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青山透子著『日航123便墜落 遺物は真相を語る』より(6)


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青山透子著『日航123便墜落 遺物は真相を語る』

 2018年に単行本で発行され、今年8月に河出文庫で再刊された『日航123便墜落 遺物は真相を語る』から六回目。

 目次。
□文庫版 はじめに
□第一章 この墜落は何を物語るのかー国産ミサイル開発の最中の墜落
□第二章 焼死体が訴えていることは何かー乗客乗員全員分の未公開資料から
□第三章 遺物調査からわかったことは何かー機体の声が聴こえる
□第四章 証拠物と証言が訴えていることは何かー未来の在り様を考える
□あとがき
□文庫版 おわりに
□主な参考文献


 時間が空いたので、少しだけ前回の復習。

 事故調査報告書に記載されていたボイスレコーダーの内容に関しては、日航の客室乗務員や現役のパイロットも疑惑を抱き、生データの公開を求めていた。
 しかし、他の事故の場合には、原因究明のために社員に聞かせて意見を求めることが通常であるにも関わらず、日航上層部は、社員の要望にさえ応えることはなかった。
 
 青山さんは、やろうと思えば、当時流行のダブルカセットを使って、生データから都合の悪い部分を削除したり、音声を別のものに変えたりすることは容易である、と指摘している。

 私も、中学、高校時代に、オリジナルの音楽テープをダブルカセットで編集していたから、十分に捏造の可能性があると思う。


 今回は、第二章 焼死体が訴えていることは何かー乗客乗員全員分の未公開資料から、に進む。

 さっそく冒頭部分から、引用。

 火災現場での違和感

 人は、自分が飛ぶことができない空を悠々と飛ぶ巨大な金属の塊である飛行機が、何か特別なものであるかのごとく錯覚を持つ。
 医師たちの報告書も警察の調査資料も、大きな勘違いをしていたのは「ジェット燃料」という言葉の持つ錯覚である。ジェット燃料がすごいからあのような炭と化した、と思い込んだ本や記述に、私が疑問を持ったのが、この日航機事故問題を解明しようと思った始まりである。
 同じような疑問を持った警察医との交流が生まれ、資料を精査していくにつれ、その疑惑が深まっていった。火災で灯油を被り焼け焦げた人を多数見てきた医師の持った大きな疑問が、私を真相究明に向かわせたのである。
 最初の著作『天空の星たちへ』(『疑惑のはじまり』と改題再刊)で地元の消防団の方に取材した際に聞いた「朝まで燃えていたところがあった」、「現場では灯油ではなく、ガソリンとタールの臭いが充満していた」、「生存者を助けたのは私たちであって、自衛隊員はなぜか山頂から下りてきた」といった証言の数々に私は大きな疑問を持った。
 墜落現場の上野村村長や村民が、ジャンボ機は自分の村に落ちた、と認識しているにもかかわらず、一晩中墜落現場不明とした報道は何だったのだろうということから「故意に不明として、一晩中山頂で何かを燃やしていたのではないか」、「ガソリンとタールの臭いで朝まで燃える成分を持つ燃料はジェット燃料ではなく、火災放射器という武器に使用される燃料である。その使用の可能性は考えられないか」と問題を前著『墜落の新事実』で提起した。しかしながらこの手の話には否定がつきものであり、信じられないと語る人は多い。素人の見解はその程度であり、何の役にも立たない。
 そこで私は、刑事事件を主とする弁護士や裁判官、警察医といったプロの人たちに、炭化した遺体の写真を見ていただいた。その中でも、数多い裁判記録の中で非常に共通点を感じたのは恵庭OL殺人事件である。異常に炭化しすぎた遺体現場に弁護士が疑問を持ち、豚に灯油を何度もかけた丸焼きで実験し、遺体の状況と比較をして、灯油十リットルでここまで燃えない、ということで冤罪の可能性を訴えている。
 この事件にずっとかかわってきた弁護士や、再審請求を支持した日弁連の方々、凄惨な現場で焼死体を何度も検死してきた警察医の方や燃焼の専門家の大学教授などに日航23便の遺体写真を見せて意見を伺い、専門家による調査を行った。私の手元には弁護士の先生方の名刺だけでも五十枚は軽く超えた。
 特に灯油を何度も被った焼死体を千体も見てきた警察医の見解は貴重だ。
 例えば、表と裏をひっくり返して焼いたがごとく、頭の先から足の先まで全身がすべてムラなく炭化している遺体があった。しかし、いくら全身に燃料を被ったとしても、夏山の夕立のある湿った地面に接していた裏側の部分と表の部分では焼け具合に違いがあるのが通常である。夏服に燃料が浸みたとしても服のある部分と素肌の部分と焼け具合にムラが出て当然である。しかしながら、すべてがすっぽりときれいに炭化しているのはおかしい、というような疑問がいくつも出てきた。米国内の学術書や学術論文に航空機燃料のケロシンで焼けた遺体写真も掲載されており、そのうちの何冊かを比較してみた。しかしながら、その写真と日航123便の写真では、明らかに違いが出ている。
 つまり、全体にムラのない炭化、というのはかなり特異な状態であった。
 こういう遺体状況や専門家の見解は、事故調査報告書には書かれていない。むしろ遺体については最小限しか言及していないのである。なぜ事故調査委員会はこの重大な問題を避けたのだろうか。

 この次のページに、「ケロシンと武器燃料の比較」という表が掲載されている。

 下手な写真で恐縮だが、これである。

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 遺体の状況からは、ジェット燃料のケロシンでは不可解なのである。

 いち早く現場に入った地元消防団と警察関係者が撮った写真には、朝まで燻っていた事故現場や、早朝まで激しく燃えていた炎なども写っていた。

 しかし、この表で見るように、日航123便墜落時点における残り燃料では、注ぎ足しをしない限り、3.3ヘクタールも焼失することはありえない。

 一方、火炎放射器ならば、注ぎ足しも可能であり、現場の「ガソリンとタールの臭い」にも合致する。

 日航123便の場合、国内線でもあったことからも、残りの燃料は1時間半分だけである。また、上野村の住民が、大きな飛行機がくるくると回っている状況を「燃料でも捨てているのではないだろうか」と言いながら見ている。
 もしかすると、不時着に備えて高浜機長は燃料を減らしていた可能性も否定できない。そうなるとその量はさらに減少する。また、夏の山は多湿の土や濡れた葉っぱ、木々の茂った湿度の高い環境であって、その中で十時間以上も燃え続けたということに対して説明がつかない。山火事を経験している消防団でも、乾燥している冬山ならまだしも、夏ではそうならないと疑問に思っていたことである。

 遺体の状態、火災の状況、消防団などの証言などから、ジェット燃料のケロシンではなく、ガソリンとタールによる燃料ではないかと推理に至った青山さん。

 そして、前著『日航123便 墜落の新事実――目撃証言から真相に迫る』においても、燃料に粘着性、持続性があり、薄着の肉体に炎がついたとしても、服に引火したとしても、付着してそこが焼け落ちるまで燃え続けるものは、武器燃料しかない、と結論づけていたのだった。


 次回は、飛行機内の各コンパーメント別に遺体の状況を整理することで、何かわかってきたかをご紹介。

 
 祝日の今日は飲食店のアルバイトだった。

 忙しさは、8月中の土曜ほどではなかった。

 帰宅し、洗濯機を回し、ブログを途中まで書き、洗濯物を干し、ユウをシャワーで綺麗にして散歩してきた。

 かみさんも仕事だが、祝日は終業が少し早い。

 彼女が帰れば、すぐ、冷たいビールだ!
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by kogotokoubei | 2023-09-18 17:47 | 日航123便墜落事故 | Trackback | Comments(0)

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