映画「幻の光」について(4)ー能登再生への祈りを込めた29年ぶりの上映
2024年 10月 21日
映画「幻の光」の四回目。
こちらが公式サイト。
「幻の光」公式サイト
予告篇。
予告篇から。


1995年、是枝裕和監督の長編映画デビュー作が、能登半島地震の輪島復興支援のため再上映されたのである。
地震前の輪島、能登の貴重な映像の記録でもある。
こちらが、公開当時のものを全ページ精密にスキャンしで復刻したパンフレット。

先日亡くなった白井佳夫さんの映画評、原作者宮本輝の言葉や、是枝監督の「演出ノート」など、実に充実している。
スタッフとキャスト。
<主なスタッフ>
□製作:重延浩
□企画・プロデューサー:合津直枝
□監督:是枝裕和
□原作:宮本輝
□脚本:荻田芳久
□音楽:陳明韋
□撮影:中堀正夫
□美術:部谷京子
□衣装:北村道子
<主なキャスト>
□ゆみ子:江角マキコ
□郁夫:浅野忠信
□勇一:柏山剛毅
□友子:渡辺奈臣
□道子:木内みどり
□弘:大杉漣
□キヨ:橋本菊子
□民雄:内藤剛志
□喜大:柄本明
□とめの:桜むつ子
□初子:市田ひろみ
□喫茶店のマスター:赤井英和
□刑事:寺田農
□少女時代のゆみ子:吉野紗香
□少年時代の郁夫:市原紳吾
□MUKUMUKU:MUKUMUKU
あらすじの続き。
もちろん、ネタバレ、なのでご留意いただきたい。
前回までの見出し。
(1)尼崎トンネル長屋
(2)祖母の失踪
(3)郁夫
(4)ゆみ子の夢
(5)郁夫の自転車泥棒とペンキ塗り
(6)運送屋の元相撲取り
(7)ゆみ子の工場訪問と喫茶店
(8)郁夫の死
その後。
(9)葬式後
ゆみ子のアパートの部屋。
葬儀の後、ゆみ子の母道子が、ゆみ子に言う。
「あんた、なんも気が付かなかったんか・・・しっかりせなあかんで」
まだ、立ち直っているようには見えないゆみ子。
あの緑の自転車を押して、線路脇を歩いている。
郁夫は、なぜ死んだのか、という疑問が、脳裏から離れていないに違いない。
(10)輪島駅
ゆみ子が住んでいるアパートの一階にある小野洋服店のおかみさん初子の世話により、能登に住む民雄と再婚することになったゆみ子。
ゆみ子と勇一が列車で能登へ向かう。
輪島駅(現、道の駅輪島「ふらっと訪夢」)に着くが、まだ迎えが来ていない。
ようやく、民雄と娘の友子が息を弾ませるようにやって来た。
民雄が言う。
「えらいすいません。ゴタゴタがあって」
素朴さを滲ませる言葉に、友子が「来てくれて、ありがとう」と続けた。
四人は、民雄の運転する車で、漁港のすぐそばにある民雄の実家に着いた。
(11)民雄の実家
民雄はすぐに仕事場にとって返した。
母と子は、民雄の父喜大が寛いでいる炬燵で、一緒に民雄の帰りを待つ。
不安そうなゆみ子の思いを察し、喜大が言う。
「近所の挨拶は明日にして、今日はゆっくりしたらいい」
勇一が突っ込む。
「さっきも言うたで、三遍目や」
家の二階のゆみ子と民雄の部屋の窓から、海を眺めるゆみ子。
一日中、潮騒が聞こえる。
慣れるまでは寝にくいかもしれない、と民雄が気遣う。
翌日はご近所さんへ挨拶してから親戚巡り。狭い土地では、重要なことだ。
輪島の朝市でも、近所の人々に二人で挨拶して回る。
再婚祝いに親戚や近所の人が集まって宴会。
地元の歌も場を盛り上げる。
勇一と喜大は、すぐにおじいさんと孫の関係になっていった。
また、友子と勇一が一緒に遊ぶ姿は、本当の姉弟のようだ。
五人は、本当の家族の姿になりつつあった。
予告篇より。

この一緒にスイカを食べるシーンで、私は、「万引き家族」を思い出した。
今回は、ここまで。
輪島駅は、今はない。
2001年に七尾線の穴水駅 ー輪島駅間が廃止されたのに伴い廃駅となって、駅跡は道の駅輪島「ふらっと訪夢」になった。
この映画は、今は走っていない七尾線の路線と、輪島駅の記録としても貴重なのである。
今、能登は選挙どころではない。
手の平返しで復興を先延ばしにし選挙を決めた自民党は、大きなしっぺ返しを受けるに違いない。
