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噺の話

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2012年 10月 25日 ( 1 )

スポーツ新聞や一部の全国紙で報道されているので、すでに多くの方はご存知であろうが、10月20日に開催された今年の「NHK 新人演技大賞」の落語部門で、桂宮治が大賞受賞(要するに、優勝)した。
 落語芸術協会は、うれしさの余り(?)、次のように、放送日を含めてニュースとして報じている。落語芸術協会サイトの該当ページ

NHK新人演芸大賞 受賞

下記の演者が平成24年度NHK新人演芸大賞(落語部門)において大賞を受賞致しました。

桂宮治(落語:二ツ目 かつらみやじ)

なお、大会の模様は、
NHK総合 2012年11月4日(日) 15:05 ~ 16:15
放送の予定となっております。

*放送日に着色したのは、当ブログの管理人。

先日、あまり自信はないと言い訳しながら次のような予想を書いた。
2012年10月2日のブログ

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◎ 桂宮治
○ 笑福亭喬若
▲ 春風亭ぴっかり
△ 桂二乗
△ 春風亭昇吉
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接戦だっただろうが、何とか予想があたって、悪い気はしない。

この大会について書く時には、いつも下記の優勝者履歴を紹介している。
*参考→Wikipedia「NHK新人演芸大賞」
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        西             東
1994年                桂平治(→桂文治)
1995年                柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年                古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年  桂宗助
1998年                柳家喬太郎
1999年  桂都んぼ(→米紫)
2000年                林家彦いち
2001年  桂三若
2002年                古今亭菊之丞
2003年                古今亭菊朗(菊志ん)
2004年  桂かい枝
2005年                立川志ら乃
2006年  笑福亭風喬
2007年  桂よね吉
2008年                三遊亭王楽
2009年                古今亭菊六(→文菊)
2010年                春風亭一之輔
2011年  桂まん我
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 遊雀が受賞した際は落語協会の所属だったので、芸協所属の噺家さんの優勝は、18年前の今年文治を襲名した平治以来となる。
 
 その平治が十一代目文治を襲名した年に、同じ十代目文治一門でのお目出度が続き、芸協にとっては、ここ数年の停滞を打ち破るためにも大きな励みになるだろう。
 
 決勝(本選、と言うのが正しいようだが)出場者の入門年と年齢は次の通り。

喬若 1998年入門(38歳)
二乗 2003年入門(34歳)
ぴっかり 2006年入門(31歳)
昇吉 2007年入門(不明)*芸協サイトのプロフィールには、相変わらず生年月日がない。
宮治 2008年楽屋入り(36歳)

 年齢はすでに三十代半ばだが、入門5年目での受賞は、これまでのスピード記録になるのではなかろうか。紹介した文治以降の入門年と大賞受賞年を並べてみる。

 文治  1986年入門→1994年大賞受賞(入門から9年目での受賞)
 遊雀  1988年→1995年(8年目)
 志ん馬 1981年→1996年(6年目)
 宗助  1988年→1997年(10年目)
 喬太郎 1989年→1998年(10年目)
 米紫  1994年→1999年(6年目)
 彦いち 1989年→2000年(12年目)
 三若  1994年→2001年(8年目)
 菊之丞 1991年→2002年(12年目)
 菊志ん 1994年→2003年(10年目)
 かい枝 1994年→2004年(11年目)
 志ら乃 1998年→2005年(8年目)
 風喬  1998年→2006年(9年目)
 よね吉 1995年→2007年(13年目)
 王楽  2001年→2008年(8年目)
 文菊  2002年→2009年(8年目)
 一之輔 2001年→2010年(10年目)
 まん我 1999年→2011年(13年目)
 宮治  2008年→2012年(5年目)
 
 この大会は名前や表彰方式など微妙に変わってきているのだが、過去まで遡ってみて、スピード受賞者を調べてみたら、実はもっと早い人がいた。

 桂福楽(受賞当時は桂小福) 1979年入門→1982年受賞(4年目)
  
 福楽(二代目)は、入門が1979年12月なので、もし年を越して四代目福団治に入門していたら、3年目(まるでネタみたい)ということになっていた・・・・・・。ちなみに、福楽は福団治の総領弟子。福楽は、二年前から体調を崩して高座を休んでいたようだが、今は復帰して繁昌亭にも出演しているようだ。上方落語協会サイトの桂福楽のプロフィールページ
 聴いたことがない。まだまだ知らない噺家さんが多いのだ。
 こういう人の生の高座は、ぜひ聴きたいのだが、東京での開催はないのだろうか。

 また、私にとっては意外だったのだが、林家正雀が1974年入門で、6年目の1979年に受賞している。

 ちなみに、小朝は1970年に15歳で入門し、9年目の1978年に受賞。古今亭右朝は1975年入門、11年目の1985年に受賞である。

 もちろん、参加資格や大会の形式なども違いもあったので、過去の例と単純には比較できない。

 たとえば、現在の「NHK新人演芸大賞」という呼称は、その前の「新人演芸コンクール」を第6回目から名称変更したもので、その第4回から第8回までは、落語部門と漫才などの演芸部門の区別はなかった。部門別表彰のなかった最後の第8回、受賞者の顔ぶれは次の通り。

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第8回 新人演芸大賞(1993年) 
大賞:爆笑問題、優秀賞:林家たい平「松竹梅」、林家染吉「湯屋番」
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 爆笑問題に敗れた林家たい平。彼と染吉を、落語部門の最高位受賞者と考えると、たい平は1988年の入門から6年目でのスピード受賞と言うこともできる。

 
 同じ基準と表彰形式における1994年以降過去19回の大会において、宮治の入門5年目の受賞は十分に誇っていいだろう。

 当日の宮治の勝負ネタは、いくつかのブログを拝見したところ、私も何度か聴いたことのある『元犬』だったようだ。他の4人も含め、11月4日の放送を見るのが待ち遠しい。

 芸協は、定席でも宮治などの若手を深い席で登場させるなどの試みをしており、観客も増えているように思う。私が何とかもぐりこんだ先月の末広亭での文治襲名披露は、大変なお客さんの入りだった。
 一時話題になった他の流派の手助けなどは必要なく、活気のある高座を一人づつが積み重ねていくことで、定席席亭に苦言などを言わせないようにして欲しいし、きっとできるはずである。

 つい、今年の結果から歴史を遡って、ダラダラと書いてしまったが、来年の真打昇進が年功にもどった落語協会と対照的に、芸協での抜擢昇進が数年のうちにあるような予感もさせる宮治の大賞受賞で、落語界全体が活気づくことを期待したい。
by kogotokoubei | 2012-10-25 18:47 | テレビの落語 | Comments(8)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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