映画「アイム・スティル・ヒア」について(7)
2025年 09月 21日
映画「アイム・スティル・ヒア」の七回目。
アカデミー賞国際長編映画賞受賞作。
公式サイト。
映画「I'm Still Here」公式サイト
同サイトの「STORY」を引用。
1970年代、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。しかしスイス大使誘拐事件を機に空気は一変、軍の抑圧は市民へと雪崩のように押し寄せる。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束され、過酷な尋問を受けることとなる。数日後に釈放されたものの、夫の消息は一切知らされなかった。沈黙と闘志の狭間で、それでも彼女は夫の名を呼び続けた――。自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、エウニセの声はやがて、時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。
予告編。
パンフレットを買った。

本編はポルトガル語だが、英語版のシナリオを見つけたので、参考にしたい。
英語版脚本
<スタッフ>
□監督:ウォルター・サレス
□製作:マリア・カルロタ・ブルーノ、ホドリゴ・テイシェイラ、
マルティーヌ・ドゥ・クレルモン=トネール
□原作:マルセロ・ルーベンス・パイヴァ
□脚本:ムリロ・ハウザー ヘイター・ロレガ
□撮影:アドリアン・テイジード
□美術:カルロス・コンティ
□衣装:クラウヂア・コブケ
□編集:アフォンソ・ゴンサウベス
□音楽:ウォーレン・エリス
<キャスト>※役名・俳優名
□エウニセ・パイヴァ:フェンルナンダ・トーレス
□エウニセ(老年期):フェルナンダ・モンテネグロ
□ルーベンス・パイヴァ:セルトン・メロ
□ヴェロカ:ヴァレンチナ・ヘルツァジ
□エリアナ:ルイザ・コソフスキ
□ヴェロカ(成人期):マリア・マノエラ
□エリアナ(成人期):マルジョリエ・エスチアーノ
□ナル:バルバラ・ルス
□バビウ:コーラ・モラ
□ナル(成人期):ガブリエラ・カルネイロ・ダ・クーニャ
□バビウ(成人期):オリヴィア・トーレス
□マルセロ:ギリュルメ・シルヴェイラ
□マルセロ(成人期):アントニオ・サボイア
では、あらすじ。
もちろん、ネタバレなので、ご注意のほどを。
前回までのあらすじの見出し。
(1)レブロンビーチ:エウニセ
(2)レブロンビーチ:子供たちと犬
(3)パイヴァ家:ルーベンスと犬
(4)検問とヴェロカ
(5)パイヴァ家:1970年クリスマス前
(6)パイヴァ家:夫婦の会話
(7)電話
(8)8ミリ映像:新居模型と家族
(9)レストランの家族
(10)ガスパリアン書店
(11)パイヴァ家:書斎
(12)ヴェロカからの便り
(13)ルーベンス連行
(14)エウニセとエリアナの連行
(15)エウニセへの尋問
(16)廊下のエリアナ
(17)エウニセへの尋問(続き)
(18)エウニセへの尋問・二日目
(19)エウニセ釈放
(20)エウニセの帰宅
(21)軍事拘置所
(22)マーサ
ようやく釈放されたエウニセだが、夫ルーベンスの行方は、いまだ分からなかった。
(23)銀行
エウニセは住み込みの家政婦マリアに故郷へ帰ってもらうよう告げる。
マリアも寂し気に同意するが、給料の支払いがまだであると告げる。
エウニセは、銀行へ行った。
顔なじみの行員リートルに、口座からの引き出しを依頼するが、ルーベンスのサインがなければ出来ない、と言う。
エウニセは山奥の工事現場にルーベンスは行っており、電話もつながらないと言うが、リートルは首を縦に振らない。
家から持って来たドルとポンドの両替を頼んだ。
金銭的にも厳しい日々が続く。
(24)パイヴァ家:ヴェロカの手紙、そしてピンパンのこと
娘たちの部屋で、皆でロンドンにいるヴェロカの手紙を読んでいる。
手紙には「ロンドン 1971年4月」と記されている。
エウニセがベッドの一つに座り、マルセロとエリアナは床に座っている。
「この写真は地下鉄で撮ったの。アラエス家のパーティーに行く途中だったわ」
とエウニセが声をあげて読んでいる。
ナルが「早く回してよ」とマルセロに言う。
ナルはバビウの髪を梳かしていた。
写真を取り合って喜んでいる子供たち。
その時、外で、キィーッというブレーキ音と、その後に苦悶の叫び声が聞こえた。
慌てて皆が外に出ようとする。
エウニセがドアを開けると、熱いアスファルトの上に、愛犬ピンパンが横たわっている。
マルセロが「ピンパン!」と叫び近づこうとするのを、ナルが必死で止めた。
エリアナが恐怖で震えるバビウを抱きしめる。
近くに、パイヴァ家を監視している警察のVWビートルが、いつものように停車していた。
エウニセは、その車に向かって走り出す。
運転席に近づきエウニセが叫ぶ。
「何を見てたの!いったい何が欲しいの!」
運転手がキーを入れるがすぐにはかからない。
エウニセが続ける。
「夫はどこ?」
予告編から。

車が急発進するまで、エウニセがガラス窓を叩き続けた。
マリアが心配そうにエウニスを見つめている。
エウニセが言う。
「毛布を持って来て」
(25)ピンパンの埋葬
裏庭でバビウとナルが小さな穴を掘っている。
エリアナの体は固まったままだ。
マリアがマルセロをなだめている。
皆が、打ちひしがれている。
エウニセが毛布にくるまれたピンパンを穴にそっと置く。
皆で土をかける。
(26)ヴェロカの手紙:続き
家の中に戻ると、エリアナがヴェロカの手紙を持っている。
エウニセに向かって、声に出して読む。
「どうして何も教えてくれなかったの? 逮捕されたことは新聞で初めて知ったわ。一体どうなってるの?」
エリアナが言う。
「なぜ、最後まで読まなかったの?」
エウニセ「子どもが見るものじゃないわ」と言ってエリアナから手紙を奪おうとするが、エリアナは離さない。
無理やりエウニセが引っ張ると手紙は真っ二つの破れてしまった。
エリアナは茫然と母を見つめ、自分の部屋に駆け込む。
エウニスは寝室に入り、化粧台の前にぐったりと腰をおろす。
(27)マーサの手紙
深夜、エウニセは、人身保護令状を読み返している。
余白には、メモが書き込まれている。
やはり、まだ、足らないものがあるのだ。
ヘッドライトの光が室内を横切る。
エウニセは、玄関に行き施錠を確かめる。
外を見ると、アイドリングする車からマーサが近づいてくるのが見えた。
マーサがドアの隙間から手紙を滑り込ませた。
「エウニセへ」と書かれている。
ドアを開けて「マーサ!」と呼びかけるが、彼女は急いで車に戻り、去って行った。
寝室に戻り、その手紙を読む。
オフスクリーンでのマーサの声
“刑務所で過ごした耐え難い時間を今も言葉にできませんが、あなたの夫と一緒だったことは保証します。姿は見えずとも、彼が言うのを聞きました、ルーベンス・ベイロッド・パイヴァと。
移送される直前、彼が水を求めた声を最後にもう一度聞きました。家族が早く再会できますように。
昔の教え子たち、ヴェラ、エリアナ、アナによろしく伝えて”
エウニセは、深夜にも関わらず、弁護士のリノに電話をする。
少しだけ、光が差してきた。
今日まで日曜恒例のテニスは休み。
これからある映画を見に行く。
