国立劇場は、本当に建て替えが必要なのか。
2023年 09月 26日
パソコンをバッグに入れて出かけ、バイト終了後、ドトールでメールを見たり送ったり。
家に帰るとユウが遊んでくれとうるさいので、まずは、涼みがてらの仕事。
すると、落語居残り会のLineグループで、Iさんが、国立劇場の建て替え問題について下記の記事を紹介してくれた。
その後、居残りメンバーから、建て替えする必要なし、の声が続く。
まず、デイリー新潮の記事をご紹介。
デイリー新潮の該当記事
「落札されず、すべての応募者が辞退」 国立劇場の建て替えはどうなる?
2023年09月24日
皇居の西側、半蔵門と桜田門の間に位置し、およそ半世紀にわたって日本の伝統芸能を支えた国立劇場と、隣接する国立演芸場が10月末をもって閉場する。
「国立劇場は昭和41年、国立演芸場は昭和54年の開場。閉場理由は激しい老朽化による建て替えです」
とは歌舞伎担当記者。
「大劇場と小劇場を持つ国立劇場は伝統芸能の上演を目的に設置され、歌舞伎を中心に、能や狂言、日本舞踊などが上演されました。とくに歌舞伎は最初の演目から最後までを上演する“通し”を基本としつつ、三島由紀夫の新作歌舞伎にも門戸を開放。10代だった坂東玉三郎が大いに注目を集めたのも国立劇場での公演がきっかけでした」
「すべての応募者が辞退」
ファン層の開拓にも取り組み、中高校生を対象とした歌舞伎鑑賞教室は55年にわたって続いた。閉場に際しては、昨年9月から「初代国立劇場さよなら特別公演」が続いており、現在は歌舞伎「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」が通し上演されているほか、文楽は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」が披露されている。
「ところが、歌舞伎公演は席が半分も埋まっていないんです。13年前、銀座の歌舞伎座が建て替えのために一時閉館した時の『さよなら公演』は豪華な配役だったこともあって満員御礼が続きました。残念なことに、当時とは客の入りも熱気もまったく違いますね」
10月末の閉場式を経て、両劇場は解体される予定だ。にもかかわらず、その後の雲行きは予断を許さない。
社会部デスクが解説する。
「3年前、劇場を運営する日本芸術文化振興会は、PFI(民間資金を用いた社会資本整備)を活用した新劇場の整備計画を発表しました。そこでは上階にホテルやレストランを併設する構想でしたが、昨年10月の請負業者を決める入札には一社も応じなかった」
やむなく振興会は、事業内容を見直し、再び入札を行うことを決めたという。
「今年6月に行われた2度目の入札は、数社が応じたものの落札に至りませんでした。その後も落札価額の調整などが行われましたが折り合わず、結局、すべての応募者が辞退することとなった。数年来の人件費や建設資材の高騰が要因で、振興会も3度目の入札の実施を検討していますが、時期はいまも明らかにされていません」
この後、大阪の万博との類似性などに触れている。
この国立劇場は、昭和41(1966)年の竣工。
Wikipedia「国立劇場」から写真を含め引用。
Wikipedia「国立劇場」

設計案は、計307案のコンペティションから、校倉造の正倉院を模した外観とした竹中工務店の岩本博行ほか13名による案が1963年に選択され、1966年10月に竣工した。
校倉造のデザインは、高い評価を得ていた。
建物は1968年に第9回BCS賞を受賞。1998年には公共建築百選に。2003年にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれた。
私は、もっぱら裏(?)の国立演芸場で、国立劇場は、小劇場で開催される落語研究会に、居残り会のお誘いで二度ほど行ったことがあるが、大劇場は、一度もない。
しかし、あの建物は、実に良いと思っていた。
同じ昭和41(1966)年に竣工した国立の建造物に、京都国際会館がある。
こちらも、Wikipediaから引用する。
Wikipedia「国立京都国際会館」

国立京都国際会館(こくりつきょうとこくさいかいかん、英語:Kyoto International Conference Center、略称:ICC Kyoto)は、日本の国際会議施設の一つ。京都府京都市左京区岩倉に所在し、宝が池公園に隣接する。運営は、公益財団法人国立京都国際会館。日本で最初の国立の会議施設であり、ここで京都議定書が採択された。
敷地面積156,000m2。建築物は、日本人建築家・大谷幸夫の設計による代表作である。
建設
1966年(昭和41年)5月21日[1] 、日本で最初の国立の会議施設として開設された。それに先立って開業した東海道新幹線の京都駅が在来線に併設となったのも、市や地元財界などがこの施設への利便性を強く主張したことが大きな要因の一つとなっている。
国立京都国際会館、会議場(本館)
建築・設計
国が主催となって1963年(昭和38年)に開催された建築コンペ(建築設計競技)で、195点の応募作品から選考された。
・設計:大谷幸夫、および、大谷研究室
・用途:会議場、展示施設、宴会場、多目的施設
・竣工:1966年、1985年、1998年
・延床面積:45,764m2
・所在地:京都市左京区岩倉南大鷺町422番地
学生時代を京都で過ごした私は、体育会のオフシーズンは、もっぱら旅館のアルバイトだったが、たまに、部費の補充のため、国際会館の会議場の設営のバイトを仲間としたことがある。
広い会議場の椅子やテーブルなどの設置や片付けをするのだ。
あの建物も、近くから見て圧倒されるデザインだ。
下宿が同じ岩倉だったし、雨の日は近くの宝ヶ池をよく走った。
国際会館は、ご近所だったので、懐かしい。
そして、この京都国際会館は、同じ昭和41(1966)年の竣工だが、改装などはしているだろうが、立て直しという話は、皆無。
国立劇場は、本当に老朽化しているのだろうか・・・・・・。
竹中が建てて、まだ、50数年。
逆に、この建築物は、補修しながら、ぜひ後世に残すべきものであると思う。
建て替えし上の階にホテルやレストランができるらしいが、それって、独立行政法人日本芸術文化振興会の名にある「芸術文化」の振興と、どういう関係にあるのだろう。
大阪府がやることと、振興会がやることに、やはり類似性を感じる。
昨日の記事で、明治神宮再開発に関し、坂本龍一が小池都知事に送った手紙の言葉を紹介した。
今一度確認したい。
「目の前の『経済的利益』のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」
坂本龍一の言葉、この国立劇場建て替えにも当てはまりそうだ。
経済的利益が優先しちゃいませんか、芸術文化振興会さん。
周囲の景観をそこねない、見事な校倉造の建物を残すことこそ、芸術文化の振興につながると思う。
高層のホテルと、日本の芸術文化は、馴染まない。
昨日の記事につなげるのなら、万博も、神宮外苑再開発も、「処理水(汚染水)」の海洋放出も、インボイス制度も、そして、国立劇場の立て直しも、やめてもらいたい。
まして、どこにもあるような商業施設をのせるなんて!
私も、国立演芸場は好きな小屋です。
お江戸日本橋亭、来年1月から建て替えなんですね。
小満の会などの思い出のある小屋でした。
しかし、あの建物は、立て直しが必要かもしれません。
最高裁判所は昭和49年の竣工ですね。
国立劇場よりは、新しいようです。
改装でなんとかなるのではないでしょうか。
200~300席くらいのほどよい小屋は、都内の寄席以外では、内幸町ホール、横浜にぎわい座、日本橋劇場などに限られてきましたね。
https://toyokeizai.net/articles/-/712611?page=6
情報、ありがとうございます。
国立劇場建て替えも、万博も、なぜ「やめる」という決断ができないのでしょうか。
もちろん、一度始めたことをやめるというのは難しい決断ですが、まさに総合的に考え決断する、そういう仕事をするために、税金で給料をもらっている人たちがいるのだと思います。
