「いじめっ子」の暴走について思うこと。
2026年 03月 06日
なんとも憂鬱な日々が続く。
日本政府は、ウクライナ侵攻のロシアを非難するが、イラン攻撃のアメリカを非難することはない。
イランの周辺国への報復を非難するが、先に銃弾を放ったのは、イスラエルとアメリカだ。
WBCのアメリカ代表の選手から、反トランプの声を聞くことはない。
そんなことを考えていて、公然と反トランプ発言をした有名人のことを思い出した。
少し長くなるが、昨年のカンヌにおける名優の言葉を、「Vogue Japan」から引用
Vogue Japanサイトの該当記事
カンヌでトランプ大統領を猛批判したロバート・デ・ニーロからエマ・ワトソンまで。歴史に残る5人のスターたちのポリティカル・スピーチ
社会的・政治的発信も多い海外スターのなかでも、歴史に残る映画祭でのポリティカル・スピーチ5選に注目。カンヌでロバート・デ・ニーロが披露した話題のスピーチ全訳も含む、社会を変えた5人の言葉とは。
By MASAMI YOKOYAMA、YAKA MATSUMOTO
2025年5月20日
「いじめっ子に勝たせてはいけない」──ロバート・デ・ニーロがトランプ批判を続ける理由
2024年5月、共和党大統領候補のいわゆる”口止め料”裁判が行われていたニューヨークの法廷の外で、ドナルド・トランプ現大統領を「アメリカの民主主義を破壊しようとしている道化師」と呼ぶなど、かねてから大統領を痛烈に批判してきたデ・ニーロ。そんな彼は、先のカンヌ国際映画祭での名誉パルムドール受賞スピーチで改めて大統領を批判したが、彼のように長年トランプ大統領を批判してきた有名人は数多い。しかし、最近では表立って批判するデメリットを考慮して口を閉ざす人が増える中、”報復”を受けるリスクを負いながらも声をあげ続けるデ・ニーロは、その理由をイギリス「The Guardian」紙にこう語っている。
「報復を受ける可能性については、もちろんいつも念頭に置いています。だが、あの人は“いじめっ子”と同じです。いじめっ子が月曜日に昼食代をねだってくれば、火曜日にはもっと要求してくる。だからこそ立ち上がらなきゃいけない。いじめっ子に勝たせてはいけないのです」
さらに、直近でアメリカ制作ではない映画に100%の関税をかける可能性も示唆したトランプ大統領に対し、彼が繰り出したカウンターパンチが、先のカンヌでの渾身のスピーチだ。
デ・ニーロ、カンヌでのスピーチ全訳(2025)
「私の国では、これまで当たり前だった民主主義のために皆が必死に闘っています。それは、ここにいる私たち全員にも大きく影響するものです。なぜなら、今夜は芸術の名のもとに皆が一つに団結する試練の場だからです。芸術とは、真実を探し求め、多様性を受け入れるものです。だからこそ、ときに芸術は脅威となり得るのであり、私たち(芸術家)もまた、独裁者やファシストにとっての脅威となり得るのです。
最近、“アメリカの俗物的な大統領”が、我が国屈指の文化施設(ジョン・F・ケネディ・センター)の理事長に就任し、芸術や人文科学、教育への資金と支援を削減しました。創造性に値段をつけることなどできないはずなのに、どうやら関税をかけることはできるというのです。もちろん、これは到底許されるものではありませんし、こうした(芸術全般に対する)攻撃は、すべて容認されるべきではありません。そして、これはアメリカだけの問題ではなく、世界の問題でもあるのです。私たちは映画を観るように、ただ(この事態を)傍観しているわけにはいきません。私たちは行動を起こさなければならない。今すぐ行動を起こさなければならないのです。暴力ではなく、大きな情熱と決意のもと、自由を大切に思うすべての人が団結し、抗議活動を行うときが来たのです。選挙の時期が来たら、必ず投票するときが来たのです。どうか皆さん、投票に行ってください。カンヌの輝かしい祭典で、芸術を称えることで、私たちの力と決意を示しましょう。「Libérte、Égalité、Fraternité」と、最後はフランス国旗“トリコロール”の色に込められた「自由、平等、友愛」という言葉でスピーチを締め括った。
他の四人のスピーチについては、ぜひリンク先の記事でご確認のほどを。
「いじめっ子」は、ベネズエラでうまくいったことで調子に乗って、イランを攻撃。
デ・ニーロのたとえを借りるなら、月曜の昼食代がベネズエラで、火曜がイラン、ということか。
たしかに、マドゥロ独裁政権から国民を救った、という側面があったのかもしれない。
しかし、その手段を正当化して良いのか。
つい今しがた入ったニュースで知ったが、アメリカ政府は、ベネズエラ暫定政権と、2019年以来途絶えていた外交関係回復で合意したと発表した。
「47NEWS」の該当記事
世界最大級の埋蔵量を誇るベネズエラ産原油の確保で、米国内の精油所供給とエネルギー安保の強化を進めようとしている。
ベネズエラ国民にとって、果たして、より幸せな日々が訪れるのかどうか、私には分からない。
明らかなことは、シェブロンなどの石油メジャーが儲かり、それらの企業はトランプを支援するだろう、ということ。
トランプは、次にキューバに狙いを定めている。
TBSサイトの該当ニュースの動画のカット。
TBSサイトの該当ニュース

思い出すのは、ミラノ五輪で金メダルとなったアメリカ女子アイスホッケーチームが、トランプの一般教書演説への招待を断ったことだ。
同じく金メダルだった男子チームへの祝福の言葉に、トランプがこう付け加えたからだ。
「まぁ女子チームも呼ばなければならないのは分かっているだろう? もしも招待しなければ、おそらく私は弾劾されると思う」
女子アイスホッケーチームの主将ヒラリー・ナイトは、「今回の件は、スポーツ界だけでなく、あらゆる業界において、女性についてどう語るべきかを考える上で、非常に良い教訓になると思う」と言った。
また、彼女は「女性は劣っているわけではない。私たちの成果は、その偉大さ以外の何ものにも覆い隠されるべきではない」と訴えた。
Yahooニュースの該当記事
「自由、平等、友愛」でスピーチを締めくくったロバート・デ・ニーロと同様、ヒラリー・ナイトの言葉にも、「いじめっ子」の悪行には断固抗議する強い意志を感じた。
俳優、アスリートに限らず、一人一人の人間が、「いじめっ子」の悪事を許したら、暴走が止まらなくなると肝に銘じる時だ。
もちろん、武器輸出解禁などで、その「いじめっ子」に加担することも、許されない。
