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定数削減はコスト増となり、少数政党イジメである。


 高市の演説は生で聞いていないが、内容をざっと読んだ。

 これでは、第三次安倍内閣だ。


 さて、自民と維新の連立による合意事項、議員定数削減のことについて。

 議員定数削減が、本当にコストやムダを減らすことになるのか、興味深い記事がJBpressにあったのでご紹介したい。
JBpressの該当記事

議員定数削減でムダが減る、は間違い!経済学が証明した驚きの結果、むしろ官僚・役人のムダ遣いを野放しにする
【小泉秀人の時事ネタ経済学】「議員が増えると歳出は減る」…北欧での研究結果は維新の主張と真っ向対立

小泉 秀人
一橋大学イノベーション研究センター専任講師
2025.10.22(水)

 10月21日、高市早苗氏が首相に就任した。この日本初の女性首相を誕生させたのが、自民党と日本維新の会による連立政権の樹立だ。自民・維新の協議では、維新が掲げる「身を切る改革」の象徴とも言える「議員定数削減」が、連立樹立の「絶対条件」として急浮上した。連立合意の文書にも、衆議院定数を1割削減する法案を年内に成立させることを目指すと盛り込まれた。

 この要求は、単なる交渉カードというだけでなく、維新が「改革の原点」と位置付けてきた自治体レベルでの議員定数削減実績にも裏付けられており、全国規模に拡張しようという戦略と見られている。 だが、その「身を切る」政策が果たして「ムダ」を減らすことになるのか。

 本稿で紹介する北欧における経済学の実証研究は、実は議員数削減は支出を増やすことにつながることを厳密かつ精緻に実証した。日本で繰り返される「議員を減らせば税金が浮く」という直感と、真っ向から食い違う。この非直感的な結果について詳しく見ていこう。

 フィンランドとスウェーデンの地方自治体での調査論文がこの記事で紹介されている。

 統計学に関する指標などは、実際にこの記事を読んでご確認いただくとして、論文の結論は、議員が増えると支出は減る、なのである。

メカニズム:議会vs官僚、監視の分業

 なぜ議員が多いほど支出が絞られるのか。論文は、政治(議会)と官僚(行政)との古典的な「エージェンシー問題」を指摘する。

 経済学でいう「エージェンシー問題」とは、「代理を頼んだ人(=委任者)と、実際に動く人(=代理人)」の利害がズレてしまうことを指す。

 たとえば、住民(委任者)は「税金をムダづかいせずに、必要な公共サービスを提供してほしい」と思っている。一方で、実際に行政を動かす官僚や役所の職員(代理人)は、「自分の部署の予算を増やしたい」「仕事を楽にしたい」「人員を減らしたくない」といった自分たちの都合で動くこともある。

 このとき、委任者が代理人を完全に監視できないために、代理人が自分に有利な行動をとってしまう。これが「エージェンシー問題」だ。

 企業でいえば「株主(委任者)」と「経営者(代理人)」の関係にあたる。経営者が自分の地位を守るためにリスクを取らず、株主の利益を損なうのと同じ構図だ。

 この問題があるゆえに、行政官は「予算最大化」を目指す傾向がある一方、政治家は財政規律を好む有権者に応えようとする。議員は忙しく、時間的な制約が大きい。そこで議員数が増えると、行政の監視を行う余力が増し、オペレーションの水ぶくれ(人件費や日常的経費)に歯止めがかかる。

 実際、推定では「運営経費」と「公務員数」が議席拡大で有意に減る一方、「投資(資本的支出)」にはほとんど影響がない。つまり、議席が増えることでいわゆる「バラマキ土木」が増える、というようなこともなく、日々の運営・人件費の膨張を抑える作用が強い。

 議会と官僚との関係もそうだが、国民が議員に政治を負託するということも、まさに代理人(エージェンシー)問題だ。


 議員が減れば歳費は減る、というのは当然なのだが、それだけで、効果あり、と主張するのは、木を見て森を見ずなのである。

 大局を見て、コストは語られるべきなのだ。

 見えるコストだけではなく、見えないコスト、潜在する問題にまで頭を巡らす必要がある。

 引用を続ける。

日本の「議員数削減」論に突きつける問い

 日本の政治でしばしば掲げられる「議員を減らして身を切る」というスローガンは、議員報酬や政務活動費など「目に見えるコスト」に光を当てる。一方で、歳出の大半は人件費・社会保障・教育・保健福祉といった運営支出だ。

 北欧の自然実験が示すのは、議員を減らすと、行政に対する政治のチェック機能が弱まり、運営支出が膨らみやすいという構図である。議員定数を削減すれば、短期的には「議員報酬×削減人数」というわかりやすい節約額をアピールできる。しかし、中長期では、監視力の低下による「見えにくいコストの増加」が、節約額を上回ってしまう可能性がある。

 加えて、議員数削減は多様な声を反映する機会を狭める副作用もある。合議体の規模縮小は、少数派の代表性や専門委員会の厚み、政策監視の人員配置に直結する。監視の緩みは、単に支出増だけでなく、非効率な支出の温存や行政裁量の過度な拡大にもつながりかねない。


 まったく、指摘の通りだと思う。


 議員定数の問題は、当然、自民・維新だけで決めるべきではない。

 比例区を減らすとなると、少数野党がますます不利になる。

 しっかりと議論すべき重要な課題だ。


 維新が決して「身を切る」政党ではないことは、四年前に何度か記事を書いた。

2021年11月15日のブログ
2021年11月16日のブログ
2021年11月17日のブログ
2021年11月18日のブログ
2021年11月19日のブログ
2021年12月11日のブログ

 2021年11月16日~19日の記事は、全国労働組合総連合(全労連)のサイトにある、「月刊 全労連」2012年8月号掲載の「九条の会」事務局長で東大名誉教授小森陽一による“橋下「維新の会」の騙しの手口”からご紹介した内容。
全国労働組合連合会サイトの該当ページ

定数削減はコスト増となり、少数政党イジメである。_e0337777_08452275.png


 ご興味のある方は、詳しくはこれらの記事を読んでいただきたいが、一つだけご紹介しよう。
 2021年11月15日の記事で紹介した、旧文通費のこと。

 「文書通信交通滞在費」が領収書もなく支給されるのはおかしい!と維新は吠えていたのに、公開された使途を確認すると、ほとんどが議員の政治団体に寄付として流すことで実際は何に使ったのかがわからない状態になっていた。
 そして、金を流した先では内規で禁止している飲食費やパー券、贈答品の購入がズラズラと並んでいた・・・・・・ということ。


 こんなことをしていながら、「身を切る」などと言っているのだ。


 歳費削減効果だけをもって比例区の定数削減をするのは、大きな間違い。

 大局的には、コスト削減にならない。

 加えて、比例区で削減するのは、明らかに少数政党イジメであり、民主主義の危機。

 自民が、企業献金を許してもらい、維新の定数削減をのむのは、それほど自分たちの腹が痛まないからである。

 決して、そんなことは許されない。

Commented by saheizi-inokori at 2025-10-24 20:46
新しい資本主義の看板も、わざわざ岸田にことわつて下ろしたそうです。アベどころか、世界が見限った新自由主義の弱者切り捨てにまっしぐらですね。
Commented by kogotokoubei at 2025-10-24 21:38
>佐平次さんへ

これほど酷い政権は、ないかもしれません。
しかし、世論調査では、この軍国政権を支持する人が少なくない。
日本国民として、なんとも、腹立たしく、情けないです。
Commented by at 2025-10-27 06:32
昨夜の「朝生」(田原氏が司会)は冒頭で野党側から維新の変節が取りざたされました。
自民党とは政治とカネの問題やらで、決定的に相容れない、と言っていたとか。

それが、ねえ。
Commented by kogotokoubei at 2025-10-27 06:57
>福さんへ

そうでしたか。
維新なんて、そんなものだと思います。
旧文通費のことでもそうですが、言っていることとやっていることが、めちゃくちゃ。
自分たちの利益しか考えていません。
Commented by at 2025-10-27 19:06
敢えていえば、自民党には頼りにならないことが長所かも。パラドックスとしてですが。

さて、予断をお許しくだされ。鈴本の昼の部へ行きました。
遠峰あこのアコーディオン漫談、東京節が頭に鳴り響いています。
甚語楼「のめる」きく麿「歯ンデレラ」(荒唐無稽な新作)馬石「堀之内」(軽くて粋)
主任は桃花「松山鏡」。声に工夫があり、見事な一席。
Commented by kogotokoubei at 2025-10-29 16:30
>福さんへ

コメントに気づかずにいました。
寄席もずいぶん行っていません。
そのうち、と思いながら、時間があると映画に行きたくなる今日この頃です。
Commented by 山茶花 at 2025-11-01 11:23
維新が「議員削減」等と言い出しましたが、大阪では地方議会である大阪市議と府議の削減を行った為にどうなったか。

維新の独裁になってしまっています。市議は1区1議席の所が増えて、それが維新。「民意」だといえばそれまでですが、でも入れていない人の声は届かなくなっています。

https://ishinpedia.com/archives/215

https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/tweet/1980311945808134642?detail=1&ifr=tl_quotedtw&rkf=1

これが国政で行われる事になります。国民の声は無視される事に。知事の仕事そっちのけで維新の代表としてTVに出まくる吉村氏。これが大阪で普通になり、隣の兵庫、奈良にも飛び火。兵庫の知事の問題も全国ニュースで流れていますよね。

関西だけの問題ではありません。
Commented by kogotokoubei at 2025-11-20 17:40
>山茶花さんへ

コメントに気づかず失礼しました。
単純に議員歳費削減という言葉に騙されてはいけませんね。
一体、誰の得になるのか、そこを見逃してはいけないと思います。
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by kogotokoubei | 2025-10-24 19:36 | 社会や政治のこと。 | Trackback | Comments(8)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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