人気ブログランキング | 話題のタグを見る

赤木雅子さんの闘いは、続く。

 亡き赤木俊夫さんの無念を晴らすための、妻雅子さんの訴えを、大阪地裁は棄却した。

 時事ドットコムから引用する。
時事ドットコムの該当記事

財務省の公文書開示認めず 森友問題、赤木さん妻敗訴―大阪地裁
2023年09月14日16時37分

 森友学園への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題で、同省が検察に任意提出した文書を開示しないのは違法として、自殺した同省近畿財務局赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(52)が不開示決定の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は文書の存否も明らかにしなかった同省の対応を適法と認め、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 雅子さんは2021年、俊夫さんの上司が改ざんを指示した経緯などが記されているとして、財務省と近畿財務局が検察に任意提出した関係行政文書の開示を請求した。しかし、同省などは「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」として、対象文書の存否も明らかにせず不開示決定をした。
 判決で徳地裁判長は「対象文書の存否を明らかにすれば、検察に任意提出したかどうかが推知され、文書名などから捜査対象や手法が推知される恐れがある」と指摘。原告側の訴えを認めると「将来の事件捜査で罪証隠滅などの支障が及ぶ恐れがある」と結論付け、開示を認めなかった。

 法廷で判決文が読み上げられる最中、雅子さんが椅子から崩れ落ち、代理人の弁護士らに介抱される一幕もあった。判決後、雅子さんは「あまりにひどい判決。ショックで耳に膜が掛かったようになった」とのコメントを出した。

 雅子さんの体調が案じられる。

 控訴することで、雅子さんは、二つの裁判で闘うことになる。

 最初、2021年に、雅子さんが国や佐川に損害賠償を求めた訴訟が始まったが、国が同年12月に請求を全面的に認める「認諾」という姑息な手続きで一方的に訴訟を終わらせた。
 そして、佐川に対する訴訟のみ継続したが、大阪地裁は2022年11月に請求を退けた。
 雅子さん側が控訴し、大阪高裁で控訴審が行われている。

 
 同じタイトルで、昨年11月の地裁判決の後に記事を書いている。
2022年11月30日のブログ

 あえて、同じにした。

 
 以前、東京新聞から、文書改ざんに至る経緯の図を拝借した。

 すでにリンクは切れているが、あらためて、あの事件を振り返る。

赤木雅子さんの闘いは、続く。_e0337865_10101783.jpg


 明らかに、2017年2月17日の、安倍晋三の国会答弁後に、改ざんが始まった。

 そして、その改ざんに、当時の菅官房長官が関わっていた可能性が高い。


 日航123便墜落事件で、生のボイスレコーダーを公開しないのも、森友事件における公文書改ざんの真相を隠し続けるのも、権力側が、「なかったこと」、にしたいからである。


 日航123便に関する吉備素子さんが原告の裁判、そして、赤木雅子さんの裁判で思うことは、司法も、政治と一緒に劣化しているのではないか、ということだ。


 本来は、権力から距離を置いて公正な裁判を行うべき司法は、もはや内閣の下部に位置付けられているのが、実態である。

 三権分立という言葉が死語になりつつある。


赤木雅子さんの闘いは、続く。_e0337777_14183193.jpg

赤木雅子・相澤冬樹著『私は真実が知りたい』

 文藝春秋より2020年7月15日初版発行された『私は真実が知りたいー夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』の引用を中心に、二年半ほど前、10回にわたり記事を書いた。

 その四回目の記事で、雅子さんが俊夫さんの死後にパソコンで発見した、手記をご紹介した。
2021年2月23日のブログ

 文春にも掲載され、当時は話題になった。

 その手記の部分を中心に、あらためて赤木俊夫さんの心の叫びを聞きたい。

「第3章 トッちゃんが壊れていく」から、俊夫さんが苦難の日々を迎えていた頃のこと。

 豊中市の国有地が森友学園に売却されたものの、その金額が明らかにされないため、豊中市の木村真市市会議員が情報公開を求める裁判を起こしたのが2017年2月8日。

 翌2月9日の朝日新聞の記事で、この問題に火が付いた。

 実は、相澤冬樹の記事を元に、前日2月8日夕方にNHKも放送していたのだが、それは大阪ローカルでの限られたものだったので、朝日ほどのインパクトを与えることはできなかった。

 同書から引用。太字は、原文のまま。

 それでもトッちゃんの様子はこれまでと変わらなかった。連日、帰宅が深夜二時三時になっても、朝はいつも通り出かけていった。「今は大変な時なんや」と言って、長時間残業だったけど、公務員としての使命感でむしろやる気が燃え上がっているように思えた。
 それが変わったのは十八日後。相澤さんは「二月八日は森友記念日」と言うけど、私とトッちゃんにとっては「二月二十六日が改ざん記念日」。私たちの人生をひっくり返した。その日起きたことを、トッちゃんは「手記」の中にありありと書き残していた。

 元は、すべて、佐川(宣寿)理財局長の指示です。(中略)学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました。
 佐川理財局長の指示を受けた、財務本省理財局幹部、杉田補佐が過剰に修正箇所を決め、杉田氏の修正した文書を近畿局で差し替えました。
 第一回目は昨年(注・2017年)2月26日(日)のことです。
 当日15時30分頃、出勤していた池田靖統括官(注・赤木俊夫さんの上司。当時は統括国有財産管理官)から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡を受け、役所に出勤(16序30分頃登庁)するよう指示がありました。


 あの日のことを私は今もはっきり覚えている。日曜日だった。残業残業で明け暮れていたトッちゃんも、この日は休みだった。午前中、一緒に神戸の繁華街、三宮で買い物に出かけた。大丸神戸店の近くのお店で、お気に入りの「インコテックス」というイタリアのブランドのパンツを二本買った。トッちゃんは服装にもこだわる、お洒落好きな人だった。
 その後、私の母が実家から遊びに来たので、一緒に市内の梅林公演を訪ねた。そこで、トッちゃんの携帯が鳴った。通話の後、トッちゃんは「池田統括が困っているから、ぼく助けに行くわ」と言い残して職場に向かった。
 トッちゃんは池田さんより年上だけど、上司の池田さんのことを信頼し尊敬もしていた。だから「助けに行く」と聞いて「日曜なのに大変だなあ」とは思ったけど疑問には思わなかった。まさか公文書を改ざんさせられるために呼ばれたとは・・・・・・トッちゃんも職場に行くまで知らなかったに違いない。
 後に池田さんは改ざんについて、トッちゃんが若い部下と一緒に「涙を流して抵抗した」と私に明かした。トッちゃんは生前、若い二人の部下には「やらせていない。そこはよかった」と話していた。

 「二二六」が、赤木雅子さんにとっては、あの事件とは別な意味を持っていたということか。

 涙を流して抵抗したにも関わらず、本省佐川理財局長の指示に、近畿財務局は従わざるを得なかった。

 その汚れ役を、俊夫さんは、若い部下を巻き込まず、一人で背負ったのだ。

 それも、一度のことではない。

 しかも、改ざんはこれ一回では済まなかったことを、私はトッちゃんの「手記」で知った。

 その後の3月7日頃にも、修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました。(注・近畿財務局の)楠(敏志)管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長(現イギリス公使の中村稔氏)をはじめ田村(嘉啓)国有財産審理室長などから楠部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並(義人)近畿財務局長(に)報告したと承知しています。
 美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと楠部長から聞きました。(中略)
 本省からの出向組の小西(眞)(注・管財部)次長は、「元の調書が書きすぎているんだよ。」と調書の修正を悪いとも思わず、本省杉田補佐の指示に違い(注・従いのミスと思われる)、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです。
(大阪地検特捜部はこの事実関係をすべて知っています)

 大阪地検も、権力に逆らえなかった、ということだろう。

 「本件に関して全責任を負う」と言っていた美並義人は、財務省退官後、天下りして日本郵便代表取締役副社長になっている。

 他の俊夫さんの周囲にいた人たちも、ほとんどが出世している。

 口止め料、なのだろう。

 
 もう、安倍晋三は、いない。

 赤木俊夫さんの死に、少しでも責任を感じるならば、文書改ざんに関係した人たちは、真相を明らかにすべきではないか。

 税金で給与をもらいながら、いったい誰のために、彼らは仕事をしていたのか。


 三権分立以外に、死語になりつつある言葉の一つが、「公僕」である。

 「ぼくの契約相手は国民です」と語っていた一人の優秀な公僕、赤木俊夫さんの無念を晴らすための、雅子さんの闘いは続く。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2023-09-15 12:54 | 社会や政治のこと。 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31