噺の話

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2012年 05月 12日 ( 1 )

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 外出する前に、少し早く起きて昨夜の録画を見たところ。

 この噺は、東京では鼠小僧次郎吉が登場するが、上方版は、いわゆる匿名の“親方”に代わることが多い。しかし、まん我の噺では、名前が明確になる。大阪の南堀江に住む中川清之助という土地の顔役という設定。金が余っているようなところから取り立てて、恵まれない人に施している、一種の慈善家のような人。季節は十日戎の寒い夜、重要なバイプレーヤーとなる少しネジのゆるんだお調子者の子分は留。

 なかなか結構だった。中川清之助という特定の名を設定したのは、師匠の桂文我のようだが、実在したかどうかは分からない。鼠小僧も、実際には恵まれない人に施しをしてはいないらしいので、いずれにしてもフィクションが土台の、人情噺。東京版は古今亭志ん生が本寸法で、改作では立川志の輔が有名。上方版は東京で活躍した桂小南が定評のあるところで音源も残っている。

 まん我のこの噺、中川清之助、蜆売りの子供、そして留の三人の登場人物が十分に描かれ、くどすぎない演出も好感が持てた。やはり、この人は良い。東京で生の高座をもっと聞きたくさせる内容だった。
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by kogotokoubei | 2012-05-12 07:35 | テレビの落語 | Comments(6)

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by 小言幸兵衛