王将戦第五局、「☖3四歩」で勝利の持つ意味。
2025年 03月 10日
ほぼ、週三日出社の契約社員。
とにかく、王将戦第五局初日の藤井王将の☖3四歩には、驚いた。
その時は、画像をコピーできなかったので、Abema TVから、拝借。
Abema TVの該当ニュース

藤井王将が、棋士になって初めて指した、二手目。
これまで全て☖8四歩だった。
この後、藤井王将は、雁木に組んでいく。
永瀬九段も、まったく予想していなかったようで、しばらく進んだ段階でも、頭を抱えていた。
囲碁・将棋チャンネルから、8日の記事でも紹介した12手目までの画像。
囲碁・将棋チャンネル

この二人の対局は、研究範囲でなら、1時間で30~40手進むことも多い。
考慮時間も藤井王将の方が多いことがほとんど。
しかし、☖3四歩の衝撃を引きずる永瀬九段の考慮時間は、その後もどんどん長くなっていく。
初日午前中は27手目までしか進ますず、藤井王将の封じ手は50手目。
スローペースで初日終了。
二日目、藤井王将の守りが見た目とは違って実に強固で、ほぼ完勝と言ってよい勝利。
王将戦四連覇を果たした。
初手☗2六歩、二手目☖8四歩から、角換わり、横歩取り、相掛かりが主流になりつつある昨今、この勝利の持つ意味は大きい。
昨日付、つまり二日目が始まる前のスポニチの記事を引用する。
スポニチの該当記事
2016年10月のプロデビュー以来、後手番258局目で初めて△8四歩以外を指した。
「予定でした。今まで指したことがなかった。やってみようかと思いました」
昨年12月、藤井は竜王防衛後の一夜明け会見で、「少しずつ変化を求めて指してます」と語った。理由は「一局一局作戦を練るよりも自然に指して、という方針でやってきた。後手番だと、それだけではうまくいかない」と感じたためだ。
近年自覚する後手番での指しにくさ。今年1月、7番勝負開幕前の会見では「(プロ入り前の)奨励会の頃は2手目で△3四歩と突くことは多く、(△8四歩)にこだわってきたわけではない。工夫であったり、面白い指し方を探っていければいい」。歴史的一手は、言葉を追う限り自然な流れと言えた。
飛車の活用を図る2手目△8四歩は受け身になりがちだ。△3四歩なら角の射程は7七まで一手で届くが、△8四歩は△8五歩、△8六歩と計3手かけなければ敵陣へ届かない。その間、相手の動きを受け止める備えがいる。いわば「王道」だろうか。変化を求めた選択は、絶対王者のさらなる進化への意思表示だった。
勝敗が決まる前の時点で、こういう記事が出ていた。
結果を踏まえた論評として、あの「ひふみん」の「ひふみんアイ」から引用。
1回勝っただけでは断言できませんが、今局の雁木(がんぎ)は、今後「攻めのカード」として持てると思います。角換わり、相掛かりだけではない、新戦法があると知らせたことは効果絶大でしょう。
七冠を維持するため、得意の戦法に執着するのではなく、新戦法にも挑戦する姿は、他の棋士にも大きな影響を与えるような気がする。
永瀬九段は、この対局から、徹底的に☖3四歩型を研究するだろう。
来月から、同じ顔合わせで名人戦がが始まる。
日本将棋連盟サイトの名人戦のページから借りた日程表。
日本将棋連盟サイトの該当ページ

初日の振り駒で藤井名人が後手になったら、注目だ。
もしかしたら、この名人戦で、師匠が得意とする振り飛車も登場する可能性があるのか、と思わせる、挑戦者藤井聡太の姿だった。
