕なりの答えが見つかった」と語っている。

妹との婚約を破談にした極に憤慨する悌二郎に扮したのは、岡山天音。極を追い詰めている最中、幼なじみの柾之助と再会を果たす。家を追い出された柾之助に、極は彰義隊への入隊を勧める。この再会が、その後の3人の人生を狂わせていく。岡山は、「幕末を生きた若者たちが、今の僕らと同じ等身大の思いを抱いて、確かに生きていたんだという事を、この作品に参加して身をもって感じました。この映画を通して、当時を生きた人たちの体温に少しでも触れて頂きたい」と話した。

原作は、1980年代の「江戸ブーム」をけん引した杉浦さんならではの視点が注ぎ込まれており、幕末という時代の転換期を生き、戦いに巻き込まれていく若者たちの青春を、濃密で哀切漂うタッチで描いている。今作の瀬戸麻理子プロデューサーも、「『合葬』に描かれているのは、時代に翻ろうされた、今と変わらぬ普通の若者の青春そのものです。時代劇という形を取ってはいますが、青春映画として見ていただければ嬉しく思います」とコメントを寄せた。

「合葬」は、2015年秋に全国で公開。



 「コミックナタリー」でも紹介されている。「コミックナタリー」の該当記事

 ちょっとした‘杉浦日向子ブーム’は、彼女の江戸関連本の愛読者として嬉しい。 

 さて、杉浦日向子さんは、なぜ彰義隊を題材に選んだのか?

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杉浦日向子著『大江戸観光』

 『大江戸観光』(ちくま文庫)に、こんなことが書いてある。
 「お江戸珍奇」の「美形列伝(下)」からご紹介。伊庭八郎について書いた後の文章をご紹介。

 お次は、深いカンケーをしてしまった責任で彰義隊。
 私が勝手ながらマンガに描いちゃった(『合葬』)ため、よく、彰義隊のことを聞かれますが、特に深い思い入れがあったのではなくって、なんというか、白虎隊や新撰組は有名なのに、同じように若い命を散らした、他の隊は知られてない、これは不公平である、という発想でして。
 その敗者復活戦で、彰義隊を選んだのは、単なる「地元根性」で、タイガース、ドラゴンズ、カープのファンの人にはわかってもらえると思います。


 この後、彰義隊を代表する美形として、春日左衛門が紹介される。
 
 引用した短い文章でも分かるような軽妙なタッチが、杉浦さんのエッセーの持ち味で、私は好きだなぁ。

 たしかに、彰義隊については、新撰組や白虎隊に比べると小説などは少ない。
 吉村昭の『彰義隊』も、寛永寺の輪王寺宮を中心に書かれていて、天野八郎など彰義隊の人たちについては、ほとんど記載されていない。

 なるほど、「地元根性」と言いながら、杉浦さんは良いところに着眼したと思う。

 漫画も良いが、杉浦さんの江戸関連の本は、読んでいて飽きない。少しエッチなのも、結構^^

 江戸時代至上主義ではないが、江戸時代に学ぶことは多いと思っている。

 『百日紅』や『合葬』の映画化を機に、杉浦さんの江戸関連本も注目されることを期待している。
 物を無駄遣いしない‘エコ’な生活や、相互扶助の精神、などなど。そして、長屋の生活を伝えてくれる落語に興味を持つ人が増えることも期待している。八っつぁん、熊さんの世界。

 杉浦さんは落語も大好きだった。
 だから、江戸時代の噺家を主人公にした漫画を描いてくれないものか、と期待していた。杉浦さんなら、圓朝などではなく、これまで日の当たらなかった江戸時代の落語家を主人公にした傑作を描いてくれたのではないか、と思う。

 まさに、美人薄命だった。
 映画化を機に、杉浦日向子の作品と江戸の文化や庶民の生活が省みられることを期待している。
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by kogotokoubei | 2014-12-12 19:40 | 江戸関連 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛