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甲状腺がん裁判の「フクシマ・セブン」、頑張れ!


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 この画像については、後ほどご紹介。


 昨日の記事で、高木仁三郎さんが著書『科学は変わる』の中でマンクーゾ報告のことを説明した後、いわゆる「許容量」は、何ら科学的な根拠のないもので、あくまで、政治的判断で決められると批判したことをご紹介した。

 その内容で、思い出したことがある。

 福島での甲状腺がんのことは、兄弟ブログとなった「幸兵衛の小言」で、何度か記事にした。

「幸兵衛の小言」2011年4月18日の記事
「幸兵衛の小言」2015年10月9日の記事
「幸兵衛の小言」2019年3月11日の記事

 これらの記事で、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の座長になった山下俊一長崎大教授が、年間100ミリシーベルト以下なら大丈夫という、まったく科学的根拠のない大嘘をついていたことを紹介していた。


 実は、いまだに、国や東電の考え方は変わっていない。
 いわゆる、政治的判断、なのである。

 危惧した通り、福島で甲状腺がんになる子どもが増えた。


 二年前、甲状腺がんで苦しむ青年たちが立ち上がったことを紹介する記事を、拙ブログで書いた。

 2011年の事故当時、福島県に住んでいた男女6人が、2022年1月27日に東電を訴えたのである。
2022年1月28日のブログ

 原告は、その後一人増え七人になった。

 二年前の記事では、過去に書いた記事を元に、いかに、県や国が甲状腺がん被害を隠蔽しようとしているか、ということも紹介した。


 この裁判、もちろん続いている。

 まず、昨年の状況について、「東洋経済オンライン」から、引用。
「東洋経済オンライン」の該当記事

甲状腺がん裁判、「東電主張の被曝評価は過小だ」
原告弁護団長が語る、勝訴確信の科学的根拠
岡田 広行 : 東洋経済 解説部コラムニスト
2023/06/12 6:30

福島第一原子力発電所事故による放射線被曝が原因で甲状腺がんを発症したとして、2011年3月の原発事故当時、福島県に在住していた若者7人が、東京電力ホールディングスを相手取って損害賠償を求める裁判を起こしている。
被告の東電は、国際機関による被曝線量評価などをよりどころにして、「原告らの被曝線量は、甲状腺等価線量で10ミリシーベルト以下と推定され、被曝により甲状腺がんが招来されたという関係は認められない」と主張。
これに対し原告側は、国際機関などによる被曝線量評価はあまりにも過小だとする専門家の意見書を提出し、裁判は重要な局面にさしかかっている。「311子ども甲状腺がん裁判」で原告弁護団長を務める井戸謙一弁護士に、原告の実情や裁判の行方について聞いた。


――「311子ども甲状腺がん裁判」が起こされたのは2022年1月27日です。福島原発事故から10年以上が経過する中での提訴の経緯についてご説明ください。

原発事故時の原告の年齢は6歳から16歳。すでに高校や大学に進学し、社会人になった原告もいる。その過程で甲状腺がんが見つかり、全員が手術を受けている。7人のうち4人でがんが再発し、4度も手術を受けた原告もいる。リンパ節や肺への転移が見つかった原告も少なくない。

手術で甲状腺を摘出すると、甲状腺ホルモンを補充するための治療薬を毎日欠かさず服用しなければならず、体調管理も難しい。就職や結婚といった将来に不安を感じ、人生を狂わされたことの重大さは、容易に表現できるものではない。

原告が甲状腺がんの診断を受けてから提訴に踏み切るまでに、かなりの年月を要したことには理由がある。手術を受けてからしばらくの間は体調も悪く、日常生活を送るだけで精一杯だったと思う。

国や専門家による「原発事故による被曝量は小さく、甲状腺がんとは無関係」というキャンペーンが続き、甲状腺がんであることを周囲に打ち明けることもできず、孤立感に苦しむ原告も少なくなかった。

しかし自分だけの問題であれば、原告は裁判には踏み切らなかったと思う。原発事故後に福島県が実施した県民健康調査で、「甲状腺がん、または甲状腺がんの疑い」と診断された子どもはすでに300人を超えている。原発事故と無関係ではないと考え、自分が声を上げることの社会的な重要性を認識して提訴に踏み切ったのだと思う。

□将来を見通せない原告の苦しみ
――原告は裁判でどのようなことを述べていますか。

手術を前にした言い知れぬ不安や手術後の激しい痛み、苦しさに加えて、多くの原告が将来への不安を打ち明けている。

「甲状腺がんの再発で大学を辞めざるをえなかった」

「恋愛も結婚も出産も、私とは縁がないものだと思っている」

「これからの医療費はどうなるのか。病気が悪化した時の生活をどうすればいいのか」

「漠然とした不安。これから先のことも考えられない」

原告は意見陳述でこのように述べている。

「裁判を通じ、甲状腺がんになった人が福島圏内だけでも300人以上いることを知った。自分が思っているよりもはるかに多い人が甲状腺がんで苦しんでいる。このことの重大性を知り、今、立ち上がらなければならないと思った」と、ある原告は語っている。

「提訴以前、原告同士のつながりはほとんどなかったが、裁判を通じてお互いの体験を知ることができ、絆を深めることができたと感じている」と述べた原告もいる。

――東電は、原発事故による原告らの甲状腺への被曝線量は少ないと考えられるとしたうえで、原発事故と原告らの甲状腺がんと間に因果関係はないと主張しています。

東電は「専門家による知見」であるとして、「甲状腺等価線量100ミリシーベルト以下である場合、甲状腺がんを含む発がんリスクが増加することは確認されていない」などと主張している。

これに対して私たちは、チェルノブイリ原発事故後の研究調査を基にしたミコラ・トロンコ・ウクライナ医学アカデミー内分泌代謝研究所所長による研究結果に着目した。甲状腺等価線量50ミリシーベルトどころか、10ミリシーベルト以下の子どもからも多くの甲状腺がんの発症が確認されているとする、同氏の論文を証拠として提出している。

 「科学的」なアプローチを続ける弁護団、「政治的」に作られた数値を元に原告の訴えを拒否する被告との裁判は、今年3月に9回目の口頭弁論まで進んだ。

 上記記事にある原告弁護団長井戸謙一弁護士を含む「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」のサイトがある。
 冒頭の画像は、そのサイトのもの。
「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」のサイト

 このサイトの管理者は、こう説明している。

わたしたちは、2011年の東京電力福島第一原発事故に伴う放射線被ばくによって甲状腺がんなどの健康被害を受けた被害者、とりわけ子どもたちの訴訟を支援し、加害責任の明確化や、被害者への補償、国による救済策が実施されるよう後押しすることを目的とする団体です。


 次回の第10回口頭弁論は6月12日(水)14時から103号法廷、第11回口頭弁論は9月11日(水)、第12回口頭弁論は12月11日(水)の予定、とサイトで案内されている。

 同サイトに、3月の第9回口頭弁論のために用意された資料や、動画がアップされている。
「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」サイトの該当ページ

 資料から、被告東電の、古く非科学的な政治的指標による論法、それに対して、最新の研究を含む科学的な指標、根拠を元にした原告側の反論のスライドを何枚かご紹介したい。

 
 表紙。
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 2枚目、3枚目が、東電側の「国際的合意に係る知見」という嘘の確認。
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 「国際的合意」などという表現そのものが、うさん臭い。

 ここからが、原告側の反論の背景。
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 東電の見解に関する、原告側の結論。

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 拙ブログの古い記事でも引用したことがあるが、まだ「週刊金曜日」サイトに、2012年の記事があったので引用したい。
 “ミスター・100ミリシーベルト”、に関する記事だ。
「週刊金曜日」の該当記事

異常数値が出る子どもを放置――山下氏の指示を黙認する政府に怒号
2012年6月20日5:56PM

「放射能を年間一〇〇ミリシーベルト浴びても安全」などと、数々の問題発言を繰り返して福島県民の不信を買っている「県民健康管理調査」検討委員会の山下俊一座長が、子どもの甲状腺再検査を封じている問題で六月一日、衆院議員会館内で政府交渉が開かれた。

 県ではこれまで、一八歳以下の県民三万八一一四人の甲状腺検査を実施したが、うち三五・三%にあたる一万三四六〇人に五ミリ以下の結節や二〇ミリ以下の嚢胞が認められた。さらに五・一ミリ以上の結節や二〇・一ミリ以上の嚢胞が認められたのは一八六人に上り、二次検査の対象となった。

 ところが山下座長は今年一月、日本甲状腺学会会員に対し、この一万三四六〇人は「細胞診などの精査や治療の対象とならない」という理由で、事実上次の二年半後の検査まで保護者の追加検査の要求には応じないよう指示した。

 このため県内では、「なぜ二年半もの間、成長期の子どもの検査を求めないのか」といった批判が出ている。これを受け、環境団体FoE Japanなど市民団体が中心となり、政府の原子力災害対策本部生活支援チームの医療班員を招いて交渉することになった。

 交渉には、福島からの避難者ら三〇〇人が参加。席上、市民側が「異常が出ること自体おかしいのに、なぜ一万三四六〇人もの子どもたちを『異常なし』とし、経過観察もないまま二年半も放置するのか」「山下座長のセカンドオピニオンを封じるような指示は撤回させるべきだ」など、一八項目に上る質問や意見を突き付けた。

 これに対し政府側は、「国として答える立場にない」「専門的なところは県の検討委員会で進めている」といった回答に終始。山下座長の行為についても無視を決め込んだ。このため、会場から「無責任だ」「子どもの命がどうなってもいいのか」といった怒号が飛び、一時騒然となる場面もあった。

(成澤宗男・編集部、6月8日号)

 高木仁三郎さんの批判を思い出す。

 許容量は、科学的根拠ではなく、政治的に決まっているのだ。

 原発事故後、「安定ヨウ素剤」が配布されなかったことを含め、時の政府の責任は重い。

 もはや、甲状腺がんを拡大させた犯人は、誰か、明白だ。

 当時は民主党政権だったが、自民党だってそう変わらなかったろう。もっとひどかったかもしれない。

 当時の子どもたちの甲状腺がん被害拡大は、天災ではなく、人災なのだ。


 Wikipediqで「山下俊一」を調べてみた。
Wikipedia「山下俊一」

 なんと、2013年、アメリカのNatural Newsは朝日新聞連載『プロメテウスの罠』で、山下がヨウ素剤の配布を拒否したことやSPEEDI結果への反応を引用し、山下が放射性降下物に対して誤った情報を与えていことを認めたと報じたらしい。
 時は、すでに自民党安倍政権。

 だったら、この裁判を、山下俊一は禊の場として、自分の罪を償ってはどうか、などと思うが、そうはならないのだろう。

 勇気を奮って東電を訴えた「フクシマ・セブン」、頑張れ!


 今日は介護施設(老健)の調理補助のバイト。

 デイサービスの方の習字の作品が壁に飾られていた。

 その内容が、なんとも気にかかり、写真を撮った。
 もちろん、個人情報はカット。

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 題は「私の家族」だったりしてね。

 四字熟語は、他にもたくさんあるはずなのに、「海千山千」「音信不通」が多かった。

 誰かが書いたものを、つい真似したのかもしれないが、なんとも気になる作品だった。

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by kogotokoubei | 2024-04-09 17:36 | 原発はいらない | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛