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映画「幻の光」について(2)ー能登再生への祈りを込めた29年ぶりの上映

 映画「幻の光」の二回目。

 こちらが公式サイト。
「幻の光」公式サイト

 予告篇。


 予告篇から。

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 1995年、是枝裕和監督の長編映画デビュー作が、能登半島地震の輪島復興支援のため再上映されたのである。
 地震前の輪島、能登の貴重な映像の記録でもある。

 こちらが、公開当時のものを全ページ精密にスキャンしで復刻したパンフレット。
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 先日亡くなった白井佳夫さんの映画評、原作者宮本輝の言葉や、是枝監督の「演出ノート」など、実に充実している。

 スタッフとキャスト。

<主なスタッフ>
□製作:重延浩
□企画・プロデューサー:合津直枝
□監督:是枝裕和
□原作:宮本輝
□脚本:荻田芳久
□音楽:陳明韋
□撮影:中堀正夫
□美術:部谷京子
□衣装:北村道子

<主なキャスト>
□ゆみ子:江角マキコ
□郁夫:浅野忠信
□勇一:柏山剛毅
□友子:渡辺奈臣
□道子:木内みどり
□弘:大杉漣
□キヨ:橋本菊子
□民雄:内藤剛志
□喜大:柄本明
□とめの:桜むつ子
□初子:市田ひろみ
□喫茶店のマスター:赤井英和
□刑事:寺田農
□少女時代のゆみ子:吉野紗香
□少年時代の郁夫:市原紳吾
□MUKUMUKU:MUKUMUKU


 それでは、あらすじ。もちろん、ネタバレ、なのでご留意いただきたい。
 また、説明の都合で必ずしも時間軸通りではない部分もあるし、科白は正確ではないかもしれないので、ご容赦のほどを。

(1)尼崎トンネル長屋
 尼崎のトンネル長屋で遊ぶ子供たちの姿。
 原作者宮本輝が幼少期一時住んでいた場所。
 ゆみ子一家は、この長屋に住んでいる。ゆみ子、12歳。
 外で、父親が持つ線香花火を凝視する小さな子。
 その姿を見ている、ゆみ子の弟。
 トンネルの中の花火が、暗闇に光をもたらす。
 全編を通じて、トンネルは、光と影の表現として、効果的に挟まれる。

(2)祖母の失踪
 ある日、ゆみ子の祖母キヨが、荷物を持って橋の上を歩いている。
 追いかけるゆみ子。
 なんとか追いついて、ゆみ子が祖母に言う。
「お父ちゃんに叱られるから、家帰ろう」
「ばあちゃん、宿毛で死にたいよって、四国へ帰るんじゃ」
「まだ死んだら、あかん。それに四国ゆうても、船乗らな行かれへんで。そんなお金持ってないやろ?」
「宿毛で死にたいよって、四国へ帰るんじゃ」
 やや認知も始まっているのだろう、過去にも何度か同じようなことがあり、連れられて帰ってきたことがあることが、後に登場する親子の会話から分かる。
 ゆみ子も、きっとまた戻ってくるだろう、と思っていたのか、祖母が行くままにした。 
 その日、祖母は帰って来なかった。
 父がほうぼう探した後帰宅するが、見つからなかった。
「毎度のこっちゃ、そのうち帰るやろ」と一服。
 大杉漣、このワンカットだけの登場。

(3)郁夫
 家の外に出て、トンネルの先を見つめる、ゆみ子。
 祖母は、帰って来ない。
 その後、祖母を引き留めなかった自分を責め続ける、ゆみ子。
 トンネルの中には、少年が自転車を押してやって来た。
 幼馴染の郁夫だった。
「郁ちゃん・・・・・・」
 
(4)ゆみ子の夢
 「郁ちゃん・・・・・・」は、ゆみ子の寝言だった。
 ゆみ子は、25歳になっている。
 起きて、隣に寝ている郁夫に言う。
「また、あの夢見た。最近しょっちゅうやわ。何でやろう・・・・・・」
 郁夫は言う。
「夢の中では、お祖母ちゃん戻ってくるかも知れんな」
「そやねぇ、けど、何であのとき、引き止められへんかったんやろ」
 
 ここで、タイトル。

(5)郁夫の自転車泥棒とペンキ塗り
 タイトル後、電車を追いかけるように必死に自転車を漕ぐ郁夫の姿
 自分の自転車が盗まれたので、お返し(?)に、甲子園まで出かけて盗んできたのだった。
 ゆみ子が銭湯に行ったついでにペンキを買ってきた。
 二人で、盗んだ自転車に緑のペンキを塗る。
 そんな共同作業も、楽しそうだ。
 パンフレットから、その様子。
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 ゆみ子と郁夫、勇一という子どももでき、貧しいながら幸せそうである。

 
 その後の出来事については、次回。


 原作者の宮本輝は、パンフレットに、この作品の出来た背景についてこう書いている。

『幻の光』は旅行雑誌の中の一枚の写真がきっかけで書いたものです。冬の能登の海のすごい風と雪と波を受けながら蓑を着て歩いていくおばあさんの後ろ姿がポツンと写っていました。その下に「冬の曽々木海岸」と書いてあって、ただそれだけ。それにすごく触発されて、ここを舞台に小説を書きたいなぁと。それから、小学校五年生くらいの時あずけられた家、トンネル長屋と名付けられた昼間も陽の当らない奇妙な形をした長屋の、におい、電球の色、共同便所の汚さという記憶や、老人性痴呆の初期症状にあった八十二歳に祖母の失踪、という僕の記憶のポケットにガラクタとして入っていたものが曖昧模糊としているんだけれど、つながってひとつの物語となっていきました。

 宮本は、何一つ無駄な経験はないのだなと思う、と記す。
 小説家だからこそ、ということか。

 幸せそうなゆみ子に、どんな未来が待ち受けているのかは、次回。
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by kogotokoubei | 2024-10-15 12:57 | 映画など | Trackback | Comments(0)

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