映画「幻の光」について(8)ー能登再生への祈りを込めた29年ぶりの上映
2024年 10月 31日
映画「幻の光」の八回目。
こちらが公式サイト。
「幻の光」公式サイト
予告篇。
予告篇から。


1995年、是枝裕和監督の長編映画デビュー作が、能登半島地震の輪島復興支援のため再上映されたのである。
地震前の輪島、能登の貴重な映像の記録でもある。
こちらが、公開当時のものを全ページ精密にスキャンしで復刻したパンフレット。

先日亡くなった白井佳夫さんの映画評、原作者宮本輝の言葉や、是枝監督の「演出ノート」など、実に充実している。
原作の宮本輝の短編集『幻の光』(新潮文庫)。

宮本輝著『幻の光』
スタッフとキャスト。
<主なスタッフ>
□製作:重延浩
□企画・プロデューサー:合津直枝
□監督:是枝裕和
□原作:宮本輝
□脚本:荻田芳久
□音楽:陳明韋
□撮影:中堀正夫
□美術:部谷京子
□衣装:北村道子
<主なキャスト>
□ゆみ子:江角マキコ
□郁夫:浅野忠信
□勇一:柏山剛毅
□友子:渡辺奈臣
□道子:木内みどり
□弘:大杉漣
□キヨ:橋本菊子
□民雄:内藤剛志
□喜大:柄本明
□とめの:桜むつ子
□初子:市田ひろみ
□喫茶店のマスター:赤井英和
□刑事:寺田農
□少女時代のゆみ子:吉野紗香
□少年時代の郁夫:市原紳吾
□MUKUMUKU:MUKUMUKU
あらすじの続き。
もちろん、ネタバレ、なのでご留意いただきたい。
前回までの見出し。
(1)尼崎トンネル長屋
(2)祖母の失踪
(3)郁夫
(4)ゆみ子の夢
(5)郁夫の自転車泥棒とペンキ塗り
(6)運送屋の元相撲取り
(7)ゆみ子の工場訪問と喫茶店
(8)郁夫の死
(9)葬式後
(10)輪島駅
(11)民雄の実家
(12)喫茶店のマスターの話
(13)工場
(14)アパート
(15)とめのの出航
(16)ゆみ子と民雄の溝
(17)不死身の、とめの
(18)民雄との会話
(19)バス亭
ではその後。
(20)葬列とゆみ子
バス亭でバスが通りすぎたが、ゆみ子はバスに乗らず、ベンチに座ったままだった。
ゆみ子は、雪が舞い始めた中を、何かに誘われるかのように、歩いている。
そこに長い葬列が海岸に向かって続いていた。
その列が切れたすぐ後を、ゆみ子はついて行った。。
(21)ゆみ子と民雄
ゆみ子がいなくなり、民雄は車で探しに出た。
海岸で、棺を燃やす火を眺めているゆみ子を見つけた。
パンフレットから。

車から降り、ゆみ子に向かって行く民雄。
民雄に気づいたゆみ子が言う。
「ウチなぁ、分からへんねん。あの人が何で自殺したんか、何で線路の上、歩いてたんか。それ考え始めると、もうあかんようになるねん。なぁ、あんたは何でやと思う」
しばらくして、民雄が言った。
「親父が、海に誘われる、言うとった。前は船に乗っとったんや。一人で海の上におったら、沖の方に綺麗な光が見えるんやと。チラチラ、チラチラ光って、俺を誘うんじゃと言うとった。誰にでもそういうこと、あるんちゃうか」
ゆみ子は、郁夫も、そんな光を見たのかもしれないと、そう思い、長い間の謎が解けたかのように、表情が和らいだ。
(22)ええ陽気
家の外の海岸で遊ぶ、民雄と友子、勇一。MUKUMUKUも含め、楽しそうだ。
縁側で外を見ている喜大に寄り添うようにして、ゆみ子が語りかけた。
「ええ、陽気になりましたねぇ」
「ええ、陽気になったなぁ」
二階の窓の前にある机には、便箋が置いてある。
きっと、ゆみ子が、久しぶりに近況を伝えるために母道子宛てに手紙を書いているのだろう。
エンドロール。
あらすじは、ここまで。
次回、感想や原作との違いなどを書きたい。
