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若月澪子著『ルポ 過労シニア』(朝日新書)より(2)


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若月澪子著『ルポ 過労シニア』

 若月澪子緒『ルポ 過労シニア』(副題“「高齢労働者」はなぜ激増したのか”)の二回目。
 本書は、朝日新書から2025年11月30日初版。

 著者は、1975年生まれ。いわゆる、就職氷河期世代。
 大卒後にテレビ局の有期雇用キャスターやディレクターなどに携わって以降、生涯非正規労働者とのこと。
 結婚退職後、自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行っている。
 著書に『副業おじさん』(朝日新聞出版社)がある。

 本書は、著者がシニア労働者への取材をまとめたものである。

<目次>
□はじめに シニア労働の「プライドと偏見」
□第一章  終わらない「子育て」
□第二章  「貯蓄ゼロ」の実態
□第三章  2000万円では足りない
□第四章  シニア・ケアラー
□第五章  プライドのゆくえ
□第六章  孤独のトンネルを抜けて
□おわりに シニア美談という「話型」
□参考資料

 第一章  終わらない「子育て」、から。

 引用する。

 ゴールが見えない教育ローンの返済

 今、大学生の二人に一人は、何かしらの借金を背負って大学に進学している。そのうち、学生が背負う借金は「奨学金」、親が背負う借金は「教育ローン」と呼ばれている。こうした子どもの教育費が、親の老後の負担になっているケースをしばしば耳にする。
「長男は中学校から私立に入れました。それも全寮制の中高一貫校に年間通ったんです。その後、2年浪人して県外の私立大学に進学しましたので、相当お金がかかりました」
 こう語るのは東海地方在住のAさん(67)。障碍者施設の支援員としてフルタイムで働くシニアだ。
 Aさんは30歳になる長男のために、今もローンの返済を続けている。借入総額は1600万円。残高は1000万円近くあり、月々の返済額は総額15万円以上になるという。そもそも住宅ローンではなく、教育費だけで1600万円もの借金をしていることに驚かされる。
「最初からこれだけの額を借りたわけではないのです。足りない分を借り入れるうちに、借金が増えていきました。身の丈に合わないことをしたと言われればそれまでですが、妻の希望もあって、小学生の頃からたくさんの習い事をさせてきた。公文、書道、プール、ピアノ、空手・・・・・・。6つ7つの習い事を掛け持ちしていました」
 長年、中小の自動車部品メーカーの技術者として勤めてきたAさんは、丸い眼鏡をかけ優しい目をしている。素朴なエンジニアという印象のシニアだ。

 著者がAさんに取材した当初、非常に口が重かったらしい。
 教育ローンの返済が息子の負担になることを避けたいと、気に病んでいたようだ。

「最初にお金を借りたのは、長男が小学生の頃です。習い事の費用がかさんだため、生活費が不足し、地銀のカードローンを利用するようになった。中学に上がる頃には、教育ローンを利用して、100万~200万円のまとまった額を借りるようになりました。私は仕事で忙しかったので、家計は妻に任せきりでしたが」
 Aさんは借入時期、借入金額、金利などを、今でもはっきりとは把握していないようだった。

 この部分を読んで、「う~ん、私もAさんと同じだなぁ」、と思った次第。
 いまだに小遣い亭主の私は、金の管理はカミさんに任せっきり。

 まだ定年になる前のことだが、カミさんに、「あんたが総理大臣と財務大臣、私は労働大臣」と言ったら、「いや、大臣じゃない、労働者」と返されたことを思い出す。


 本書に戻る。

 Aさんの感覚では、現役時代も、年収の半分くらいは教育費になっていたように思う、とのこと。

 現在Aさんは3つの返済を抱えている。日本政策金融公庫の「国の教育ローン」、地元の信用金庫からの教育ローン、さらに小さな借金を一本化してまとめた地方銀行のフリーローンである。
「中学生の頃の長男の同級生の親は、みなさん会社経営者のようなお金に余裕のある人ばかりでした。我が家は裕福ではないですが、勉強する機会は与えてあげたかった。長男の成績はずっと下のほうでしたけど」
 Aさんは62歳でそれまで勤めた会社を退職し、退職金1200万円の一部を借金返済に充てた。しかし、返済は終らなかった。

 ちなみに、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、固定金利の安心感などから、長年教育ローンの代表格とされ、かつては低金利であることが大きな魅力だった。
 しかし、長期金利上昇の影響で、2025年10月時点で年3.15%。1年前(2024年10月時点)の金利は年2.4%だから、0.75%の上昇だ。


 Aさんには、もう一人子どもがいて、その次男は、知的障害がある。

「次男は現在28歳ですが、今も2歳児ぐらいの知能です。18歳までは支援学校の通い、その後は障害者施設に通っています」
 Aさんが現在働いているのは、次男が昼間に通所している施設。Aさんが再就職先を探していた時に、次男の施設が支援員を募集していると知った。
「ローン返済のために、長く続けられる仕事がいいというのは頭にありました。70歳を過ぎても働かせてもらえそうだったので、パート従業員としてお世話になることにしたのです」

 ご長男とご次男は二歳違い。

 ご長男の教育に少々無理をしてきたのは、推測でしかないが、ご次男に障害のあることも、影響しているのかもしれない。


 多額の教育ローン返済のために働くAさんの仕事内容や職場環境などは、次回。


 何度か同じことを書くが、この度の高市政権による給付金は、あくまで18歳までの子どもについて、一人2万円。

 Aさんの家への給付はない。

 全体で17%ほどの子どものいる世帯にだけの給付は、果たして適切と言えるのだろうか。
 もちろん、参院選で前石破自民党が掲げた国民一人当たり2万円よりも、ぐっと、支出を抑えることになる。

 高市内閣は、石破自民の掲げた政策は、選挙で有権者の支持を得られなかったと言うが、子どもだけに給付、という政策は支持を得たのか・・・・・・。

 
 国民への支援は抑えるが、防衛費は今期内で1・1兆円上乗せし、今年度の防衛費は計約11兆円となり、GDP比2%を前倒しする。

 それは、有権者の支持を得た政策なのか。

 トランプからの支持は、もちろん得られただろう。

 ますます、アメリカから言い値で武器を買ったり、技術供与を受けで武器を作ることになる。

 そして、自民・維新の好戦的内閣は、作った武器を、法改正をして、輸出できるようにしようとしている。
朝日新聞の該当記事

 この政権が、国民のために仕事をしようとしていないのは明らかだ。

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by kogotokoubei | 2025-12-06 14:14 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛