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青山透子著『日航123便墜落事件 隠された遺体』(28)

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青山透子著『日航123便墜落事件 隠された遺体』

 少し時間が空いたが、青山透子さんの『日航123便墜落事件 隠された遺体』(河出書房新社、2024年8月30日初版)の二十八回目。

 目次。
 
□序 章 最高裁への茨の道
□第一章 独立なき司法の判断
□第二章 看護婦が見た隠された遺体
□第三章 検証ー羽田空港地上衝突・大炎上事故報道
□終 章 未来への道程
あとがき
注釈
補遺
【裁判資料】

 引き続き、「終章 未来への道程」から。

 今年5月23日、3月末に出された最高裁の素っ気ない上告棄却に関する、弁護団の記者経験が開かれた。

 前回に続き、携わった弁護士たちの思いをご紹介。

 下山順弁護士は、赤石あゆ子弁護士とともに群馬の弁護士会に所属している。私が最初にお会いした頃は、まだ若手の駆け出し弁護士であったが、今では堂々とした雰囲気を醸し出している。特に下山弁護士は、ネットでの誹謗中傷を受けた人の弁護に強い。2023年12月8日、前橋地裁に提訴した「ネット上で誹謗中傷を受けた障がい者」の弁護を担当し、相手側に約96万円もの支払いを命じる勝訴判決を得た(毎日新聞、2023年12月9日)。下山弁護士によると、ネットの匿名掲示板「5ちゃんねる」に「殺処分でいいやん」と投稿した人物を特定し、この男性は「原告の生命を著しく軽視するものであり、極めて不当な表現方法で人格を否定した」と裁判で厳しく指摘した。何度注意しても止めず、執拗で悪質性の高い誹謗中傷が年々増えていく中、勝訴を勝ち得た弁護士として磨きがかかっていることは、この日航123便の情報開示裁判を闘ううえでも大変喜ばしい限りである。


 下山弁護士が勝訴を得た裁判に関する毎日新聞の記事がこちらだ。
毎日新聞の該当記事
 少し引用する。記事には下山弁護士の写真も掲載されている。

ネットで障害者中傷、投稿者に96万円の賠償命令 前橋地裁判決
毎日新聞
2023/12/9 09:01(最終更新 12/9 15:27)

 インターネット上の匿名掲示板で中傷され精神的苦痛を受けたとして、重度の障害がある兵藤一晶さん(48)=前橋市=が投稿者の東京都の男性に約195万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(神野律子裁判長)は8日、男性に約96万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、2022年4月、兵藤さんが前橋市に24時間体制の介護サービス提供を求めて起こした行政訴訟について報じられると、男性はネットの匿名掲示板「5ちゃんねる」に「殺処分でいいやん」と投稿した。

 拙ブログも、たまに、誹謗中傷的なコメントがある。
 削除したものも、反論した上でそのままのものもある。
 私は、ある意味でそういった反応も覚悟しているのである。

 匿名性の高いSNSでは、好きなことを書くこともできる代わりに、その内容への批判、苦言もありうる。

 しかし、何らかの発言や主張へのの反応ではなく、障害のある人に対して、こういった誹謗中傷をすることは断じて許されない。

 ある程度の歯止めはないと、SNSの世界は、何でもありの、イジメワールドになりかねない。

 ネット社会において、下山弁護士のような活動は重要だと思う。

 その、下山弁護士の言葉。

「この裁判で、吉備さんの思いが認められないのは本当に残念でした。今回の司法判断はボイスレコーダーが開示できないということでしたが、JALが今後ずっと持ち続けているということは、おかしいことだと思います。吉備さんは裁判を起こす前に、私もお手伝いをしてJALに開示請求しました。今回の裁判の争点にはなりませんでしたが、そのときJALが示した返答はICAOの条約第13附属書で調査目的以外は開示してはならないとされているので開示は控える、という内容でした。今回の裁判ではここが争点になることはありませんでしたが、そもそもこの条約は刑事訴追や民事賠償の恐れから関係者が委縮し、調査中に関係者が本当のことを言わなくなることを避けることを目的に作られたものです。日航123便はもう調査は終了しており、何十年も経ていることから、刑事訴追の危険もなく、民事賠償もないにもかかわらず、いまだにJALはこのようなことを言ってくるのだなあ、と非常に愕然としました。遺族が愛する人の最後を知りたいという思いは、当然多くの国民も同じであって、真実を知りたいと思うのも同様です。(520名死亡という)重大な事故ですから、JALには国民の知る権利に応える責任があるはずですが、JALは生データをずっと自社内に持ち続け、まったく開示していません。裁判所もそれでいいという結論を出しました。ボイスレコーダーはJALが永遠に持ち続けるのではなく、一般的な公文書は30年後には開示可能なものですから、公文書館等に返すべきではないかという議論が今回の裁判のなかでなされました。私は、JALは返すべきだと思います。この裁判を通じて多くの人に、この事件を知っていただきたいと思います」
 弁護団にはあと一人、小野寺信一弁護士が参加しているが、女川原発再稼働差し止め訴訟の控訴審が佳境に入っており、その裁判の弁護団長だったゆえご多忙で欠席であった。

 この裁判に、さまざまな分野で活躍している弁護士が携わっていたことが分かる。

 この後、吉備素子さんの言葉が続くが、その内容は次回。

 事故原因を調査するのために重要なボイスレコーダーやフライトレコーダーを事故当事者のJALが持っているという理不尽は、今年1月2日の羽田空港地上衝突・大炎上事故でも、起きようとしている。

 そのことも、本書からご紹介したい。

 
 兵庫県知事選で、斎藤元彦前知事が再選された。
 正直なところ、それが良かったのかどうかは、私には分からない。

 あれだけ、既存メディアで叩かれ、もう終わった人という空気のある中での逆転勝ち、と言えるだろう。

 この選挙結果については、SNSの勝利、という形容もされている。
 若者を中心にSNSでは「斎藤前知事は、既得権益層と戦ってきた改革者で、むしろ被害者だ」と位置づける意見が広がったようだ。
 若者中心のボランティアは、動画でも斎藤候補の主張をネットで発信した。
 街頭に立ち、ひたすら頭を下げ続ける斎藤の姿を見て集まる人も次第に増えていった。
 政党の支援を得ない「たった一人での闘い」という構図は、既成政党への嫌悪感が強く、これまで投票にも行かなかった若者の投票行動を促したかもしれない。

 これから、県議会と知事がどう折り合いをつけるのか、難題は残っているが、ともかく多くの県民が斎藤元彦を支持したのは事実だ。


 この選挙結果は、既存メディアからSNSの時代への変化を示す象徴的な出来事の一つかもしれない。

 とはいえ、SNSの持つ力は、その使い方次第で善にも悪にもなりえることを忘れてはならない。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-18 13:19
斎藤を推したのは自民党、維新、統一教会、エヌ党、倫理なんとか会、既得権益ではないですか。
Commented by kogotokoubei at 2024-11-18 14:16
>佐平次さんへ

そういった既得権益への批判票を他の候補が掘り起こせず、なんとなく可哀想、といったムードで若いネット市民の総和が上回ったということなんでしょうね。
立花によるSNSを使った内部告発者批判も効いたようです。
是非はともかく、既存メディアは、無力でした。
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by kogotokoubei | 2024-11-18 12:54 | 日航123便墜落事故 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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