マリアンヌ・フェイスフルを偲ぶ。
2025年 01月 31日
ロイター日本語版から引用。
ロイターの該当記事
英歌手M・フェイスフルさん死去、78歳 元恋人M・ジャガー氏が追悼
By Alistair Bell
2025年1月31日午前 8:45 GMT+91時間前更新
[30日 ロイター] - 1960年代に脚光を浴びた英歌手・俳優のマリアンヌ・フェイスフルさんが30日、ロンドンで死去した。78歳だった。
広報担当によると、家族に見守られながら静かに息を引き取ったという。
1964年にリリースした「涙あふれて」など数々のヒット曲で知られ、英ロックバンド「ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガーさんとも交際。しかし、破局後に薬物中毒や拒食症に苦しみ、70年代初頭にはロンドンの路上でホームレスとして2年間過ごした。
その後復帰すると、79年発表の「ブロークン・イングリッシュ」でグラミー賞候補になり、映画俳優としても活躍した。
ジャガーさんはXの投稿で「訃報に接し、とても悲しんでいる。彼女は長い間、私の人生の一部だった」とし、「いつまでも忘れないだろう」と追悼した。
補足するが、1968年の映画「あの胸にもういちど」でアラン・ドロンと共演した。
ヒロインのレベッカ役を演じ、全裸に皮のライダースーツでバイクに乗るシーンが、日本でも大きな話題となった。
ミック・ジャガーと別れた後、記事にあるように、ドラッグ漬けの時期があったようだ。
復活となった、1979年にリリースしたアルバム"Broken English"は、最高傑作と彼女自身が言っている。
そのハスキーボイスによるこのアルバムの曲を私は大好きで、携帯音楽プレーヤーの定番になっている。
収録曲の"The Ballad of Lucy Jordan"は、1991年の映画「テルマ&ルイーズ」の中でも使われた。
私は、"The Ballad of Lucy Jordan"を聞くと、「あの胸にもういちど」のレベッカが最後にバイク事故に見舞われる場面と、「テルマ&ルイーズ」のラストシーンを、つい思い浮かべる。

アルバム"Broken English"の収録曲。
♪1 Broken English
♪2 Witches' Song
♪3 Brain Drain
♪4 Guilt
♪5 The Ballad of Lucy Jordan
♪6 What's the Hurry
♪7 Working Class Hero
♪8 Why D'Ya Do It
Working Class Heroは、もちろん、ジョン・レノンの作品。
The Ballad of Lucy Jordanは、アメリカの詩人・作曲家シェル・シルヴァースタインの作品。
マリアンヌより先の1974年に、ドクター・フック&ザ・メディスン・ショーによって録音され、名前は「ジョードン」と綴られていた。
この曲は、「笑い声が大きくなりすぎたとき」に屋上に登る郊外の主婦の幻滅と精神的な衰えを描いているとされる。
マリアンヌ・フェイスフルを偲ぶなら、やはり、この曲だ。
歌詞を全て紹介すると、また、管理者非公開になってしまうので、一部を拙訳とともに。
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The morning sun touched lightly on the eyes of Lucy Jordan
In a white suburban bedroom in a white suburban town
As she lay there ’neath the covers dreaming of a thousand lovers
Till the world turned to orange and the room went spinning round.
ルーシー・ジョーダンの目に朝日が差し込む
白い郊外の街の白い狭いベッドルームで
彼女は横たわり多くの恋人たちのことを夢見ていた
世界がオレンジ色に染まってその光が部屋一杯になるまで
At the age of thirty-seven she realised she’d never
ride through paris in a sports car with the warm wind in her hair.
So she let the phone keep ringing and she sat there softly singing
Little nursery rhymes she’d memorised in her daddy’s easy chair.
37歳のとき彼女はふと思った
なぜ、今まで暖かい風に髪をなびかせながらスポーツカーに乗ってパリの街を
駆け抜けなかったんだろう
彼女は電話のベルが鳴るのもそのままにわらべ歌を口ずさみながら
お父さんが使っていた安楽椅子に腰掛けその感触を記憶に留めようとしていた
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この歌を聴くと、映画「敵」で、儀助に「パリに連れて行ってくれなかったわね」という信子や、テルマとルイーズ、そして、マリアンヌ本人が、Lucy Jordanと重なってくる。
今日は、Broken EnglishやKissin' Time、Live at The BBCなどを聴いて、彼女を偲びたい。
マリアンヌ・フェイスフルは、ルシンダ・ウィリアムスと並ぶ、女性シンガーの二大姉御、という印象を持っています。
マリアンヌが歩んだ人生は、十分に映画の素材にもなり得るでしょう。
誰か作ってくれないかな、なんて思っています。
