人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画「枯れ葉」について(1)

 居残り仲間Iさんが強く勧める、アキ・カウリスマキの復帰作、「枯れ葉」を観た。
  
 Iさんは、このフィンランドの監督の映画は、ほぼすべて観ているらしい。
 私は、一本も観たことがない。

 こちらが、公式サイト。
映画「枯れ葉」公式サイト

 パンフレット。
映画「枯れ葉」について(1)_e0337777_12372696.jpg


 予告編。


 スタッフとキャスト。

<主なスタッフ>
□監督 アキ・カウリスマキ
□脚本 アキ・カウリスマキ
□助監督 エーヴィ・カレイネン
□撮影 テイモ・サルミネン
□照明 オッリ・ヴァルヤ
□美術 ヴィッシ・グロンルース
□衣装 ティーナ・カウカネン
□音響 ピェトゥ・コルホネン
□編集 サム・ヘイッキラ
□プロデューサー
 アキ・カウリスマキ、ミーシャ・ヤーリ、マーク・ルヴォフ、ラインハルト・ブルンディヒ

<主なキャストと役名>
□アルマ・プウスティ:アンサ
□ユッシ・ヴァタネン:ホラッパ
□ヤンネ・ヒューティアイネン:フオタリ
□スップ・コイヴ:リーサ
□マッティ・オンニスマー:板金工場長
□サイモン・アルバズーン:ネットカフェ店員
□マルッティ・スオサロ:ラウニオ
□アルマ:犬のチャップリン
□サカリ・クオスマネン:ホステルの客
□マリア・ヘイスカネン:看護師長
□アリナ・トムニコフ:看護師


 この映画を観て、まっさきにイメージした歌がある。
 
 ♪Working Class Heroだ。

 ジョン・レノンがソロになってから最初のアルバム「ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)」に収録されている曲。
 1970年12月リリースのアルバムからは、♪Motherが有名だ。

 ♪Working Class Heroは、多くの人にカバーされているが、その中では、マリアンヌ・フェイスフルのアルバム「Broken English」収録のものが好きだ。

 ジョン・レノンの思いは、より政治的なのかもしれないが、映画を観終わってから、マリアンヌの歌が耳で響いていた。

 この映画は、間違いなく、労働者階級の物語である。
 それは、アキ・カウリスマキという監督が、これまで継続してテーマとしてきたものらしい。

 この映画は、上質のミステリーの味わいもある。
 なぜなら、彼女と彼が、辛い日々に屈せず、また、運命のいたずらにも翻弄されながら、無事人生の主役としての座を取り戻せるのかを、ずっと気にかけながら観る映画だから。


 では、あらすじを、記していく。
 とはいっても、少し時間が経って、曖昧な部分もあるので、ご容赦のほどを。

 もちろん、ネタバレ、なので、ご注意。


(1)スーパーで働くアンサとホラッパとの出会い
 フィンランドの首都ヘルシンキのスーパーで働くアンサ。
 陳列棚の食料品の賞味期限をチェックし、期限切れのものを取り除く。
 その近くには、警備員の目が光っていた。
 アンサが賞味期限切れ商品を廃棄しようとすると、もらいに来る浮浪者。
 アンサも、自分の食事用に、バッグに入れて頻繁に持ち帰っている。
 家に帰り、一人の夕食。
 持ち帰った賞味期限切れの商品をレンジで温めたが、食べれるような状況になく、ゴミ箱に捨てる。
 ラジオをつけると、ロシアのウクライナ侵攻の暗いニュース。
 チャンネルと替えると、日本語の♪竹田の子守歌が聞こえてきた。
 それを聞いている、アンサ。
 そんなアンサの、たまの息抜きは、同僚のリーサとカラオケに行くことだった。
 帰宅して、化粧をし、持っている中で一番気に入っているであろう服に着替える。
 カラオケと言っても、キーボードの伴奏で歌う店。
 すぐ近くのテーブルにいたのは、板金工場で働くフオタリとホラッパだった。
 フオタリは、リーサに気があるようだ。
 自慢の喉を披露してからアンサに褒められ、ホラッパにも歌うように勧めるが、ホラッパは、
「タフな男は歌わない」
 と言って断る。
 フオタリはリーサに声をかけるのだが、すげなくふられる。
 アンサとホラッパの目と目が合う。
 お互い、相手に興味があるようだが、どちらからも話しかけることは、ない。
 
(2)板金工場で働くホラッパ
 板金工場で働いているホラッパ。
 ほぼアルコール中毒で、仕事場にも酒を隠していて、人目を避けて飲みながら仕事をしていた。
 機械が古くなっていることを上司に訴えるが、なかなか交換してくれない。
 フオタリ、ホラッパたち従業員は、会社のトレーラーハウスで、相部屋で寝泊まりしている。
 そんなホラッパの息抜きは、休みの日にフオタリと飲みに行くことであった。
 そうあのカラオケの日も、そうだった。

(3)アンサの解雇
 閉店後、スーパーのマネージャーから呼び出された、アンサ。リーサともう一人の女性店員もそこにいた。
 マネージャーの横には、警備員もいる。
 マネージャーから、鞄の中を出すように言われる。
 中には、賞味期限切れの商品が入っていた。
 マネージャーから、
「廃棄すべき物だ」
 と言われる。
 横からリーサが言う。
「賞味期限切れよ」
 しかし、マネージャーは規則だからとアンサに解雇を告げる。
 リーサが自分の鞄を開け、同じように賞味期限切れの品を出して、
「私も辞める」
 と言う。
 店と一緒に出るアンサとリーサ。
 どこか、すっきりした様子もあるが、仕事を失ったのだから、探さなくてはならない。


 今回は、ここまで。

 なお、♪竹田の子守歌、の歌い手は、篠原敏武。
 彼とアキ・カウリスマキとの関係は、パンフレットによると、ご近所つきあいから始まったようだ。

 「PERFECT DAYS」の後にこの映画を観て、その共通する部分を感じた。
 そのことについても、最終回で記したい。

 今日は、かみさんが週1度の休みを使って、越後の施設にいる義母を訪ねており、私とユウは留守番だ。
 まだ、健康診断書が届かないので、アルバイトが始まらない。
 
 また、小説のようなもの、も書いてみようかと思っていたりする。

 とはいえ、この映画が先である。


 この映画でも、音楽が効果的に使われている。
 それも、「PERFECT DAYS」と共通している部分だ。
 
 さあ、アンサは、次の仕事を見つけることができるのだろうか。
 
Commented by saheizi-inokori at 2024-01-11 13:38
この監督(なかなか覚えにくい、カリスマキだとか)の作品はいくつか見ました。
彼の映画の音楽を集めたCD、さいきん聞いたばかりなのに、見つからないなあ。
日本人の歌う(高英男じゃない)「雪の降る街」もあるのです。
Commented by kogotokoubei at 2024-01-11 14:30
>佐平次さんへ

そうでしたか。
♪雪の降る街を、も、「ラヴィ・ド・ボエーム」という映画で、篠原敏武さんが歌ったようです。
そのCD、早く見つかるといいですね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2024-01-11 12:59 | 映画「枯れ葉」 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
カレンダー