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なんちゃって落語ー『寝床』から『百川』へ


 先日の居残り会の忘年会で、余興で「なんちゃって落語」として、『寝床』と『百川』をくっつけた五分落語をご披露した。

 これは、同じ科白が登場することに気づいて、強引にくっつけたのもの。

 佐平次さんの居残り会忘年会の記事で、『百川』と記されていたので、『寝床』と『百川』ですとコメントしたところ、ご丁寧に追加の記事を書いていただいた。
「梟通信~ほんの戯言」の該当記事

 今日は会社は休み。

 佐平次さんが、この記事を書いてくれたのなら、こちらも応じなければ(?)と、本棚から、麻生芳伸さんの『落語百選』の二冊を取り出した。


 ということで(?)、この「なんちゃって落語」について、少し説明をしたい。


なんちゃって落語ー『寝床』から『百川』へ_e0337777_17093720.jpg


 まず、前半の『寝床』を『落語百選ー冬ー』からご紹介。
 なお、私は、桂文楽の音源を元にしているので、若干、言い回しの違いがある。

 蜀山人の狂歌に、
「まだ青い素人義太夫玄人(くろ)がって 赤い顔して黄な声を出す」
 ひとつ義太夫でも稽古してみようというのは、たいてい、そうとう身代のある大家の旦那衆。さて、おぼえこんでみると、稽古だけではつまらない、だれか人を集めて聞かせてやろうという、了見を起こす。友だちや親戚は一ぺんは来るが、たいてい初回でこりて、以後いくら使いを出しても立ち寄らなくなる。しかたがないから、出入りの者、店の者が呼び集められて、一人悦にいるという素人義太夫の噺・・・・・・。

「定吉や、繁蔵が帰ってきたらすぐ来るように言ってとくれ。それから定吉や、蔵から新しいほうの座布団を五十枚ばかり出してな、あの高座のまえへずーっと敷いときなさいよ。いつなんどきお客さまが見えても大丈夫のように、いいかい? お湯はわいていますか? お湯は、たくさんわかしといてくださいよ。上戸の方には、お燗をする、下戸の方にはまた、お茶を入れて出す。あたしがまたうんと語ると汗をかきますから、身体(からだ)をふいたりしますから、たくさんわかしといてください。それからあとでな、晒布(さらし)を五反に、卵を二十・・・・・・」


  連結のポイントは「さらしを五反に、卵を二十」である。

なんちゃって落語ー『寝床』から『百川』へ_e0337777_17100719.jpg


 では、後半の『百川』を『落語百選ー夏ー』から。
 なお、私は、古今亭志ん朝の音源を参考にしているので、引用する内容とは少し違う。

 連結する会話の主は、長谷川町三光新道に住む医者、鴨池(かもじ)先生の弟子。
 聞いているのは、料亭百川に勤めたばかりの百兵衛。
 河岸の若い衆から、同じ長谷川町三光新道に住む常磐津の師匠、歌女文字’(かめもじ)を呼びに行かされ、かもじ先生を呼び出してしまっていたのだ。

「・・・・・・白布(さらし)を五、六反、鶏卵、たまごを二十ほど用意しておくように、急いで帰りなさい」
「はい、かしこまりました」

「おうおう、帰ってきやがったな。どうした、わかったか?」
「へえ」
「来ると言ってたか?」
「へえ、へえ、先生、さっそくお見舞(みめ)え申すってやした。ひぇっ~」
「粋な師匠だな、あの椋鳥(むくどり)が飛びこんでったから・・・・・・お見舞いはおもしろいな。・・・・・・おい、箱はどうした?」
「へえ、持ってめえりやした。これでごぜえやす」
「おい、ちょっと見な、なんだか薬篭みてえだな」
「えーおい、師匠は粋だな、三味線は三つ折りだ。真田の紐で結んだなあ、凝ってるぜ」
「そんで、手おくれになるといかねえで、焼酎を一升、白布を五、六反と、たまごを二十ほど用意しておけと言って・・・・・・」
「え? おかしいなあ・・・・・・なんだい? 焼酎を一升てえのは?」
「あの師匠はたいへん酒が強いんだ。夏場は焼酎の冷たいのがいいもんだ」
「ふーん・・・・・・白布はどうするんだい?」
「しっかり語ろうてんだ。その白布を腹へ巻こうてんだ」
「じゃあ、たまごは?」
「常磐津を語るにゃあ、咽喉が大事だ、生たまごを呑むんだ」
「しかし、常磐津が手おくれになるといけねえっでのは聞いたことがねえなあ」
「はい、ごめんよ」
「おやっ、鴨池先生、よくおいでなさいました・・・・・・この前の勘定もまだあれっきりで・・・・・・今日は、また、なにかご用で?」
「なにをのんきなことを言っているんだ。怪我人はどこにおる?」
「へえ?・・・・・・先生、なにかのおまちがえじゃあございませんか?」
「いや、魚河岸の若い者が、袈裟がけに四、五人斬られているそうではないか」
「え?・・・・・・そりゃあ、お門ちがいで・・・・・・」
「門ちがいではない、わしの薬篭がそこにきている」
「えっ。こりゃあ先生の薬篭ですかい? しょうがねえなあ、先生のところへ飛びこみやがったんだ、あの野郎・・・・・・どうもお忙しいところを、とんだご迷惑で、いえ、少し祭りのことで相談がありまして、まあ、ここへ集まったんですがね。お宅の裏にいる、常磐津の歌女文字を呼びにやったんですよ。まちげえるにことを欠いて、鴨池先生を呼んできやがった・・・・・・あっ、そこに突っ立っているその男なんで・・・・・・やいっ、そんなところに突っ立ってねえで、こっちは入(へえ)れ」
「あんた方ァ、先生ござったで、うれしかんべえ」
「なに言ってやんでえ。このばかっ、鴨池先生と歌女文字とまちがえやがって、この抜け作っ」
「あんだね?」
「抜け作めっ」
「おらあ、抜け作でねえ、百兵衛ちゅうだ」
「てめいの名前を聞いてるんじゃねえやいっ、抜けてるってんだい」
「抜けてる? どれくれえ?」
「どれくれえも、これくれえもあるもんか。それだけ抜けてりゃあたくさんだ」
「それだけって・・・・・・か、め。も、じ。か、も、じ・・・・・・たった一字だけだ」


 私の「なんちゃって落語」では、『寝床』は短いので、ほぼカットせず「さらし」と「たまご」の部分まで演じるが、『百川』は、相当割愛している。

 
 この余興は、落語をそれ相応に知っている方しか、ウケない。

 居残り会仲間だからこそ、出来るのである。

 
 実は、三年前の夏の、居残り会暑気払いでもやっていた。

 他に、何か共通の科白、あるいは言葉でつながる二つのネタがないか探してはいたが、なかなか見つからないので、再演(?)した次第。

 なんとか、二つ目の「なんちゃって」ネタを見つけたいものだ。

Commented by saheizi-inokori at 2025-12-11 19:20
あたかも続き物・後日談のような落語もありますね。
落語の国、とは言ったものです。
Commented by kogotokoubei at 2025-12-11 19:30
>佐平次さんへ

そうですね。
落語の国、大好きです。
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by kogotokoubei | 2025-12-11 19:00 | 落語のネタ | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛