ハラスメント問題についての、落語協会の見解で思うこと。
2024年 02月 11日
落語協会サイトの該当ページ
2024年02月06日
ハラスメントをめぐる協会員間の民事訴訟について
本年1月26日、当協会の協会員が、同じく当協会の協会員である元師匠に対し、暴行や暴言などのハラスメント行為を受けた等として、不法行為による損害賠償請求権に基づき300万円の支払を求めた裁判につき、東京地裁は、元師匠に対し、80万円の支払を命じる判決を言い渡しました。
判決内容についてはコメントを控えさせていただきますが、当協会の協会員である師弟間でハラスメント問題が発生し、裁判にまで発展したことについては、当協会としても極めて遺憾に存じます。
今後控訴される可能性もあり、現時点では、本件がどのように決着するのか定かではありませんが、当事者間に遺恨が残らない形で解決されることを心より願っております。
当協会は、師弟関係の問題には直接介入できる立場にはないものの、落語界におけるハラスメント行為を防止し、業界全体の健全な発展に寄与するための取り組みを続けて参る所存です。今回のような事象が今後二度と発生しないよう、各協会員の方々のご理解とご協力も賜りながら、当協会としてどのような対応が可能か真摯に検討し、必要な措置を講じたいと考えております。
日頃より当協会を応援してくださっているファンの皆様や関係者の方々におかれましては、今後ともどうか変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
一般社団法人落語協会
これって、どういうことなのだろう。
たぶん、他の師匠と弟子との問題に、自分は関係はない、というのが、協会幹部や会員の本音であって、それを、もっともらしく文章にしただけだと思う。
たしかに、弟子は頼んでもいないのに、勝手に師匠に入門してくる。
もちろん、入門させるかどうか、最初に師匠の決断する機会はある。
しかし、もし入門したら、それぞれの師匠によって、指導方法は違う。
その指導内容がどれほど非人間的なものであろうと、好きで入門してきたのだから、弟子は師匠に従わなければならない、というのが、落語界の共通認識なのだろう。
昭和なら、それでも良かった、のかもしれない。
しかし、時代は変わってきた。
落語協会のメッセージも、本音かどうかは別として、今のままではいけない、という内容ではある。
“落語界におけるハラスメント行為を防止し、業界全体の健全な発展に寄与するための取り組みを続けて参る所存“、なのだ。
しかし、天歌が訴えたのは、2022年の秋。
もう一年半近く前。
そんな“所存”がもっと前にあったのなら、たとえば第三者による調査を行うなど、できることはいくらでもあったはずだ。
“当協会としてどのような対応が可能か真摯に検討し、必要な措置を講じ“るというなら、今後、もう少し具体的な計画を示してもらいたい。
落語界のみならず、モノづくりの世界でも、もっと言えば、我々の消費生活においても、大きな転換が迫られている。
新自由主義とか、競争による市場原理、などという言葉が、現実にそぐわなくなっているのは明白だ。
自由という言葉は、放任に限りなく近い。
会員の師匠と弟子の関係を放任していて、良いのだろうか。
落語協会は、NPOやボランティア団体ではない。
助成金として我々の税金も投入されている、一般社団法人だ。
どれほどの助成金が投入されているのか、昨年分について、「独立行政法人 日本芸術文化振興会」のサイトから表の一部を拝借。
「独立行政法人 日本芸術文化振興会」サイトの該当ページ

芸術協会の半分、とはいえ、2000万円の助成金が支払われている。
芸術協会も上方落語協会も公益社団法人、しかし、落語協会は一般社団法人。
実は、落語協会は、公益社団法人の時期に、決算書の提出を数年に渡り怠っていたため、一般社団法人に降格されている。
二つの法人の違いについて、行政書士の方による「一般社団法人・NPO法人設立.com」というサイトにある表を引用する。
一般社団法人・NPO法人設立.com

公益社団法人の方が、認可基準が厳しいが税制面で優遇され、寄付も受けやすい。
以前に書いたことだが、落語協会は、公益社団法人への復帰を目指すべきだと思うが、そういう動きは見えてこない。
そういった法人格の違いはあるにしても、協会は、寄席の運営に関し、税金の補助を受けていることは事実だ。
助成金を受けている定席寄席自体も、今回の円歌による天歌へのハラスメントの舞台となっていた。
本来、客は寄席で、笑いや芸、ひとときの安らぎを求め、芸人さんがそれを提供してくれるはずの場で、理不尽ないじめ、虐待があったのなら、それは、落語や芸能のファンへの裏切りとも言えるのではないか。
我々の血税が寄席興行支援のために使われていることには、賛成だ。
しかし、その寄席で、笑い話をする噺家が、とても笑えない行動をしていたと想像すると、とても、その高座を楽しむことなどできない。
協会が、一つの法人であり、税金も投入されている、という視点からは、もっと、厳しい目が向けられても良いように思う。
協会の会員である弟子が、師匠から非人間的な扱いを受けてきた状況を見逃してきたという責任は、やはり軽くない。
歌舞伎のような世襲性ではなく、門戸が広く開けられている、一つの職業として落語家を考えるべき時代なのだろう。
その仕事を理不尽な環境によって失われようとしている就業者を、所属する団体は、守る義務があるのではないか。
相撲や歌舞伎などと違って、落語界は参加のための障壁がほとんどない芸の世界。
税金が使われている以上、協会には寄席を健全に運営する義務があるでしょう。
そういう意識が、上層部に不足していると思います。
また、こういう時は、寄席の席亭も断固とした姿勢を示すべきです。
円歌という人気者を失いたくないがために沈黙を続けるのなら、ジャニーズとテレビ局の関係と本質的に同じだと思います。
馬雀さんの御活躍を心より願いながら。。。私の戯言に締めくくり。
協会を、同業者の寄り合いみたいに思っているのでしょうね。
税金が投入されている「法人」という認識に欠けています。
弟子の権利を守るためには、海外のアーティスト組合のような組織が必要だと思います。
昭和時代に活躍された師匠方に依頼したい。正蔵師匠に一喝、文楽師匠が取りまとめ、圓生師匠に御目付役、金馬師匠に迷い弟子の行く末人事役、可楽師匠に無能者追い払い役、他師匠方.....と推考えてみました。(相違しているようでしたら失礼します)
落語界を案ずる者達より愛をこめて。。。笑)""
*幸兵衛さん、毎度、返信頂きまして有り難うございます。大変、嬉しいです。
おっしゃる通りですね。
志ん生、正蔵、円生、金馬、可楽、柳好、柳枝などなど、明治生まれの名人たちが活躍していた昭和の落語界が、なんとも羨ましくなります。
芸人として優れた人たちは、それぞれに強烈な個性があり、人間としてもしっかりした、まっすぐな「心棒」があったと思います。
『悋気の独楽』じゃないですが、今の落語協会の幹部の心棒は、ちょっと曲がっている。
だから、どんどんよれていくんですね。
