「二番煎じ」の、本当の問題はなにかー1月30日の「天声人語」で思うこと。
2026年 01月 30日
今朝の朝日新聞「天声人語」は、久しぶりに落語ネタによる内容だった。
こちらが、朝日のサイトの該当コラム。
朝日新聞サイトの該当コラム
実際の紙面には題は記されていないが、サイトには「真冬の選挙と二番煎じ」と記されている。
私が映した写真。

書き起こす。
寒さが極まるころに聞きたくなるのは、落語の「二番煎じ」だ。真冬の晩、町内の旦那衆が集まって火の用心の夜回りに出る。寒風に身を縮めて番小屋へ戻り、皆で炭火を囲む。「いやあ、恐れ入りました、あの寒さというのは」。すると一人が懐中から酒を取り出す▼月番(幹事)は叱るふりをするが、「煎じ薬ならいい」と酒を土瓶に移して燗をつける。ならばと他の旦那衆も猪の肉やネギ、みそを出し始め、背中から鍋まで出てきて酒宴になる。集団心理か、同調効果か。そこへお役人が現れる▼慌てる月番に「拙者も一杯もらいたい」と言い、「良い煎じ薬じゃ」とおかわりを求める始末。たしなめるどころか共犯者にー。古今亭志ん朝の絶妙な語りを楽しみながら、ふと思った。なんだか、今回の衆院選みたいだと▼みんなが言うから言うしかないのか。選挙になったら、なりふり構っていられないのだろうか。与党も野党も、公約で消費減税を掲げている。国債発行残高は1千兆円を超えており、国の財政は厳しい▼消費税は医療や年金などの社会保障に使われている。下がったりゼロになったりすれば、巨額の財源が必要になる。だが、各党の説明を読んでも聞いても、どれもあいまいに感じる。大きなツケを次世代へ回すことになったらと、心配になる▼消費減税の実現には時間がかかる。酒が煎じ薬ではないように、いまの物価高に効果があるのか疑問だ。寒さのあまり、目先の利益しか見えなくなっていたら怖い。
私も、志ん朝のこの噺は好きで、その音源を元に、居残り会でYさんと二人でご披露したこともある。
それはさておき、このコラム、どうもしっくりこない。
まず第一に、肝腎のオチ(サゲ)を書いていない。
“「良い煎じ薬じゃ」とおかわりを求める始末”の部分を、“「良い煎じ薬じゃ。一回りするから二番を煎じておけ」でのサゲ”として、他の部分を少し短くして欲しかった。
次に、財源が明確になっていないから消費減税をすべきではない、物価高への効果も疑問だ、という内容なのだが、それって、違和感あるなぁ。
落語「二番煎じ」を元に、今回の解散を批判するとするなら、書きようが違うのではないか。
レジの準備が間に合わないなどと消費減税に反対してきた高市自民党が、有権者への目くらましのような減税を言い出し、突然の解散を行い、期末、そして寒中に、整理券も間に合わない地域が出るような短期間での選挙を強行していることが、問題なのではないか。
ロシアでさえ、厳しい寒さを理由に、ウクライナ攻撃を一週間停止するというのに。
今日のコラム、私なら後半を、こう書く。
「拙者も一杯もらいたい」といい、の後。
・・・・・・「良い煎じ薬じゃ」と美味そうに飲む。月番が「もうございません」と言うと、「一回りするから、二番を煎じておけ」でサゲ。噺の題の由来である▼高市自民党は、まさに、二番煎じで、これまで頑なに反対していた消費減税を唱え出した。衆院選の争点にしたくなかったのだろうが、「検討を加速」という言葉を有権者はどう捉えるのか▼芸達者な噺家さんで「二番煎じ」を聞くと、つい、鍋を食べたくなり、熱燗を一杯いただきたくなる。心も体も少し暖かになる。しかし、この選挙で叫ばれる政策を聞いて、果たしてどこまで寒中に暖を感じられるのだろうか。投票に行くことさえ困難が伴う土地もある▼有権者がこの噺の旦那衆に重なって見える。この噺のサゲ以降があるとして、もどって来た役人に対し、旦那衆は役人におもねって「二番煎じ」という酒を再びふるまうのか、それとも、苦くて吐き出したくなるような、本当の煎じ薬を飲ませるのか。
こう書いていて、つい落語「禁酒番屋」を思い出した。
正直に「煎じ薬です」と言って差し出せば、役人も怒るわけにはいかないだろう。
今は八十八師になられましたが、以前は桂宗助さん。米朝一門で一人だけ「米」「朝」が付かないお弟子さん。勿論「二番煎じ」からです。
私は南光さんの「二番煎じ」が好きです。寒い時に聞きたい噺ですね。今日は節分ですから「厄払い」もこの時期のお話。米朝さんが太巻きの丸かじりを「昔はあんなの無かった」と言われていたのを思い出します。今日はイワシの塩焼きだけ買ってきました。
大阪では二番煎じならぬ三番煎じをしようとする維新吉村共同代表。5年前に「都構想はもう挑戦しない」と言っていたにも関わらずこのザマ。勝つまでじゃんけんです。大阪市は(私は大阪市民ではありませんが)、衆議院選選挙区、比例区、最高裁判所国民審査、大阪府知事選、大阪市長選。看板が間に合わなかったところも出たそうです。
維新にかき回される大阪は衰退するばかり。「二番煎じ」に登場する粋なお武家様の様な首長が大阪に誕生するのはいつになるやら。
