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映画「リアル・ペイン~心の旅~」(6)


 映画「リアル・ペイン~心の旅~」の六回目。

 公式サイトから拝借。

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 キーラン・カルキンが助演男優賞、ジェシー・アイゼンバーグが脚本賞でアカデミー賞にノミネートされている。

 こちらが公式サイト。
映画「リアル・ペイン」公式サイト

 こちらも公式サイトから、実に簡略なあらすじ。

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)とベンジー(キーラン・カルキン)は、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドでのツアー旅行に参加する。従兄弟同士でありながら正反対の性格な二人は、時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々との交流、そして祖母に縁あるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた彼ら自身の“生きるシンドさ”に向き合う力を得ていく。

 予告編。



 パンフレットは買わなかったが、検索して脚本を発見。
 ということで、脚本を元に、会話を中心にした紹介が多くなる見込み。
"A Real Pain" script

<主なスタッフ>
□監督:ジェシー・アイゼンバーグ
□脚本:ジェシー・アイゼンバーグ
□製作:
エバ・プシュチンスカ、ジェニファー・セムラー、ジェシー・アイゼンバーグ 、
エマ・ストーン、アリ・ハーティング 、デイブ・マッカリー
□製作総指揮:
ケビン・ケリー、マイケル・ブルーム、ジェニファー・ウェスティン、ライアン・ヘラー
□撮影:ミハウ・ディメク
□美術:メラ・メラク
□衣装:マウゴジャータ・フダラ
□編集:バート・ナッソー


<主なキャスト>
□キーラン・カルキン:ベンジー・カプラン
□ジェシー・アイゼンバーグ:ディビット・カプラン
□ジェニファー・グレイ:マーシャ
□ウィル・シャープ:ジェームス
□エローラ・トルキア:プリヤ
□カート・エジアイアワン:エロージュ
□ダニエル・オレスケス:マーク
□リサ・サドヴィー:ダイアン

 製作に、エマ・ストーンの名がある。
 彼女は、アイゼンバーグの監督デビュー作「僕らの世界が交わるまで」でも製作陣に名を連ねていた。

 では、あらすじ。

 もちろん、ネタバレになるので、ご留意のほどを。

 なお、配給元のSERCHLIGHT PICTURESのサイトで、ロケ地に関するニュースが掲載されていた。
SERCHLIGHT PICTURESサイトの該当ページ

 こちらの情報も補足して記したい。

 前回までの見出しを確認。

(1)J・F・ケネディ空港での再会
(2)機上の二人
(3)タクシーでホテルへ
(4)ホテルで顔合わせ
(5)自己紹介
(6)ゲットー英雄記念碑
(7)ワルシャワ郊外散策
(8)カフェで昼食
(9)ワルシャワ蜂起記念碑
(10)ワルシャワのホテル
(11)ルブリン行き列車
(12)ルブリン行き列車-その2-
(13)ルブリン駅
(14)ルブリン市街ツアー
(15)墓地

 では、続き。

(16)ルブリンでの夕食
 ルブリンのレストラン。
 ピアニストが、♪ハバ・ナギラを演奏している。
 ヘブライ語の民謡で、ユダヤ教徒の結婚式や成人式で演奏される楽曲である。
 ベンジーが「反ユダヤ主義め!」と悪態をつく。
 ※この場面、なぜベンジーがそう言ったのか、私には不明。
 ジェームスが言う。
 「ツアーでは、いつもここで食事をします。料理は抜群なんですが、音楽は、ちょっとね。
  しかし、店の主人は、間違いなくユダヤ人です」
 ほぼ、皆が食べ終わって、お茶を飲んでいる。
 マーシャが言う。
 「サムおじさんは、医学部に行けなかったから薬剤師になったの。次善の策としてね。
  そして結局、シカゴとその近郊で5軒の薬局を経営することになったの。
  ソーダファウンテンもあるような大きな店だったわ。
  そして彼は、今で言うところの近代的なドラッグストアを始めた。
  電化製品も扱ってたわ」
 皆が、頷いている。
 ダイアンが話し出した。
 「そうそう、私の大叔父はポーランドから船で来て、ガルベストンに上陸したの。
  そして、金持ちが道に捨てた家具を転売して儲けたそうよ」
 マークが続ける。
 「そして、彼は、元の持ち主にさえ売ったらしい」
 みんな笑ってるよ。
 ベンジーがつぶやく。
 「金持ちは、馬鹿だ」
 皆が、面食らう。
 白けたムードを挽回しようとしたのかディビッドが口を開いた。
 「僕らのおばあちゃんは」 
 ベンジー「ドリーおばあちゃん」
 ディビッド「そう、ドリーおばあちゃん。毎週木曜に会うドリーおばあちゃんは、素晴らしい人だった」
 ジェームス「聞かせてください」
 ディビッドが続ける。
 「あ、彼女は、今ではもう見かけない、往年のリアリストの一人だ。
  もう見かけなくなった。ぶっきらぼうでタフで」
 ベンジーが口を挟む。
 「でも、決して怖くはなかった」
 デイビッドが言う。
 「そう。彼女とベンジーは、特別の秘密の言葉で話していた。マーシャ、ダイアン、彼女は
  千の奇跡で収容所を生き延び、ニューヨークへ来た。彼女は、ドレスをデザインしたかったんだ。
  しかし、それは叶わず、秘書になった。結局、彼女はその会社全体を引き継ぐことになった。
  超頭が良かった。小さな不動産会社だったんだ」
 ベンジーが懐かしそうに語る。
 「彼女とは、毎週木曜日に、そう木曜に」
 マーシャが言う。
 「いいわね、ベンジー。私の子が、月にいっぺん電話がかかってくるだけでも大変なのに」
 ベンジーが話す。
 「ああ、マーシャ、ごめんよ。一週間も休むことはなかった。彼女は、厳しかった。
  僕には厳しかった。でも、僕を正直にさせてくれた。誠実だった。他のみんなは、
  必要な時に、姿を消した」
 ベンジーがげっぷをし、放屁までして、席を立った。
 驚く一行。
 ダイアン「彼が可哀そうだわ」
 マーシャ「いつもこんな感じなの」
 ディビッドが答える。
 「彼は、浮き沈みが激しいんだ。繰り返すんだ。彼は繊細で。間違ったことを言うと
  切り替わる。ごめん、彼のことを話すのは・・・・・・」
 ダイアン「やめて、何がふさわしくないの。彼は明らかに苦しんでいる」
 ディビッドが、興奮気味に話し出す。
 「わかってるよ。みんな何らかの形で 。私たちの家族に起こったことを見てください。
  誰が傷ついていないって?」
 マーク「君は大丈夫そうだね」
 ディビッド「大丈夫なんかじゃない。僕は、クソなんだ。強迫性障害の薬を飲んで
  ジョギングして、瞑想もする・・・・・・わめいてごめんなさい。ただ、彼に
 疲れているんだ。本当は、彼に尋ねたいのに、聞きたいのに聞けないんだ。
 なぜ、睡眠薬の過剰摂取で死にかけたのか」
 一行は唖然とする。
 マーシャ「何ですって?」ダイアン「なんて言ったの?」
 他のメンバーも、皆、一様に「なぜ?」と言う。
 しばらくして、ディビッドの重い口が開いた。
 「半年くらい前かな。叔母のレアが、ベンジーの母親が ソファで彼を見つけた。
  ソファで。何も言うべきじゃなかった。あなた方には、彼が魅力的に見えている。
  彼は、本当の素晴らしい男だ。でも、私は思い浮かべるのは、地下の粗末なソファーで。
  私は、ニューヨークにいる。素敵な妻とかわいい子供がいる」
 しばらく途絶えていたピアノの音がしてきた。
 ピアノを弾いているのは、ベンジーだった。
 ディビッドは、その音を背後に聞きながら、店を出て、ホテルに一人戻った。
 深夜、なかなかベンジーが戻ってこないので、付近を探すディビッド。
 しかし、彼は見つからない。
 夜が明け、よく眠れなかったディビッドがロビーに降りると、そこに他の一行と一緒にベンジーがいた。

(17)マイダネク(ルブリン強制収容所)
 ジェームスがみんなに言う。
 「今日は大変な一日になると思います。強制収容所に行ったことがなければ
  かなり圧倒されるでしょう。反応は幅広い範囲に及びます。
  痺れるようなものから、苦痛、その中間のものまで」
 車で郊外に向かう。
 すぐに、その場所に着いた。
 車から降りたメンバーに向かってジェームスが言う。
 「マイダネクは、ルブリンの町の広場から2マイルしか離れていないんです。
 想像できますか、ここでも生活は続いていた。続いていたのです」
 一行は入り口に向かって歩き、有刺鉄線の向こうに巨大な町が見えた。

 Wikipediaから補足すると、規模はアウシュヴィッツ=ビルケナウに次ぐ。
 親衛隊(SS)がつけた正式名称は「ルブリン強制収容所」だ。
 周辺住民たちはこの収容所を近隣の村マイダンの名前をとって「マイダネク」と呼び、戦後はこの名前で有名となった。
Wikipedia「マイダネク」
 
 ※映画で紹介されたマイダネクのほとんどの映像は、予告編に存在しない。
 検索した結果、ポーランド在住のカスプシュイック・綾香さんが運営するサイト「ポーランドなび」に、
 2016年にマイダネクを訪問した際の記事を発見した。
 管理人の綾香さんから画像の使用許可をいただいたので、貴重な画像をご紹介したい。
「ポーランドなび」サイト
「ポーランドなび」の該当記事

 一行は、その後目にするものに、圧倒される。
 ベンジーとディヴィッドは最初、グループの反対側に離れていた。
 ツアーが進むにつれて、徐々に、そして無意識のうちに二人は近づいていく。
 
 バラックに着いた。
 ジェームスが言う。
 「バラック。250人用だったが、しばしば500人を収容し1000人を超えることもあった」

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 ジェームス「脱衣所」

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 ジェームス「シャワー室」

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 そして、ガス室。

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 ジェームス「壁の青いシミは、使用された毒ガス、チクロンBの残留物だ」

 ベンジーは無意識にディヴィッドの肩に手を置く。

 バラックが続く。
 
 さまざまな物が展示されている。

 ガス室で使われた、チクロンBの缶とその中身。

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 靴の展示があるバラックもあった。

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 ベンジーとディヴィッドが隣り合っている。

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 二人は靴の山を見つめ、圧倒される。
 実際には、靴の数以上のポーランド人やユダヤ人が犠牲になった。


 バンでホテルに戻る一行。
 彼らは皆、様々なショックを受けている。
 ディビッドがベンジーの隣に座っている。
 ベンジーは窓の外を見つめ、泣いている。

 映画を観ていて、私も、あの靴の映像で、絶句してしまった。

 「ポーランドなび」の綾香さんに深く感謝したい。

 今回は、ここまで。
Commented by Ponchi at 2025-02-16 22:23
 >小言幸兵衛様

 突然、無関係な話題で失礼します。

 入船亭扇海師の訃報が入りました。
 私自身は二ッ目時代に数回聞いたきりでしたが、若い頃のいかにも噺家らしい雰囲気が好きでした。

 58歳でステージ4の膵臓癌で余命半年と診断され、3度にわたる手術で膵臓、肝臓の一部、十二指腸全部を切除し、開腹手術に備え、心臓の冠動脈の手術とカテーテル治療も行っていたとのこと。その後も抗がん剤や重粒子線治療なども行い、地元千葉県勝浦での落語会と並行して通院していたそうです。

 あと一ヶ月で73歳の誕生日を迎える直前の訃報で、余命半年と診断されながら、15年近くも生き延びたのは奇跡的というよりもご自身の強い意志の賜物でしょう。

 心からご冥福をお祈りしたいと思います。

Commented by kogotokoubei at 2025-02-17 08:58
>Ponchiさんへ

そうでしたか。
残念ながら、扇海さんの高座とは縁がありませんでしたが、名前は知っておりました。
勝浦で落語とジャズのお店を開いていたようですね。
闘病しながら、好きな落語やジャズと向き合ったいたのでしょう。
ご冥福をお祈りします。
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by kogotokoubei | 2025-02-15 10:09 | 映画など | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


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