映画「枯れ葉」について(1)
2024年 01月 11日
Iさんは、このフィンランドの監督の映画は、ほぼすべて観ているらしい。
私は、一本も観たことがない。
こちらが、公式サイト。
映画「枯れ葉」公式サイト
パンフレット。

予告編。
スタッフとキャスト。
<主なスタッフ>
□監督 アキ・カウリスマキ
□脚本 アキ・カウリスマキ
□助監督 エーヴィ・カレイネン
□撮影 テイモ・サルミネン
□照明 オッリ・ヴァルヤ
□美術 ヴィッシ・グロンルース
□衣装 ティーナ・カウカネン
□音響 ピェトゥ・コルホネン
□編集 サム・ヘイッキラ
□プロデューサー
アキ・カウリスマキ、ミーシャ・ヤーリ、マーク・ルヴォフ、ラインハルト・ブルンディヒ
<主なキャストと役名>
□アルマ・プウスティ:アンサ
□ユッシ・ヴァタネン:ホラッパ
□ヤンネ・ヒューティアイネン:フオタリ
□スップ・コイヴ:リーサ
□マッティ・オンニスマー:板金工場長
□サイモン・アルバズーン:ネットカフェ店員
□マルッティ・スオサロ:ラウニオ
□アルマ:犬のチャップリン
□サカリ・クオスマネン:ホステルの客
□マリア・ヘイスカネン:看護師長
□アリナ・トムニコフ:看護師
この映画を観て、まっさきにイメージした歌がある。
♪Working Class Heroだ。
ジョン・レノンがソロになってから最初のアルバム「ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)」に収録されている曲。
1970年12月リリースのアルバムからは、♪Motherが有名だ。
♪Working Class Heroは、多くの人にカバーされているが、その中では、マリアンヌ・フェイスフルのアルバム「Broken English」収録のものが好きだ。
ジョン・レノンの思いは、より政治的なのかもしれないが、映画を観終わってから、マリアンヌの歌が耳で響いていた。
この映画は、間違いなく、労働者階級の物語である。
それは、アキ・カウリスマキという監督が、これまで継続してテーマとしてきたものらしい。
この映画は、上質のミステリーの味わいもある。
なぜなら、彼女と彼が、辛い日々に屈せず、また、運命のいたずらにも翻弄されながら、無事人生の主役としての座を取り戻せるのかを、ずっと気にかけながら観る映画だから。
では、あらすじを、記していく。
とはいっても、少し時間が経って、曖昧な部分もあるので、ご容赦のほどを。
もちろん、ネタバレ、なので、ご注意。
(1)スーパーで働くアンサとホラッパとの出会い
フィンランドの首都ヘルシンキのスーパーで働くアンサ。
陳列棚の食料品の賞味期限をチェックし、期限切れのものを取り除く。
その近くには、警備員の目が光っていた。
アンサが賞味期限切れ商品を廃棄しようとすると、もらいに来る浮浪者。
アンサも、自分の食事用に、バッグに入れて頻繁に持ち帰っている。
家に帰り、一人の夕食。
持ち帰った賞味期限切れの商品をレンジで温めたが、食べれるような状況になく、ゴミ箱に捨てる。
ラジオをつけると、ロシアのウクライナ侵攻の暗いニュース。
チャンネルと替えると、日本語の♪竹田の子守歌が聞こえてきた。
それを聞いている、アンサ。
そんなアンサの、たまの息抜きは、同僚のリーサとカラオケに行くことだった。
帰宅して、化粧をし、持っている中で一番気に入っているであろう服に着替える。
カラオケと言っても、キーボードの伴奏で歌う店。
すぐ近くのテーブルにいたのは、板金工場で働くフオタリとホラッパだった。
フオタリは、リーサに気があるようだ。
自慢の喉を披露してからアンサに褒められ、ホラッパにも歌うように勧めるが、ホラッパは、
「タフな男は歌わない」
と言って断る。
フオタリはリーサに声をかけるのだが、すげなくふられる。
アンサとホラッパの目と目が合う。
お互い、相手に興味があるようだが、どちらからも話しかけることは、ない。
(2)板金工場で働くホラッパ
板金工場で働いているホラッパ。
ほぼアルコール中毒で、仕事場にも酒を隠していて、人目を避けて飲みながら仕事をしていた。
機械が古くなっていることを上司に訴えるが、なかなか交換してくれない。
フオタリ、ホラッパたち従業員は、会社のトレーラーハウスで、相部屋で寝泊まりしている。
そんなホラッパの息抜きは、休みの日にフオタリと飲みに行くことであった。
そうあのカラオケの日も、そうだった。
(3)アンサの解雇
閉店後、スーパーのマネージャーから呼び出された、アンサ。リーサともう一人の女性店員もそこにいた。
マネージャーの横には、警備員もいる。
マネージャーから、鞄の中を出すように言われる。
中には、賞味期限切れの商品が入っていた。
マネージャーから、
「廃棄すべき物だ」
と言われる。
横からリーサが言う。
「賞味期限切れよ」
しかし、マネージャーは規則だからとアンサに解雇を告げる。
リーサが自分の鞄を開け、同じように賞味期限切れの品を出して、
「私も辞める」
と言う。
店と一緒に出るアンサとリーサ。
どこか、すっきりした様子もあるが、仕事を失ったのだから、探さなくてはならない。
今回は、ここまで。
なお、♪竹田の子守歌、の歌い手は、篠原敏武。
彼とアキ・カウリスマキとの関係は、パンフレットによると、ご近所つきあいから始まったようだ。
「PERFECT DAYS」の後にこの映画を観て、その共通する部分を感じた。
そのことについても、最終回で記したい。
今日は、かみさんが週1度の休みを使って、越後の施設にいる義母を訪ねており、私とユウは留守番だ。
まだ、健康診断書が届かないので、アルバイトが始まらない。
また、小説のようなもの、も書いてみようかと思っていたりする。
とはいえ、この映画が先である。
この映画でも、音楽が効果的に使われている。
それも、「PERFECT DAYS」と共通している部分だ。
さあ、アンサは、次の仕事を見つけることができるのだろうか。
彼の映画の音楽を集めたCD、さいきん聞いたばかりなのに、見つからないなあ。
日本人の歌う(高英男じゃない)「雪の降る街」もあるのです。
