O・ヘンリー傑作選(新潮文庫)のことなど。
2024年 03月 19日
よく訪問させていただくブログは、その文章の巧みさに驚いたり、エッセイに心を動かされたりする。
しかし、拙ブログとなると・・・・・・。
「小説のようなもの」を書き始めてから、あらためて、文才がないことを思い知った。
そこで、もっと、自分の文章を磨く必要を感じ、短編の名手、O・ヘンリーの作品を読み始めた。
さまざまな出版社から出ているが、まず、新潮文庫の「傑作選」を3冊読むことにした。
昨日、三冊目を読み終えた。

各集には、収録されている代表的な作品名が付けられている。
タイトルと収録作品数を記す。
第一集は『賢者の贈りもの』(16)、第二集『最後のひと葉』(14)、第三集『魔が差したパン』(17)
ということで、三冊で計47作品。すべて小川高義の翻訳。
O・ヘンリーは、十年間で280もの短編を書いたらしいから、まだまだ序の口。
次は、ちくま文庫の『ニューヨーク小説集』を読もうかと思っている。
作品が重複するのは覚悟。
同じ作品を、別な翻訳で読むのも、一興なのだ。
大意は変わらないが、訳者によって微妙な違いがあることを、少しだけご紹介。
まず、新潮文庫第三集『魔が差したパン』の表題作冒頭部分。
マーサ・ミーチャムという女が街角の小さなパン屋を営んでいた(三段上がってドアを開ければ、ちりんとベルが鳴る、というような店である)。
マーサは四十歳。独身。通帳には二千ドルの残高がある。人造の歯を二本と、人情に厚い心臓を一つ所有する。このマーサよりも結婚しそうにない女が案外さっさと身を固めているものだ。
次に、青空文庫で『魔女のパン』と題した同じ作品の同じ部分。
訳者は、山本ゆうじ。
青空文庫『魔女のパン』
ミス・マーサ・ミーチャムは、街角の小さなパン屋をやっている。とんとんとんと、階段を三段上がって扉を開けると、ベルがちりんちりんと鳴る、そんな店だ。
ミス・マーサは四十歳で、通帳には二千ドルの預金があり、差し歯を二つと、いわゆる同情心を持ち合わせていた。もっと結婚運に恵まれない女性でさえ結婚していく中で、彼女はずっと独身でいた。
ねぇ、訳者によって、微妙にニュアンスが違うのですよ。
私は、前半は後者の訳、後半は前者の訳が好き。
O・ヘンリーの作品は、中学か高校の教科書(英語だったかな?)で読んで以来。
傑作選の題になった代表的な作品以外にも、なかなかに楽しい作品が多かった。
そして、実に文章の勉強になる。
第一集、第二集は書店で買えたが、第三集はネットで注文したので、届くまでが待ち遠しかった。
作品には、巧妙なオチ(サゲ)があるものが多く、ミステリーでもあるし、良く出来た落語を読むような感覚にもなる。
人間は、間違いを起こすものであり、だからこそ人間なのだ、というようなメッセージも感じる。
そのへんも、落語と相通じるものがあると、私には思える。
今日は、介護施設の調理補助のアルバイト。
毎日、入居者の方の食事内容の変更などを、ノートで確認する。
一口ー刻みー極刻みーミキサー
と、食材の種類があり、
ご飯も、普通(米飯)ー全粥ーハーフ(粥とご飯)ーミキサー、という種類がある。
私は、お粥(ーハーフーミキサー)の担当。
たとえば、一口だった方が刻みになったりすると「落ちた」あるいは「下がった」と表現する。
逆は「上がった」と言う。
老健だから、基本は、食事やリハビリで帰宅を促すための施設。
「上がった」人がいると、嬉しい。
その逆は、残念。
今日のノートは、それぞれお一人づつだった。
また、昨日退所が一人、入所が一人。
ぜひ、多くの方が「上がって」無事帰宅できることの手助けを、少しでもしたいものだ。
命を賭して生涯の「傑作」を完成させた老画家。救われた娘。
落語なら人情噺の一席となりますね。
