103万円だけではない多くの壁の議論からの発展を期待する。
2024年 11月 07日
国民民主党が掲げる「103万円の壁」の是正について論議が活発になること自体は、良いことである。
しかし、多くのパート、アルバイト従事者は、「壁は103万円だけではないんだよね・・・・・・」と思っているはず。
三菱UFJ銀行のサイトで複数の壁の違いについて書いている記事を発見。
三菱UFJ銀行サイトの該当ページ
まず、壁の種類の表。

そして、それぞれ所得に交通費を含むかどうかなどに関する表。

私が経験した飲食店や介護施設でのアルバイトでは、話題になるのは、「130万円の壁」だった。
手取りに関わる壁としては、106万円と130万円を意識することになる。
同サイトから引用。
手取りが減らない年収ゾーン
手取り額の変動は、「社会保険の加入が発生するかどうか」という点が大きく影響します。つまり、社会保険の壁である「106万円の壁」と「130万円の壁」の2つを意識することが重要です。
たとえば、年収105万円で働く場合は社会保険に加入する必要はありませんが、年収107万円の場合は勤務先の規模によっては社会保険への加入義務が生じ、その分手取り額が減ってしまいます。結果として、「年収105万円で働いている人よりも手取り額が少ない」ということにもなりかねません。
このように、手取り額の逆転が生じないためには、年収の壁をある程度超えて働く必要があります。
概算ではありますが、106万円・130万円の壁を超えて自ら社会保険に加入して働く場合は、下記の年収をめざすと手取り額の逆転を防ぐことができるでしょう。
<106万円の壁を超えて働く場合>
およそ125万円以上
<130万円の壁を超えて働く場合>
およそ156万円以上(勤務先の社会保険に加入する場合)
ということで、壁は103万円だけではない、ということを知る必要がある。
本来、衣食住ギリギリというレベルから、税金も社会保健も払えるだけの水準に給与所得を引き上げれば、働く人も増えて、税収も増える。
そうじゃないから、壁を意識せざるを得ないのである。
そして「壁論争」では、税収減ということが反対派から言われる。
これは、税金の無駄遣いを防ぐことで補える。
例えば、防衛費(軍事費)だ。
アメリカから購入する武器・兵器(防衛装備品、と胡麻化している)の後年度負担分で、一千億円をこえる為替差損が出ていると朝日が昨日報じていた。
朝日新聞の該当記事
米国からの防衛装備購入、1239億円追加支出 防衛省、為替差損で
2024年11月6日 15時32分
防衛省が米政府から防衛装備品を購入する「有償軍事援助」(FMS)で、2023年度の支払いが円安の影響を受け、当初の想定より1239億円増えていたことが会計検査院の調べでわかった。FMSの契約は為替の影響を考慮した内容ではなく、多額の為替差損が生じていた。
防衛省は為替の影響を調べていないが、会計検査院が初めて調べた。
防衛省は米国政府を窓口として、米国製の武器や訓練などの役務を有償で買っている。艦船や装備品は高額で発注から納品まで数年かかり、後年度負担が生じている。
検査院は、23年度に支払い対象となった計約57億ドル(7928億円)の契約について調べた。個別に契約当時に財務省が決めたレートを元に試算したところ、もともとの契約額は6688億円で、為替により1239億円の追加支出が生じていた。
アメリカの言い値で、古い武器も含め買わされていることも無駄なら、この差損も、まさに無駄だ。
「兵器ローン」は、増えるばかり。
これまであった歯止めを廃止する法案が、今年3月、賛成多数で可決された。
国民民主党さんよ、あなた達も賛成したんだよ、悪法に。
東京新聞から引用する。
東京新聞の該当記事
既に防衛費の半分を占める「兵器ローン」 ますます借金しやすくする法が成立、防衛費全体が膨れ上がる恐れ
2024年3月29日 06時00分
自衛隊の武器を最大10年の長期契約でまとめ買いできる時限法を恒久化する改正法が28日、参院本会議で自民、公明両党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。国の財政運営を監視するために、国会で毎年度予算を議決する「単年度主義」の例外措置が固定化されることになり、分割払いによる「兵器ローン」の増大を後押しする恐れがある。(川田篤志)
◆時限法なら国会のチェックができたが…
改正法では、「厳しい財政状況下で防衛力の計画的な整備を実施していく」として、2015年に設けられた「5年の失効規定」を削除する。財政法が認める「国庫債務負担行為」の契約期間は上限5年だが、武器購入は例外的に上限10年と規定。そうした購入方法が適切かどうか、時限法であれば5年の失効期限前に国会審議でチェックできたが、今回の恒久化で政府の武器調達は容易になる。
国会審議では、立憲民主党が兵器ローンの新規分が23年度当初予算で7兆円を超えるなど「長期契約が増加し、防衛予算の硬直化の兆候がある」と指摘。国会の監視機能が弱まるとして恒久化に反対した。
103万円の壁問題で、まるで国民民主党が生活者の味方、のようなイメージが漂っているが、アメリカの言いなりに武器を買って、そのローンがどんどん積み上がっていく法案に同党が賛成していたことを忘れてはならない。
そして、トランプの再選で、彼はビジネスマンとして、関税問題を駆け引き材料にして、より多くの武器を日本に買わせようとするに違いない。
防衛費倍増をやめさせる、また、富裕層の税率を上げるなど、議論すべきことはいくらでもある。
103万円の壁論議から、税収とその使われ方に関する本質的な議論に発展していって欲しい。
