映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」について(3)
2025年 11月 20日
映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」の三回目。
こちらが公式サイト。
映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」公式サイト
公式サイトから引用。
『Born in the U.S.A.』の前夜、
彼は何と向き合っていたのかー
ロックの英雄、そしてアメリカの魂――
50年にわたり第一線を走り続け、今も世界中のスタジアムを熱狂させるブルース・スプリングスティーン。
世界の頂点に立つ直前、彼は、成功の重圧と自らの過去に押し潰されそうになりながら、わずか4トラックの録音機の前で、たった一人、静かに歌いはじめる。ヒットチャートも栄光も求めず、ただ心の奥底から掘り出した“本当の声”を、孤独と痛み、そして創造の原点とともに刻み込んだ――。
主演はエミー賞俳優ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」、監督・脚本は『クレイジー・ハート』(アカデミー賞R受賞)のスコット・クーパー。
『ボヘミアン・ラプソディ』の20世紀スタジオが贈る、音楽映画の枠を超えた、心を揺さぶる体験がここに。
彼の魂の旅路が、いまスクリーンに映し出される。
公式サイトから画像も拝借。

パンフレットは作っていないらしい。
予告編。
<スタッフ>
□監督:スコット・クーパー
□製作:エレン・ゴールドスミス=バイン、スコット・クーパー、
エリック・ロビンソン、スコット・ステューバー
□製作総指揮:トレイシー・ランドン、ジョン・バイン、ウォーレン・ゼインズ
□原作:ウォーレン・ゼインズ
□脚本:スコット・クーパー
□撮影:マサノブ・タカヤナギ
□美術:ステファニア・セラ
□衣装:カシア・ワリッカ=メイモン
□編集:パメラ・マーティン
□音楽:ジェレマイア・フレイツ
<キャスト>
□ブルース・スプリングスティーン:ジェレミー・アレン・ホワイト
□ジョン・ランダウ:ジェレミー・ストロング
□フェイ・ロマーノ:オデッサ・ヤング
□マイク・バトラン:ポール・ウォルター・ハウザー
□ダグラス・スプリングスティーン:スティーブン・グレアム
□アデル・スプリングスティーン:ギャビー・ホフマン
□マット・デリア:ハリソン・ギルバートソン
□チャック・プロトキン:マーク・マロン
□アル・テラー:デビッド・クラムホルツ
□子供時代のブルース:マシュー・ペリカーノ・Jr.
□マックス・ワインバーグ:ブライアン・チェイス
□スティーヴン・ヴァン・ザント:ジョニー・カニザロ
□ギャリー・タレント:マイク・キアバロ
□クラレンス・クレモンズ:ジュダ・L・シーリー
□ロイ・ビタン:チャーリー・サベージ
□ダニー・フェデリチアン:ドリュー・フィッシャー
□ジミー・アイオヴィン:本人(声のみ)
□ジェイ・ブキャナン、ジェイク・キシュカ、サム・キシュカが
ザ・ストーン・ポニーのハウスバンドとして出演
※ジェイク・キシュカ、サム・キシュカは、2012年にミシガン州で結成された
ロックバンド、グレタ・ヴァン・フリートのメンバー。
2018年、「フロム・ザ・ファイアーズ」がグラミー賞最優秀ロック・アルバム賞
を受賞。彼らは、この映画のサウンドトラックにも参加。
この映画は、ブルース・スプリングスティーンの、ある時期、それもごく短い時期を描いている。
それは、たとえばボブ・ディランをモデルとした「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」が対象としていた4年間よりも、さらに短い。
デビュー以降のスタジオ録音アルバムで言うと、下記の、1980年の5枚目の「The River」のツアー後、1982年の「Nebrasika」リリースまでという、約2年足らずの期間だ。
<1973年~1984年のスタジオアルバム>
□1973年 「Greetings From Asbury Park」(アズベリー・パークからの挨拶、全米60位、全英41位)
□1973年 「The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle」(青春の叫び、全米59位、全英33位)
□1975年 「Born to Run」(明日なき暴走、全米3位、全英17位)
□1978年 「Darkness on the Edge of Town」(闇に吠える街、全米5位、3xプラチナム・全英16位、カナダ7位)
□1980年 「The River」(ザ・リバー、全米1位、全英2位、カナダ1位、)
□1982年 「Nebraska」 (ネブラスカ、全米3位、全英3位、カナダ3位)
□1984年 「Born in the U.S.A. 」(ボーン・イン・ザ・U.S.A.、全米1位、全英1位、カナダ1位)
では、あらすじの続き。時間軸は、少し間違いもあるかと思うが、ご容赦のほどを。
もちろん、ネタバレなので、ご留意。
前回までのあらすじの見出し。
(1)回想:バーに父を迎えに行く少年ブルース
(2)「The River」ツアーの後で
(3)ストーン・ポニーでのライブ
(4)ジョンとの打ち合わせ
(5)回想:父との確執
(6)ネブラスカ制作のきっかけ
(7)フェイとアズベリー・パークでデート
(8)デモテープづくりが進む
その後のこと。
(9)タイトル「Born in the U.S.A.」との出会い
マネージャーのジョンから、ポール・シュレーダーから映画出演の依頼が来ていると、脚本を渡されたブルース。
そのタイトルは、「Born in the U.S.A.」だった。
結果として、デモテープ作成に集中しているブルースは、脚本を読む時間もなく、そのタイトルのみを生かす曲を作った。
(10)デモテープ完成
4トラックのTEACのテープに、ほとんどギター一本とブルースのボーカルによるデモテープづくりが進んだ。
そのきっかけとなった映画を思うと、子どもの頃、父が珍しくブルースを映画に連れて行ってくれたことを思い出した。
やさしい時も、あった。
デモテープが完成し、手伝ってくれたマイクが、唯一のコピーであるカセットテープを、マネージャーのジョンに持って行った。
ジョンは聴いて、驚く。
家に帰ると、予想外に暗く、かつ、個人的で内省的な曲ばかりだと妻に打ち明ける。
彼は、ブルースが少年時代、床に空いた穴を修繕したと聞いたことがあると妻に告げる。
ジョンは、このデモテープにある歌は、「彼の心の穴を修復しているんだ」、と言う。
ティーザー予告編から。

しかし、スタジオ録音になれば、明るい曲調に変わるかもしれないともジョンは思っていた。
(11)ストーン・ポニーのライブ、フェイとのデート
ストーン・ポニーで仲間たちとライブ。
曲は、ジョン・リー・フッカーの♪Boom Boom
終演後フェイとデート。
二人はベッドを共にした。
(12)父を求めてカリフォルニアへ
両親は、カリフォルニアに住んでいた。
しかし、居場所を替えても、父ダグの精神は不安定なままで、アルコール依存症は治りそうにない。
母アデルから電話があり、ブルースに助けを求めた。
カリフォルニアにやって来たブルースは、バーで父を見つけた。
予告篇から。

(13)スタジオ録音
ニューヨークに戻ったブルースは、仲間のEストリート・バンドとスタジオ録音を始めた。
♪Born in the U.S.A.は、ロック色の強いアレンジで蘇った。
ミキシングルームのジョンやスタッフは、この曲がヒットすることを確信し喜ぶ。
他のアップテンポの軽快な数曲も満足できた。
しかし、♪ネブラスカなどの曲は、ギター一本で作ったデモテープを上回るとは、ブルースには思えなかった。
彼は、ヒット曲よりも、魂の歌、本物の歌を求めていた。
自分自身を見失いたくなかった。
スタジオ録音が2週間を過ぎても、ブルースが求めるアコースティックな曲には仕上がらなかった。
フェイには電話すらできず、留守電を聞くだけだった。
ブルースは♪Born in the U.S.A.を含むヒット候補曲を棚上げにするとスタッフに告げた。
そして、♪ネブラスカや♪アトランティック・シティなどは、彼のデモテープをそのままレコード化すると言い出した。
ブルースの意志は、固かった。
マネージャ―のジョンはブルースのデモテープをレコードとして使うことに同意した。
ジョンは、前作からのシングルカットがヒットしているうちに、次のヒットを出すことを期待しているレコード会社を、なんとか説得しなければならなくなった。
その後は、次回。
ブルースを好きな方も、そうでもない方にも、お薦めの映画。
まだ、なんとも言えない時期だが、ジェレミー・アレン・ホワイトがアカデミー賞の主演男優賞を受賞してもまったく驚かない。
アニメ映画が興行成績上位に位置する中、数少ない、大人の映画でもある。
