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田部隆次著『小泉八雲』(中公文庫)より(24)


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田部隆次著『小泉八雲』(中公文庫)
 
 田部隆次著『小泉八雲』(副題「ラフカディオ・ヘルン」)の二十四回目。

 初版は1980年に北星堂書店から刊行され、今年3月に中公文庫で再刊。
 とはいえ、本書の「序」で著者は、この伝記の第一版は、大正三年四月、早大出版部から出た、と記している。

<目次>
□序
□故小泉八雲の著作につきて  坪内逍遥 ※「つきて」は原文のママ
□序  西田幾多郎
□小泉八雲先生を懐ふ  内ケ崎作三郎
□1 ギリシャからアイルランドへ
□2 大叔母のてもと
□3 学校生活
□4 シンシナティ
□5 ニューオーリンズ
□6 西印度、フィラデルフィア、ニューヨーク
□7 横浜から松江
□8 熊本
□9 神戸
□10 東京 その一
□11 東京 その二
□12 思い出の記  小泉節子(セツ)
□13 交際と交友
□14 人、思想、芸術
□15 ヘルンの通った道
□16 著書について
□17 余禄
□18 年譜(生涯、著作遺稿等)
□小泉八雲ー名の無き庶民の心を語り継ぐ  池田雅之
□索引

 今回は「熊本」。

 長谷川洋二著『八雲の妻』で熊本の章に進む前に、こちらをご紹介することにした。

 熊本第五高等中学校の校長は初め嘉納治五郎、のち中川元(はじめ)、教頭は桜井房記(ふさき)であった。佐久間信恭は同僚の一人であった。月俸二百円。明治二十四年十一月より二十七年十月まで満三年勤続した。

 ということで、一年三ヶ月過ごした松江より、熊本時代の方が長い。

 本書掲載の、熊本での二人の写真。

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 引用を続ける。

 初めの住所は手取本町三四に定めたがキリスト教会の鐘が近く聞えるので、坪井西堀端町三五に移った。この家には樹木こそ少ないが石の多い(その石に七百円程かけたという)広い立派な庭園があった。熊本の人は水前寺公園程の庭だと褒めた。高等中学校附属の外人官舎があったが日本間がないのでヘルンはこの官舎に入らないで、純日本風の家に入ったのであった。漢学の教師秋月胤永(かずひさ、悌次郎)はこの官舎に入った。秋月はもと会津藩の家老、白髭を垂れた愉快そうな老人であった。ヘルンは松江で籠手田知事を敬愛したと同じ理由でこの秋月先生を尊んで『東の国から』のうちに「神」と呼んでいる。

 今年に入り、NHK BSで「八重の桜」の再放送をしている。

 Wikipedia「八重の桜」から、秋月悌次郎について引用する。
Wikipedia「八重の桜」

秋月悌次郎(あきづき ていじろう)
演:北村有起哉
公用方として容保らに先行して京に入る。京では新選組の採用や薩摩藩との連携で手腕を発揮するが、池田屋事件の責任を問われて罷免され、会津に帰国させられる。会津では八重の結婚の際に仲人を務める。その後、蝦夷地の代官へと左遷されるが、京都の情勢悪化を受けて再び公用人として復帰した。
会津戦争では、降伏の使者として新政府軍の陣地に自ら身を投じ、新政府軍との交渉の末降伏を認められた。その後、猪苗代の謹慎所に送られた。
のちに第五高等学校などの教師として活躍し、熊本に向かう途中京都で八重とも再会した。

 ということで、熊本で八雲は、錚々たる人物と遭遇する。

 学習院出身の柔道四段有馬純臣(すみとも)も教師のうちにいた。完全なる英語を話す人、最も貴族的な人、自分が見た日本人中で最も風采のあがった人と言っている。

 五高の学生の中にも優秀な人材がいた。

 ヘルンがその手紙において最もその人物識見を賞賛しているのは当時法科の首席安河内麻吉(内務次官在職中昭和二年没)であった。「男のうちの男」と家人に噂していた。東京の家を訪問した時、取つぎの者それと知らず断って後、安河内なる事が分ってあと追いかけさせて引きもどした事もあった。

 周囲に優秀な人々は存在した。

 しかし、熊本は、松江と比べると八雲にとっては魅力的な地とは言えなかったようだ。

 松江のような風流な土地ではなく、骨董や古本屋もない。
 田原坂で有名な西南戦争(十年戦争)のせいでなくなったとも、初めからなかったとも言われる。
 また、松江のように茶の湯や生け花などが盛んな場所でもなかった。

 風景は雄大で男性的で大陸的であるとも、殺風景とも言える。松江の別天地から、ただ大なる軍事上の都と言う感じを与えるばかりの熊本へ来たヘルンにとっては初めから少し勝手が違ったようであった。

 さて、そんな熊本で、二人がどんな生活を送ったのかは、別な本からご紹介予定。


 なお、熊本博物館では、2月15日まで「八雲とセツ 家族の物語」という特別展示を開催中。
「熊本博物館」サイトの該当ページ

 お近くの方が、うらやましい。


 明日の大腸検査用の病院指定の昼食(大根とじゃがいもの鶏そぼろあんかけ&白かゆ)を食べたのが12時半頃。

 夕食まで、いつもなら何かおやつを口にするのだが、我慢。

 テレビで、何か食べ物が出てくると、いつもはそうではないのに、無性に食べたくなる。

 ブログをかいて、何とか、時間をつぶしている感じである。


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by kogotokoubei | 2026-01-21 16:16 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛
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