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噺の話

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2014年 01月 11日 ( 1 )

師走に続き、自宅に近い地域落語会へ。なんと、通算176回目とのこと。

 昨年もこの二人の会に来て、マイベスト十席に選んだ鯉昇の見事な『芝浜』を聴いた。
2013年1月12日のブログ

 昨年の大入りを知っているので、12月の会で前売りチケット(700円)を購入していた。万が一、当日券(800円)が発売されない恐れもあるかと思ってである。結果としては当日券もあった。

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(ハーモニーホール座間に貼ってあったポスター)
 
 それにしても、最近は人気者の落語会の木戸銭が高騰する傾向にあるのを考えると、座間はエライ!
 全席自由席なので開場前に並んでいたら、近くにいた方が連れの人に向かって、「同じ顔ぶれで横浜にぎわい座なら3,000円だからねぇ」とおっしゃっていたが、これは扇遊を含む睦会のことだろう。にごわい座ならまだ良心的と言えるが、最近は4,000円を越える落語会がやたら増えている。パルコの6,000円は、論外だ。

 昨年の会の経験からであろう、予めパイプ椅子が多目に並んでいたように思う。最大の客席数410席、というレベルかと思う。空いた席は合計で二十もあったろうか。とにかく盛況だった。

次のような構成だった。
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(開口一番 柳亭市助『一目上がり』)
柳家喜多八 『だくだく』
瀧川鯉昇  『ねずみ』
(仲入り)
瀧川鯉昇  『持参金』
柳家喜多八 『紺屋高尾』
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柳亭市助『一目上がり』 (17分 *14:01~)
 見た目の清々しさ、語り口の良さ、など相変わらず結構。一つだけ小言を言うなら、八五郎が隠居に「ひまでしょう」とふった後、趣味の書画骨董のおかげで「一日なんて、あっと言う間にすぎちゃうものだよ」と返したが、「ちゃう」は“ちゃう”やろ^^

柳家喜多八『だくだく』 (21分)
 時間ぎりぎりで楽屋入りしたようだが、本のPRだけはしっかりし、チラシを配布していることを案内して「縁起のいい泥棒のお噺を」と本編へ。最近、噺家さんの本の出版が多いなぁ。ちなみに、泥棒の噺は、お客さんの心を盗む、ということで縁起がいいらしい。
 やはり、この人、泥棒ネタならはずさない。短縮版だから、ということではないのだろう、絵の先生が八五郎の部屋に家財道具を描く仕種を省略して、八五郎が、「そうそう、上手いもんだねぇ」と見て感心する科白を中心に進行させる。これはこれで結構。特に泥棒の目の演技がよかった。近目で強度の乱視、という泥棒の目が、なるほどそのように見えるのだ。小品だが、この日はこの高座が一番だった。

瀧川鯉昇『ねずみ』 (41分)
 11月に風邪をひいて、というきっかけから富士山が世界文化遺産にはなったが世界遺産になれなかった理由など、師走の睦会や先週の逗子とほぼ同じマクラだったが、これはしょうがないだろう。富士山登山の酸欠(三尻)や高山(鉱山)病の地口など十二分ほどのマクラで客席を沸かせて本編へ。
 昨年の『芝浜』同様、三代目三木助の十八番だ。以前(2011年9月)に日本橋の独演会で聴いて以来だが、あまり変化した印象はない。ほぼ三木助版を踏襲しての高座で、この人にしては遊びも少ない。
 その中で、元は虎屋の主人の卯兵衛が女中のお紺を後妻にしたが、実は番頭の丑蔵とお紺は前から恋仲にあったのを卯兵衛に寝とられた。だから、丑蔵は七夕の夜にその恨みをはらすために卯兵衛を階段から突き落としたと解説し、女をとられた恨み、「私も三度ほど経験があります」の一言が印象に残った^^
 マクラを含めて40分とは思えなかったのは、マクラが一週間前に聴いたばかりだからでもあるだろう。

瀧川鯉昇『持参金』 (29分)
 師走の睦会とネタがかぶった。これもしょうがないか。だから、ネタの筋書きなどにご興味のある方は睦会の時のブログをご覧のほどを。
2013年12月18日のブログ

 上方版と同様で、甚兵衛さんが結婚相手を夕方連れて来るのだが、この設定はどうも落ち着かない。人によってはおナベという名をつけるこの個性的(?)な女性は、話の中だけで、本人は登場させない方が良いように思うなぁ。登場しても、会話もないしあまり演出上の効果がないような気がする。

柳家喜多八『紺屋高尾』 (34分 *~16:40)
 二人とも同じ羽織と着物だなぁ、と思っていたら、マクラで本人もそのことを言っていた。その後、鯉昇の二席目をいじって、「私は、あんな下品な噺ではなくて、宝塚でも描けないような愛の噺を」とふって本編へ。
 冒頭で、紺屋の親方との会話において久蔵が吉原の花魁道中で高尾に惚れて恋患いに悩む様子は、なかなか秀逸だったのだが、短縮版だからなのだろう、紺屋の親方の女房が登場しない。この構成が、どうしても噺の奥行きを感じさせなかったように思う。三年仕事を頑張って十八両二分を貯め藪井竹庵大先生(?)とともに吉原へ。念願叶って高尾との夜。床に入る前に久蔵は自分の身の上を明かすのだが、これは翌朝の方が良いのではないだろうか。これまた時間の関係での短縮版の影響かもしれないが、全体的にややから回りした印象の高座だった。
 マクラが七~八分あったので本編は三十分を切っている。このネタを演じるには少し無理があったなぁ。

 
 楽しかったのだが、少し物足りなさも感じた。昨年の印象が良すぎたこともある。考えれば、この木戸銭で二人の元気な高座二席を見て聴けたのである、それで良しとしよう。そうそうはマイベスト十席の候補となるだけの高座には出会えないのだよ、と思いながら相武台前の駅に向かった。
by kogotokoubei | 2014-01-11 18:38 | 寄席・落語会 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛