NHK新人落語大賞を見ての感想。
2023年 11月 11日
去年は見逃した。
一昨年は、桂二葉の『天狗刺し』が、圧倒的だった。
NHKのサイトから引用。
NHKサイトの該当ページ
東京予選63名、大阪予選41名のあわせて104名が参加。予選を勝ち抜いた東西5名の若手落語家によるナンバー1を争う話芸の競演です。11月11日にNHK大阪ホールで行われるステージの模様をお届けします。
【司会】桂吉弥 牛田茉友アナウンサー
【出場者(50音順)】桂慶治朗、桂三実、春風亭一花、春風亭昇羊、柳家吉緑
【審査員(50音順)】片岡鶴太郎、桂文珍、金原亭馬生、日髙美恵、広瀬和生
生の高座に縁があったのは、一花と吉緑だけ。
ある意味、新鮮な気持ちで五人の高座を聴いた。
テレビ画面をスマホで撮った画像を含め、出演順に感想や私の採点を記す。

春風亭一花『四段目』
内心応援していたが、緊張もあったのだろうか、この人の実力から考えると、今一つの出来。
11分という制限時間内に収めるにあたって、この噺のどこを割愛するかは難しい。
師匠一朝のこの噺を元にしたのは当然と言えるが、私が好きな八代目春風亭柳枝の音源は、約14分。
もし、柳枝版から3分縮めることができれば、構成においては、もっと定吉が生きたように思う。
私の採点は、7点。

柳家吉緑『置泥』
前座の花どん時代から何度か聴いているが、もっとも良い出来栄えだったと思う。
この噺の肝は、途中からの主客逆転だが、そのメリハリがもう少しあれば、と思う。
師匠花緑に稽古してもらったのかとは思うが、このネタを十八番としている蜃気楼龍玉のような演出も取り入れたら、もっと良くなるように思う。
私の採点は、9点。

桂慶治朗『いらち俥』
東京なら『反対俥』。過去の大会でこの噺を演じた女流噺家を思い出した。
頑張りすぎるとスピードを管理できなくなるという意味で、難しい噺。
見事な高座だった。テンポも良いし、口跡もはっきりしているし、メリハリもついている。
俥屋と客とのやりとりと、動作が肝となる噺だが、十分にこの噺の持ち味を引き出していた。
審査員の文珍が、師匠の米團治を超えていると二度言っていたが、洒落ではないかも(^^)
私の採点は、10点。

桂三実『あの人どこ行くの?』
新作。目のつけどころは良いと思う。
私も電車の乗客を見ながら、「あんなに化粧して、デートかな」などと思うことはあるので、聴く側に、「それ、あるある」と思わせる内容は、落語の本筋から離れてはいないと思う。
馬生が、「全国放送ですから」と、関西の地名を入れたことに小言を言ったが、東京の噺家は、江戸の地名の入った噺をしているのだから、それはおかしい。
私の採点は、8点。
私の採点は、慶治朗がトップで、昇羊が2位、という結果。
では、審査員の採点結果。
一花 吉緑 昇羊 慶治朗 三実
桂 文珍 9 9 10 10 10
金原亭馬生 9 8 7 9 7
片岡鶴太郎 9 9 10 10 9
日髙美恵 9 10 9 10 10
広瀬和生 7 8 10 10 9
合 計 43 44 46 49 45
文珍の三実の10点は疑問。この人、三枝門下に甘い。
馬生の昇羊の7点は疑問。
昇羊か慶治朗の優勝、という鶴太郎の採点は合点。
日髙美恵の三実の10点は疑問。
広瀬の採点は、鶴太郎と同様に理解できる。
権太楼の代わりに馬生が審査員になったのだろうが、吉緑の髪型への小言、昇羊のネタに関する小言、三実の地元関西のネタへの小言、私はすべて的外れに思えた。
審査員は、権太楼に戻ってもらうか、別な方にお願いしたいものだ。
全体として、レベルが高かったが、慶治朗の優勝に異論はない。
さて、現在のように落語と漫才を分けて実施してからの大賞受賞者は次の通り。
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西 東
1994年 桂平治(→桂文治)
1995年 柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年 古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年 桂宗助
1998年 柳家喬太郎
1999年 桂都んぼ(→米紫)
2000年 林家彦いち
2001年 桂三若
2002年 古今亭菊之丞
2003年 古今亭菊朗(→菊志ん)
2004年 桂かい枝
2005年 立川志ら乃
2006年 笑福亭風喬
2007年 桂米吉(→よね吉)
2008年 三遊亭王楽
2009年 古今亭菊六(→文菊)
2010年 春風亭一之輔
2011年 桂まん我
2012年 桂宮治
2013年 鈴々舎馬るこ
2014年 春風亭朝也(→三朝)
2015年 桂佐ん吉
2016年 桂雀太
2017年 三遊亭歌太郎
2018年 桂三度
2019年 桂華紋
2020年 笑福亭羽光
2021年 桂二葉
2022年 立川吉笑
2023年 桂慶治朗
やはりここ数年では、桂二葉の高座が印象に残るなぁ。
ちなみに、2003年の菊朗(菊志ん)のネタは『紙入れ』だった。
二年ぶりに見たが、なかなか楽しかった。
3月下旬の浅草で「やかん」を聴いたとき、講談のところがうまいのに吃驚。
歴史を紐解いてばらばらにすると、
2008年、9年、10年の3名が次世代のリーダーということになるのでしょうか?
夫と同時昇進となると、また話題になるんでしょうね。
二人で夫婦会なんて落語会はしてないのでしょうか(笑)
>つる子
二ツ目になったとき、寄席の前に等身大の看板を飾る。
まさに根岸の系統です。
過剰な明るさ(騒々しいとも言える)がテレビ受けしてのことでしょうか?
馬久とは、香盤が離れていますし、一花の抜擢は難しいように思います。
つる子は、協会のお年寄りから可愛がられて、よく落語会で使われていたことも背景にあるのでしょう。
小三治が存命だったら、抜擢はありえないでしょう。

