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噺の話

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2010年 07月 17日 ( 1 )

BS2で今朝早朝、というか昨日深夜にあった再放送を録画していたのを、今ほど見たところである。

伯楽師匠が好きなこともあるが、14日の独演会で三三の演出に小言を書いた、吉原田圃の回想場面における古今亭伝統の芸を確認したかったのだ。

伯楽師匠は志ん朝師匠の一つ年下で小三治新会長と同じ昭和14年の生まれ。71歳だから、7月4日に36歳になったばかりの三三の、ほぼ“ダブルスコア”(?)である。比較しちゃ三三が可哀想ではあるが、伯楽師匠は回想場面で端唄『薄墨』を披露してくれた。

他の方のブログを拝見すると、4月16日に開催された第610回東京落語会の収録のようだ。当日は伯楽師匠のみならず、言い間違いなどが頻発したと書かれたブログがあったが、たしかに「誓願寺店」を「清正公様」と間違えて言い直したものの、それはご愛嬌でしょう。この誓願寺店の騒動は演じずに「唐茄子屋政談の中でございます」として高座をおりたので放送が終わりかと思ったら、終演後のニッショーホールの客席に座った伯楽師匠の回想談があった。次のような回想。

・大学在学中に家出をして馬生に入門した時、たまたま大師匠の志ん生に前座がいなくてお手伝いをすることになり、毎日のように名人志ん生の高座を聞けたことが今に残る財産。
・なかでも好きなのは『火焔太鼓』『唐茄子屋政談』だが、なかなか怖くて高座にかけることができず、唐茄子屋を高座にかけたのは五十を過ぎてから。

う~ん、三三の唐茄子屋に注文をつけるのは酷か・・・・・・。高座にかけるだけでも立派?

ともかくこの番組、一番良かったのは最後の伯楽師匠の回顧話だった。

「薄墨」がどんな端唄かについては、浜松町かもめ亭で三味線を弾かれることも多く、ブログも書かれている笹木美きえさんが“江戸端唄・俗曲の試聴と紹介”のサイトを開設してくれている。ぜひお聞きいただきたい。唄と解説は下記のごとく。
江戸端唄・俗曲の試聴と紹介


  薄墨に 書く玉章(たまずさ)の 思いして
    雁鳴き渡る 宵闇に 月影ならで 主さんに
     焦がれて 愚痴な畳算 思い回して ままならぬ
       早く苦界を そろかしく

<解説>
しっとりした曲調で 治伊坊が 苦界に沈む女性の 愛しい男に寄せる
想いを 手紙の文に仕立て上げた。

玉章 :(たまずさ)手紙
愚痴 : 言っても仕方がない事を言って嘆く
畳算 : 煙管(キセル)を畳に落とし、落とした所から畳の編み目を
     縁まで数え 丁・半で吉凶・待ち人を占う



三三が「薄墨」を唐茄子屋で披露するには、あと十年位必要かもしれないなぁ。彼自身は稽古していると思うが、やはり端唄なんてぇものは三十代では味が出にくいかもしれない。とはいえ、三三のこのネタ、早期バージョンアップ(?)を期待している。

伯楽師匠にはまだまだ長生きしていただき、志ん生、志ん朝、そして師匠馬生の思い出を語っていただきたいものだ。この番組に回想談話を加える企画は、NHKにしてはなかなかオツである。ぜひ続けて欲しいものだ。
by kogotokoubei | 2010-07-17 07:43 | テレビの落語 | Comments(4)

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