女川原発再稼働で、あらためて電源立地地域対策交付金を考える。
2024年 10月 30日
まったくの見切り発車であり、ひとたび大地震があれば、住民の避難先はないに等しい。
東京新聞から、避難道路と3.11後に閉鎖となった地点の地図を含めお借りする。
東京新聞の該当記事
原発周辺住民が語る「事故が起きたらおしまいだ」…その理由を記者が見た 「避難計画」も現実離れして
2024年10月30日 06時00分
<連載 被災原発の陰 女川2号機再稼働>前編
東日本大震災で被災した東北電力女川原発2号機(宮城県)が29日、再稼働した。世界最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第1原発(福島県)のような事態には至らなかったが、大地震と大津波に襲われた記憶は刻まれている。再稼働の陰で、避難計画の不備や事故のリスクは消えない。現地を訪れ、課題に迫った。(片山夏子)
◆「ここからは逃げられねぇよ。道路がもたないから」
「原発で事故が起こっても、原発に向かって逃げるしかない。逃げるってどこさ逃げるんだ。事故が起きたらおしまいだ」
牡鹿半島の中央付近にある女川原発から東南東2キロほどの宮城県石巻市寄磯浜。漁師の渡辺義美さん(79)は2号機の再稼働を嘆いた。2011年3月の東日本大震災の津波で父親と妻を亡くした。渡辺さんの息子家族は車を乗り捨て高台に上がり、助かった。
地区の住民は約210人。寒流と暖流が流れ込む豊かな海では、ホヤやホタテの養殖が行われている。
漁師の遠藤敏夫さん(62)は大震災の時、近くの浜から寄磯に向かっていた。地震で目の前の道路が次々と壊れていった。「道の亀裂をまたいで走った。ここからは逃げられねぇよ。道路がもたないから」
寄磯は女川原発から5キロ圏内で、重大事故が起きれば、即時避難になる。
◆防護施設はあるが、住民全員は入れない
半島からの主な避難経路は3ルートある。
実際に車で走ると、海沿いなどで「津波浸水区間」の看板を何カ所も見た。大震災時は亀裂や陥没、土砂崩れであちこちが通れなくなり、内陸でも今年8月の台風5号で通行止めになった。事故と震災や台風などが重なれば、避難できないのではないかと感じた。
しかも、寄磯からの避難は山道の一本道でいったん原発に近づくしかない。大震災では行き場を失い、原発構内に避難した人もいたが、事故が起きれば立ち入ることはできない。
寄磯浜から避難する際に使う道路。途中には「津波浸水区間」の看板があり、片側1車線の山道が続き、原発のすぐ脇を通る=宮城県女川町で
寄磯には放射能汚染から身を守る防護施設はあるが、住民全員は入れない。漁師の渡辺幸敏さん(84)は「1年の3分の2が原発の方から吹く風。事故があれば、被ばくは避けられない。孫やひ孫を考えると動かしてほしくない」。漁師の遠藤慶次さん(80)も「避難は無理だ。みんなあきらめている」と話した。
こんな状況で、なぜ再稼働なのか。
加えて、世代交代の結果、現場作業員の約4割が未経験者である。
地震災害のみならず、人為的ミス発生の危険性も高い。
しかし、地元は、再稼働を受け容れた。
過疎化、高齢化が進む地域で、他の地場産業などもなく、新たな施策もない地域が、原発村に狙われる。
以前に、女川原発に関し、電源三法交付金と言う「麻薬」のことを書いた。
2020年11月12日のブログ
同記事と重複するが、原発立地地域への「迷惑料」について確認したい。
かっての電源三法交付金の仕組みが、2003年10月1日に法改正されて一つにまとめられた電源立地地域対策交付金となったが、実態は変わらない。
この原発立地地域への「迷惑料」が地元にとっては「麻薬」となっている。
なぜ「麻薬」なのか。
それは、やめられないような構造になっているからだ。原発立地地域に、金銭による禁断症状を強いる仕組みだ。
「交付金漬け」にし、逃げられないようにするのが、原発村の作戦なのだ。
そして、その作戦に見事にはまってしまった原発立地地域は、少なくない。
たとえば、女川原発のサイトを見れば、一目瞭然である。
同町サイトに「女川原子力発電所の役割」というページがある。
女川町サイトの該当ページ
そのページから、次のような、その原発立地による効果(見返り)について説明されたページにリンクされている。

1号機、2号機、3号機において、かつての交付金名「電源立地促進対策交付金」を、どんなことや、どんなものに使ったのか一覧がある。
それぞれ、部分的に画像をコピーしたので、ご覧のほどを。



1号機による交付金は、昭和55年から平成元年、2号機は平成元年から平成8年、3号機が平成8年から平成13年。
見事に、“チェーンスモーキング”のように、つながっている。
要するに、この「麻薬」は、立地から数年後に廃止される。
また立地したら、公布される。
また、30年以上経った原発立地地域には共生交付金などが支払われる。
発電量によって交付金が決まるから、再稼働を望む自治体も多い。
交付金という麻薬で、いろんなハコ物もできれば、道路なども整備される。
そして、できてしまったら、その施設で職を得る人もいれば、その労働者や関係者によって、恩恵に浴する人々もいる。
再稼働となれば、新たな基準を守るための様々な工事が必要となる。
そのための道路の整備も必要になる。
労働者も増えるから、地元にも金が落ちる。
そういうことを、再稼働派は、地元の人々に訴える。
かつて、原発マネーという経済的なメリットを享受していた人びとは、心を揺さぶられる。
しかし、そういった「経済効果」は、「原発事故という恐怖」と引き換えで得られたものだ。
過疎化、高齢化が進む地方を創生するのが原発、なわけがない。
温暖化対策になどならない。
原発に必要な電力を供給しているのは、火力発電である。
安定的ではないことは、福島第一の事故が物語っているし、点検による稼働停止が必要なことからも明らか。
以前紹介したことのある、自民党総裁選での石破茂の政策をロイターから再確認。
ロイターの該当記事
外交・安全保障政策
日米安保は片務的、抑止力・防衛力の強化
経済政策
物価を上回る賃金の実現、金融所得課税強化、異次元緩和で銀行体力低下
社会保障政策
医療・年金・子育て・介護など全般を見直しを通じた生産性と所得の向上
エネルギー政策
原発限りなくゼロに近づける
その他
防災省の創設。憲法改正、9条2項削除、国防軍明記。
男系女性天皇・女系男性天皇可能性排除せず
総理大臣になると、経済界の言うがままに、原発再稼働、なのである。
不正・無能・腐敗の、安倍晋三から始まった2012年体制を継承する自民党によって、他にも、多くの国民の思いを踏みにじる悪行がある。
自民党政権を終わらせ、原発も防衛費(軍事費)倍増も保険証廃止も、すべて白紙にすべきだ。

