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池田雅之著『小泉八雲』より(13)


 ほぼ一カ月ぶりにこの本のこと。

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池田雅之著『小泉八雲』(平凡社新書)

 池田雅之著『小泉八雲』(副題「今、日本人に伝えたいこと」)の十三回目。
 本書は、8月7日に平凡社新書で初版。
 著者は、八雲(ラフカディオ・ヘルン)の『新編 日本の面影』や『新編 日本の怪談』などの訳者として知られる。


<目次>
□はじめにー共生きのいのちを生きる
□第一章 甦る八雲の現代日本への警告
□第二章 八雲と漱石の異文化体験から学ぶ
□第三章 欧米人は八雲をどう見てきたか
□第四章 八雲の人生と文学の素地をたどる
□あとがきー日本を取り戻す
□主要参考文献一覧
□小泉八雲略年譜


 前回は、第二章から、井上円了のことをご紹介した。

 ここからは、中略して進む。


 3日「文化の日」の祝日に、NHKで「ばけばけ」関連特別番組が放送された。

 NHKサイトから、引用。
NHKサイトの該当ページ

小泉八雲のおもかげ ばけばけ トミー・バストウが巡るアイルランドとニューオーリンズ
【放送予定】11月3日(月・祝) [総合] 午前9:15
11月22日(土) [BS] 午後10:30

【出演】トミー・バストウ
 
連続テレビ小説「ばけばけ」でヘブン役を演じるトミー・バストウさん。徹底した役作りでドラマに臨むトミーが、ヘブンのモデルとなった小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の足跡を追います。

ドラマの舞台である松江、そして、ハーンの人生に大きな影響をあたえたアイルランドとニューオーリンズ。ハーンのおもかげを追って世界を旅するトミーの役作りに密着しました。

 ニューオーリンズでは、八雲がクレオール料理のレシピ本を出版し、今なお、シェフたちの座右にあると知って驚いた。

 22日にBSで再放送があるので、ご興味のある方は、是非ご覧のほどを。

 NHKは、たまにこういう好企画がある。
 とはいえ、もっと、政権の見張り役というジャーナリストとしての番組を期待したい。

 ということもあり(?)、一気に「第四章 八雲の人生と文学の素地をたどる」の中の「第四節 八雲を立ち直らせたクレオール文化の可能性」から、ご紹介したい。

 クレオールへの関心

 小泉八雲がクレオール文化に強い関心を抱くようになるのは、彼が1877年にルイジアナ州ニューオーリンズに到着してからのことです。八雲にとってのクレオール体験とは何かと問うてみると、ニューオーリンズとマルィニーク島での生活体験そのものを指していっていることはいうまでもありません。この南部の都会と島の生活をおいて、ほかにクレオール体験なるものじゃ存在しないといってよいでしょう。


 補足する。
 八雲は、来日する直前に、カリブ海マルティニーク島に2年間(1887年〜1889年)滞在していた。
 その様子は「仏領西インドの二年間 上巻」に書かれている。

 引用を続ける。

 後年、日本に帰化し、小泉八雲と名乗った彼は、アイルランド人とギリシャ人の混血児として生まれました。まず、彼を混血という人種的呪縛から解き放ったのは、さまざまな人種と文化が交流して暮らすニューオーリンズという都でした。八雲のクレオール文化に対する興味と関心は、1878年6月、ニューオーリンズの弱小新聞社であったアイテム社に就職してから一層深まりを見せはじめました。
 この時八雲は二十八歳になったばかりでしたが、「アイテム」紙で次々とクレオール文化に関する記事を書き始めるのです。

 八雲はニューオーリンズに来る前の6年間、オハイオ州シンシナティで新聞記者をしていた。
 シンシナティでは、生活不安や飢餓体験などを味わっていたようだ。
 その後、ニューオーリンズに移り、次第に心身ともに立ち直っていく。

 次節「クレオール文化の魅力」から。

 八雲にとってクレオール文化の魅力とは何だったのでしょうか。
 それを語るには、八雲のニューオーリンズへの思い入れの深さを紹介するのが、手っ取り早いと思われます。
 八雲は「ニューオーリンズの魔力」という文章で、「 赫々たる太陽のもとにまどろんでいるクレオールの古都、ニューオーリンズ」の魅力を次のように書いています。

    初めての旅人が安心して私たちの町を訪ね、北米随一の美しい
   古都の甘美な第一印象を、純一な歓びをもって味わいうる季節が
   いよいよ到来した。この季節こそ、ニューオーリンズの魅力は
   もっとも高まるからである。あまり気候風土に恵まれない土地
   からやってきた旅人たちを、ニューオーリンズは、夜毎の妖しい
   月光と日々の夢のような倦怠と芳香とをもって魅了し去るので
   ある。(平井呈一訳)

 八雲は、彼特有の喚起的な美文調で「北米随一の美しい古都の甘美な」魅力について歌うように書いています。しかも、この一節も何やら後年の日本時代最初の紀行文集『日本の面影』(1894年)の、夢見るような躍動的な文体をすでに予感させています。


 ニューオーリンズは、行ったことがある。

 1999年に業界の大きなイベントがあったので出張した。
 
 クレオール料理の代表的なスープ「ガンボ」も経験した。

 もちろん、ジャズのライブを楽しみながらの酒も味わった。

 その7年後には、ハリケーンの被害があったことを思うと、貴重な体験だった。

 次回も同じ章から、そもそも、クレオールとは何か、などについて。

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by kogotokoubei | 2025-11-05 12:54 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛
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