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優れた「えん罪の日」の意見広告のこと

 今日は「えん罪の日」らしい。
 
 知らなかった。

 Yahooも取り上げているが、「弁護士JPニュース」で、この日に因んだ意見広告が紹介されていたので、画像を含めて引用したい。
「弁護士JPニュース」サイトの該当記事

「えん罪」関与の捜査関係者らに“表彰状”贈呈、その真意とは…「大川原化工機事件」モチーフの新聞広告に込められた“痛烈な”皮肉
弁護士JPニュース編集部
社会問題
2025年10月02日 10:16

優れた「えん罪の日」の意見広告のこと_e0337777_11131474.png


無実の人が犯罪者として扱われ、人生や尊厳が傷つけられる「えん罪」は、国家による重大な人権侵害だ。

10月2日の「世界えん罪の日」に合わせ、「ひとごとじゃないよ!人質司法」(ヒューマン・ライツ・ウォッチとイノセンス・プロジェクト・ジャパンの共同プロジェクト)が中日新聞東海本社版朝刊に見開きの意見広告を展開した。

広告には、今年えん罪であることが確定し、国家賠償請求が認められた「大川原化工機事件」を題材にした、「人質司法関係者への表彰状」がデザインされている。

大川原化工機事件とは?
2020年3月、警視庁公安部外事1課は生物兵器の製造に転用可能な機器を無許可で輸出したとして横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人を逮捕し、11か月以上にわたり身体を拘束した。

東京地検は3人を起訴。外事1課は「警視総監賞」「警察庁長官賞」を受賞し、捜査員の多くが昇進した。裁判所も、8回に及ぶ社長らの保釈請求を却下し続けた。

しかし、初公判直前に突然起訴が取り下げられ、社長らは「無実」として釈放された。

社長らは東京都と国に対し、不当な逮捕・起訴だったとして国家賠償請求訴訟を提起。2023年12月に東京地裁が違法性を認め、賠償金計約1億6200万円の支払いを命じた。

これに対し原告(社長ら)と被告(都と国)の双方が控訴し、今年5月に控訴審の東京高裁も同様に違法性を認め、賠償金を約1億6600万円に増額した。都と国が上告しなかったことで、今年6月に判決が確定した。

警視庁公安部外事1課は、東京地裁での1審裁判の終盤になって、「警視総監賞」「警察庁長官賞」を返納したというが、賞の取り消しやはく奪が行われたなどの報道はない。

 地検は、間違いを認めるなら、その間違いによる表彰などは撤回すべきだろう。

 人の過ちを糺す仕事をしていながら、自らの過ちには目をつむるのか。


 この記事にある表彰状の文章も記事から引用。

表彰状
人質司法関係者 殿
あなたは捜査にあたり、筋書き通りに被疑者を逮捕するために、
証言の誘導やデータの隠蔽に創意工夫を凝らしました。
また、捜査の検証を省いて起訴し、保釈も却下し続けることで、
有罪判決へと邁進されました。
推定無罪がゆらぐほどの精勤をここに称え、表彰いたします。
令和七年十月二日 「世界えん罪の日」

 エスプリが効いている。

 広告のコピーもご紹介。

大川原化工機事件は、えん罪だった。にもかかわらず、
警視庁公安部外事1課は「警視総監賞」「警察庁長官賞」を受賞し、捜査員の多くが昇進しました。検察は警察の違法捜査を追認し、裁判所は保釈を却下し続けました。
被告人の一人は胃がんと診断されましたが、それでも保釈されず、無実が明らかになる前に病死しています。
真実を曲げてでも、立件すれば評価される。
それが、長期勾留で嘘の自白を引き出す「人質司法」につながっています。
どうかこの問題に関心を持ってください。
そして、人質司法見直しへの世論を高めてください。
私たち一人ひとりの声が、えん罪を「成果」から「恥」に変えるのです。

 亡くなった方のご家族の心情を思うと、このえん罪を、検察は決して忘れてはならない。
 

 「えん罪の日」を始めた国際組織の日本の団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」のサイトから、このプロジェクトについてご紹介。
「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」のサイト

イノセンス・プロジェクトとは
「イノセンス・プロジェクト」は、DNA型鑑定等の科学鑑定によって刑事事件における「えん罪」を晴らすための民間の活動で1990年代にアメリカで始まりました。
アメリカには、ロースクールや弁護士事務所を拠点に、60以上の「イノセンス・プロジェクト」と同様のコンセプトの団体があります。現在ではDNA型鑑定以外の科学鑑定や自白・供述の検証を通じたえん罪の救済が行われています。1989年以降、これらの団体などの取組みによって、アメリカでは3000人以上の「えん罪」が晴れています。
イノセンス・プロジェクトの活動から明らかになったえん罪原因の究明を背景に、アメリカの各州で捜査手法が改善されたり、死刑が廃止されたりする動きが進んでいます。最近では、えん罪を究明する部門を設けて事件の調査に取り組む検察庁も増えています。
イノセンス・プロジェクトの活動はアジア、ヨーロッパなど世界中に広がっています。
そして、イノセンス・プロジェクトの日本版として立ち上がったのが、私たちの団体です。

 実に重要、貴重な活動だと思う。


 袴田さんのことなども含め、えん罪は、その人の人生を大きく狂わせてしまう。


 こういうセンスの良い意見広告は、なかなかない。

 ただ単に「えん罪をなくそう」という主張から、一歩前に進んだ優れた広告だと思う。

 
 ややコピペだらけの記事になってしまったが、お許しのほどを。


Commented by saheizi-inokori at 2025-10-02 19:14
検事総長にも特別賞が必要ですね。
Commented by kogotokoubei at 2025-10-02 19:59
>佐平次さんへ

おっしゃる通り!
自民党にもね(^^)
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by kogotokoubei | 2025-10-02 18:18 | 今日は何の日 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


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