人気ブログランキング | 話題のタグを見る

森永卓郎著『書いてはいけない』(三五館シンシャ)より(3)


森永卓郎著『書いてはいけない』(三五館シンシャ)より(3)_e0337777_10151817.png

森永卓郎著『書いてはいけない』

 『書いてはいけない』の三回目。

 本書は、森永卓郎さんが、前著『ザイム真理教』刊行の際に苦労して探した出版社、三五館シンシャから2024年3月20日初版。
 副題は、「日本経済墜落の真相」である。

 <目次>
□まえがき
□第一章 ジャニーズ事務所
□第二章 ザイム真理教
□第三章 日航123便はなぜ墜落したのか
□第四章 日本経済墜落の真相
□あとがき

 引き続き、「第二章 ザイム真理教」から。

 2023年10月13日、文科省が旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求したが、それは、解散請求に必要な要件「継続性」「組織性」「悪質性」を満たしたからである。

 では、財務省はどうなのか。

 まずは「継続性」だ。旧統一教会は1980年ごろから高額献金を受け取り、それが継続しているという。タイミングは偶然にも、財務省(旧大蔵省)と同じだ。
 1973年に石油ショックが起きたことで、日本経済は深刻な不況に見舞われた。それを脱却しようと政府は公共事業を中心とした大規模な財政出動を行ない、その財源として戦後初めて大規模な国債発行に踏み切った。国債の大部分は10年債だ。石油ショック後に発行した国債の償却期間が迫ってくる。そこで、大蔵省は1980年ごろから「財政再建元年」というキャッチフレーズを掲げて、増税路線に舵を切った。それ以降、増税路線が揺らいだことは一度もない。実際、国民負担率(税・社会保障負担が国民所得に占める割合)はずっと右肩上がりで、2023年度(実績見込み)は47.5%とほぼ5割に達している。江戸時代で言えば、一揆や逃散が頻発したところまで今の日本はきているのだ。にもかかわらず、財務省は増税の手綱を緩めようとはしない。

 江戸時代の税は、農民の場合、年貢と賦役があるので一概に比べられないにしても、平均すると三公七民、四公六民が多かったと言われている。
 
 まさに、現代の日本国民は、それ以上過酷な税負担をしているのである。

 引用を続ける。

 第二の「組織性」の問題だ。旧統一教会は、高額献金を集めるために、共通の手法を用いてきたと文科省は主張している。
 旧統一教会は「高額の壺や経典を売りつけるような霊感商法を組織として行なっておらず、献金はあくまでも信者の意思に基づくものだ」と主張している。表面的にはそのとおりだが、本質は変わっていない。「この世の人たちはすべて堕落人間で、神の子にならないと地獄へ落ちる」という恐怖を信者に植え付け、「その恐怖から逃れるためには献金をしなさい」と説く。
 財務省のやっていることも基本的に同じだ。「日本は世界最大の借金を抱え、財政破綻が国民生活の破綻をもたらす」という恐怖心を植え付けることで、増税や社会保険の負担増を正当化する。もちろん、それは真っ赤なウソだ。
 2020年度末で、国は1661兆円の負債を抱えている。しかし、国は同時に資産も1121兆円持っている。政府がこんなに資産を持っている国は、日本以外にない。国の財政状況をとらえるためには、資産と負債、両方を見る必要があり、両者の差額である540兆円が本当の日本政府が抱える借金となる。2020年度の名目GDP(国内総生産)は527兆円なので、GDPと同額程度の借金ということになり、これは先進国ではごくふつうの水準だ。
 さらに、日本政府は「通貨発行益」という巨大な財源を持っている。日銀が保有している国債は2023年3月末で576兆円に達している。日銀に国債を借り換え続けてもらえば、元本を返す必要はないし、政府が払う利子も日銀のわずかの経費を除いて、ほぼ全額が国庫納付金として戻ってくるので、事実上、政府が日銀に国債を買わせた瞬間に利益を得たのと同じことになる。これを私は「通貨発行益」と呼んでいる。この通貨発行益も含めて考えれば、日本は現在、借金ゼロの状況になっているのだ。

 財務省の組織的なカルト的布教活動について補足する。

 かつてはよく「国民一人当たりの借金〇〇〇〇万円」というフレーズが使われた。
 そして、マスメディアも無批判に旧大蔵省時代からの発表を垂れ流していた。

 正しくは、「国民の借金」ではなく「国の負債」であって、もちろん、森永さんが指摘するように、それは、負債だけを確信犯的に取り上げたもので、資産との差額である純負債ではない。

 あたかも国民一人一人が借金を抱え、それを改善しなければ国民生活も破綻する、だから、税金をもっと納めましょう、という洗脳なのである。

 また、通貨発行益を理解するのは、やや難しい点もあるが、極端に言えば、円という自国通貨を発行できる限り、借金はいつでも返済できる。

 現代通貨理論(Modern Monetary Theory-MMT-)は、自国通貨を発行できる政府は、自国通貨建てで国債を発行している限り、財政赤字を拡大しても債務不履行(デフォルト)には陥らないと主張する。私は、MMTを支持する。

 引用に戻る。通貨発行益を含めれば、借金ゼロの状況になっている、の後。

 にもかかわらず、財務省は「財政赤字を拡大したら、国債が暴落し、為替が暴落し、ハイパーインフレが国民を襲う」と国民を脅迫する。だが、アベノミクスが図らずも、それが間違っていることを証明してしまった。
 新型コロナウイルス感染の拡大で、莫大な予算で対策を講じた2020年度の基礎的財政収支の赤字は80兆円に達した。税収を上回る赤字を出したにもかかわらず、国債の暴落も、為替の暴落も、ハイパーインフレも、まったく起きなかったのだ。
 にもかかわらず、岸田政権は猛烈な勢いで財政緊縮を進め、2023年度の基礎的財政収支の赤字は、当初予算ベースで10兆円と、たった3年間で70兆円もの財政引き締めを行なった。国民生活が疲弊して当然なのだ。
 なぜ財務省は「経済を拡大して税収を増やす」という方策を採らず、増税や負担増だけを目指すのか。そこには、財務省内での人事評価が大きく関わっている。
 財務省では、増税を「勝ち」と言い、減税を「負け」と言う。増税を実現した財務官僚は高く評価され、その後、出世して、最終的に豪華な天下り先が用意される。天下り先での年収自体は数千万円だが、そこに個室と秘書と海外出張と交際費という豪華な5点セットがついてくる。天下りを1人受け入れただけで、受け入れ先には1億円以上の負担が降りかかってくると言われている。
 一方、財政出動した結果、経済が成長して、税収が増えたとしても、財務官僚にはなんのポイントにもならない。だから、財務官僚は増税のことしか考えない。財務省の思考には、経済全体の視点や国民生活のことなど、まったく入っていないのだ。

 再度、確認。

 財務省においては、増税が「勝ち」、減税は「負け」という評価基準がある、ということ。

 そして、何かと言うと、「財源がない」と言って増税しようとする。

 防衛費増額や少子化対策、そして今は「103万円の壁」をめぐって、財務省は「財源がない」と言う。

 財源がない、というのは、ある意味正しい。

 しかし、森永さんが指摘するように、新型コロナウイルス感染対策費に、元々、財源などなかったのに、なんら経済の破綻はなかった。

 それは、個人の家計と違って、国債という手段と、通貨発行益という切り札が国にはあるからだ。

 また、コロナ禍で、多くの国が消費税(間接税)の減税を行なったのに、日本は、まったく減税を行わなかった。
 ザイム真理教、のせいなのである。


 次回は、カルト教団と同質の三つの要件の最後「悪質性」について、本書からご紹介したい。
 

 会社は休みで、ユウと留守番。
 30分ほど前、ユウの散歩に行ってきた。

 途中の様子。

森永卓郎著『書いてはいけない』(三五館シンシャ)より(3)_e0337777_15234803.jpg


 投薬をやめて三日目だが、元気に歩き、走る。

 エサもよく食べる。

 今は、スヤスヤ、いつものように寝ている。

 来週、動物病院に行き、レントゲンを撮る。

 快復していると、カミさんと私は思っている。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2024-12-18 15:36 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31