映画「福田村事件」は、必見(7)
2023年 10月 18日
映画「福田村事件」の七回目。
公式サイトはこちら。
映画「福田村事件」公式サイト
同サイトから引用。
大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すようにこぞって「…いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。そんな中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)を連れ、智一が教師をしていた日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助(永山瑛太)率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。長閑な日々を打ち破るかのように、9月1日、空前絶後の揺れが関東地方を襲った。木々は倒れ、家は倒壊し、そして大火災が発生して無辜なる多くの人々が命を失った。そんな中でいつしか流言飛語が飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大され、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に陥り、人々は恐怖に浮足立つ。地元の新聞社は、情報の真偽を確かめるために躍起となるが、その実体は杳としてつかめないでいた。震災後の混乱に乗じて、亀戸署では、社会主義者への弾圧が、秘かに行われていた。そして9月6日、偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる―。
こちらが予告編。
主なスタッフとキャスト。
◇主なスタッフ
●監督:森達也
●脚本:佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
●企画:荒井晴彦
●企画協力:辻野弥生、中川五郎、若林正浩
●統括プロデューサー:小林三四郎
●プロデューサー:井上淳一、片嶋一貴
●アソシエイトプロデューサー:内山太郎、比嘉世津子
●音楽:鈴木慶一
●撮影:桑原正
◇主なキャスト
●澤田智一:井浦新
●澤田静子:田中麗奈
●沼部新助:永山瑛太
●島村咲江:コムアイ
●井草貞次:柄本明
●井草マス:向里祐香
●井草茂次:松浦祐也
●長谷川秀吉:水道橋博士
●田中倉蔵:東出昌大
●田向龍一:豊原功補
●砂田伸次朗:ピエール瀧
●恩田楓:木竜麻生
●藤岡敬一:杉田雷麟
●谷前信義:生駒星汰
●平澤計七:カトウシンスケ
前回までの、あらすじの題を確認。
(1)列車の中
(2)讃岐から行商人一行が出発
(3)野田駅
(4)薬の行商の旅・名前は「望」
(5)福田村・倉蔵と咲江
(6)薬の行商の旅・らい病患者への商売
(7)福田村・井草家
(8)千葉日日
(9)福田村・澤田夫妻
(10)福田村・静子と倉蔵
(11)薬の行商の旅・朝鮮飴と扇子
(12)大震災・明治天皇の写真
(14)震災直後・巡査の言葉や噂
(15)震災直後・福田村自警団の結成
(16)平澤計七殺害(亀戸事件)
(17)震災前の福田村・静子と行商人
(18)震災後の福田村・智一と静子(提岩里教会事件)
(19)千葉日日の恩田記者と朝鮮飴売りの女性
では、あらすじの続き。
もちろん、ネタバレ、になるので、ご注意願いたい。
なお、今回は、上映終了後、帰りのバスの時刻が迫っていて、映画館からバス亭までも少し距離があったので、プログラム(パンフレット?)を買う時間がなかった。
そんなわけで、記憶が曖昧な点もあり、科白や時系列が正確ではないかもしれないが、ご容赦のほどを。
(20)薬の行商の旅・福田村、船頭倉蔵に掛け合い
大震災から五日後、9月6日に、新助を親方とする15人の行商の一行が、福田村に着いた。
自警団が組織され、異様な空気に包まれている。
新助は、いち早く村を抜け出した方が良いと思い、茶店と神社に仲間を休ませ、船頭の倉蔵に、掛け合いに行った。
15人と荷物で、なんとか二回で向こう岸に運んでくれと頼む新助。
二回じゃ無理だろう、実際に見せてもらう、と倉蔵。
(21)行商一行と福田村の自警団
茶店と神社に分かれて休んでいた行商人一行。
倉蔵は新助と一緒に茶店にやって来た。
そこに、自警団の面々も集まって来た。
彼らは、行商人たちの言葉がよくわからず、朝鮮人ではないかと疑い始める。
「十五円五十銭と言ってみろ」とか「歴代天皇を言ってみろ」などと行商人たちに迫る。
新助は、呆れて「わしらは四国は讃岐から来た薬の行商人じゃ、鑑札もある」と鑑札を差し出す。
それを受け取った巡査が、役所に確認のために自転車で走り去った。
村長の田向が、鑑札の確認が終わるまでは、何も手出しをしないようにと村民に言うが、行商一行を取り巻く村の自警団の面々は、新助たちをにらみ、一触即発の空気が漂う。
(22)虐殺・新助一家
冗談じゃねいや、とばかり、あきれ果てている新助は、朝鮮飴売りからもらった扇子を取り出し、あおぐ。
村民の一人が、「あれは、朝鮮の扇子じゃ」と叫ぶ。
福田村自警団たちが、「鮮人じゃ」「殺せ」と叫び出した。
新助が叫ぶ。
「鮮人なら、殺してもええんか」
周囲を取り囲む福田村の人々の中に、夫が本所に仕事に出かけていて、戻って来ない女性がいた。
本所で数多くの日本人が朝鮮人に殺されたという噂を聞いていた。
彼女の心の中で、なにかが壊れた、のだろう。
静かに新助に近づいてくる。手には、斧が握られていた。
新助と向き合った彼女は、斧を持った手を上から振り下ろした。
倒れる新助。
駆け寄る新助の妻、そして、二人の子供。
竹槍を持った村人が、取り囲む。
もはや、一度狂った歯車は止まらない。
竹槍が、新助の妻、子どもたちに突き刺された。
驚き、逃げる行商人たち。
(23)虐殺・続き
村長の田向が止めようとするが、村人たちの暴走は続く。
利根川の方へ逃げて行く行商人たちにも、竹槍を持った村人たちが襲いかかる。
殺害に使われた自警団の武器は、他に日本刀、拳銃もあった。
亡くなった行商人の中には、「なんのために生まれてきたんやー」と叫んで倒れる男もいた。
身重の女性は、必死に逃げようとして利根川に入って行く。
無理と知りつつ、向こう岸に着きたい、という一心からだろう。
しかし、ついにお腹の子、のぞみ、あるいは、のぞむと名付けられるはずだった胎児と一緒に竹槍で突き刺され、息絶えた。
結果、新助一家四人のほかにも五人、九人が無残な最期を遂げた。
遺体は、利根川に流された。
(24)静子と行商人
騒動を聞きつけた静子が、走ってやって来る。
折り重なるようにしている新助一家四人を目にし、茫然とする。
近くの神社に行くと、薬を売りに来た少年信義を含む行商の旅人が、村人たちに取り囲まれていた。
「十五円五十銭と言ってみろ」「歴代天皇の名を言ってみろ」
などと村人たちが迫る。
静子は、「この人たちは、薬の行商の人たちです」と必死に村人たちに言う。
すると、行商人の中には、歴代天皇の名を言い始める者や、水平社宣言を語り出す者もいた。
そんな時、巡査が戻って来た。
「やめろー、鑑札は本物だ、この人たちは、行商の人だ」
唖然、茫然とする、村人たち。
へなへなとしゃがみ込む、男たち。
信義たち行商人たちをくくりつけていた針金をほどくのは、静子たち村の女たちだった。
(25)船の智一と静子
波のおだやかな利根川。
渡し船に乗っている智一と静子。
智一が何気なく、静子に聞く。
「教えてくれないか」
そこで、映像は変わる。
(26)薬の行商の旅・帰郷
虐殺を免れた6名が、故郷に戻って来た。
旅立ちの時に渡った橋。
信義に思いをかける少女が、その橋の向こうに迎えに来ていた。
「9人じゃねぇ、10人だ」、と信義は亡くなった仲間の名を言う。
ということで、あらすじは、ここまで。
次回は、感想などを記したい。
なお、本映画は、13日に閉幕した釜山映画祭で、コンペティション部門のひとつであるニューカレント部門に選出され、最優秀作品賞を受賞した。
「ELLE」サイトの該当記事
日本の映画賞も、数多く受賞することは間違いないだろう。
まだの方は、「映画.com」サイトの上映館情報をご確認の上、ぜひ観ていただきたい。
映画.comの該当ページ
