鈴木エイト著『「山上徹也」とは何者だったのか』より(12)
2023年 09月 10日
先に中国新聞のスクープから。
中国新聞サイトの該当記事
河井元法相、買収原資は安倍政権中枢が提供か 4人からの6700万円示すメモ押収
2023/9/8
(最終更新: 01:01)
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局が20年1月に河井克行元法相(60)=服役中=の自宅を家宅捜索した際、当時の安倍晋三首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見し、押収していたことが7日、関係者への取材で分かった。検察当局は、元法相が広島県内の地方議員や後援会員に現金を配り回った買収の原資だった可能性があるとみて捜査していたという。
関係者によるとメモはA4判。上半分に「第3 7500万円」「第7 7500万円」と書かれ、それぞれ入金された時期が付記されている。その下に「+(プラス)現金6700」と手書きで記され、さらにその下に「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きされていた。
「第3 7500万円」と「第7 7500万円」の記載について東京地検特捜部などの検察当局は、自民党本部が参院選前の19年4~6月に克行氏の自民党広島県第三選挙区支部と妻の案里氏(有罪確定)の党広島県参院選挙区第七支部に振り込んだ各7500万円(計1億5千万円)と分析。「+現金6700」は1億5千万円に加えて6700万円が現金で提供され、「総理2800」などの記述は内訳を記しているとみている。
「総理」は安倍首相、「すがっち」は菅義偉官房長官、「幹事長」は二階俊博自民党幹事長、「甘利」は甘利明党選挙対策委員長=いずれも肩書は当時=で、数字は提供した金額を万円単位で示しているとみて克行氏を追及したが、捜査は進展しなかったとみられる。
安倍氏ら4人と克行氏の主な政治団体や政党支部の政治資金収支報告書には、このメモに記された資金のやりとりは載っていない。公選法違反(買収)や政治資金規正法違反(不記載)に当たる可能性もある。
安倍氏は昨年7月の参院選の街頭演説中に銃撃され亡くなった。7日の中国新聞の取材に対し、二階氏は現金提供を否定した。一方、甘利氏は克行氏に100万円を提供したことを認め、選対委員長として他の候補にも一律に配った陣中見舞いだったと説明した。菅氏の事務所には同日午前に取材を申し込んだが夕方までに回答はなかった。
このスクープ、私が知る限り、他の新聞もテレビも後追いはしていない。
昨日のTBS「報道特集」で扱うかと思ったが、特集はジャニーズ。
それも、メディアの責任について、ほとんど時間を割かなかった。
「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」の原資が我々の血税なのかどうかは分からない。
企業やある団体の献金かもしれない。
いずれにしても、そのカネは贈賄に使われたと考えて間違いないだろう。
この贈収賄の背景には、2012年体制による自民党の次のような邪悪な考えがある。
👿カネと頭数さえあれば、何でもできる。
👿都合の悪いことは、隠すかすっとぼけるか文書捏造などで、なかったこと、にすればいい。
👿人の噂も七十五日、国民はすぐ忘れる。
この、不正・無能・腐敗の体制は、安倍ー菅ー岸田と継承されている。
安倍晋三が亡くなって一つだけ残念なことは、生きた彼に法の裁きを受けさせることができない、という点だ。
久しぶりに、この本。

鈴木エイト著『「山上徹也」とは何者だったのか』
鈴木エイト著『「山上徹也」とは何者だったのか』(講談社+α新書、7月19日初版)の十二回目。
目次。
□はじめに
□序 章 風化する「統一教会問題」と「なかったことにしたい」勢力
□第一章 山上徹也と安倍晋三、鈴木エイトをつなぐ「奇妙な縁」
□第二章 銃撃事件後、逮捕された山上が供述した「恨み」
□第三章 鑑定留置中の山上徹也に送った手紙
□第四章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(前編)
□第五章 山上徹也に複雑な思いを抱く「宗教二世」たち
□第六章 事件の約一週間前に山上徹也から届いていたメッセージ(後編)
□第七章 山上徹也が抱えていた「マグマのような憤り」の正体
□第八章 山上徹也は事件前からSOSを発していた
□第九章 山上徹也が見た「絶望」の正体
□第十章 「統一教会の被害を食い止めた」ために罪が重くなる可能性
□おわりに
今回は、第三章 鑑定留置中の山上徹也に送った手紙、からご紹介。
鑑定留置となった山上徹也と、何とかコミュニケーションをとりたかった鈴木エイト。
接見は禁止されている。
彼の弁護人を通して、手紙を渡してもらうことができるかもしれない。そしてすでに多くのメディアから取材を受けている山上徹也の伯父にも会って話を聞きたいと思った。
山上の弁護人のひとりである小城達弁護士の法律事務所に連絡した。用件を伝えてアポイントメントを取り、時間を割いてもらえることとなった。
11月15日に奈良市内の小城弁護士の事務所を訪ねた。二週間後の11月29日に山上徹也の鑑定留置が終わるというタイミングだった。
事務所内で小城弁護士と面談する。事件後に連絡を取るようになったある報道番組のキャスターから後に「信頼できる人権派の弁護士」と聞くことになるが、まさにその通りの人物だった。
小城弁護士に山上徹也へ書いた手紙を渡し、著書『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)二冊を託す。一冊は小城弁護士へ、もう一冊は大阪拘置所に収容されている山上徹也本人への差し入れだった。
小城弁護士は『週刊朝日』の森下編集長が朝日新聞に異動して直近に書いていたコラムを読み、従前から統一教会の問題を追っていた私のことを知ってくれていた。
山上には国選弁護人が二人ついていたが、大きな事件とあって、奈良弁護士会が私選の弁護士として小城弁護士に依頼したという。
鑑定留置中で接見でいない間は、手紙を渡すことも禁止されているが、弁護人に渡し、弁護人が見た上でなら手紙を渡すことは可能だった。
鈴木エイトは、事前に書いていた手紙を小城弁護士に託した。
どのメディアも取りうる手段は同じらしく、同様に手紙を託したメディアが他にもあるとのこと。その場合もやはり手紙を預かり、本人に見せるようにはしていると小城弁護士はいう。だが本人のリアクションは、ほぼないそうだ。
小城弁護士によると、捜査段階での山上容疑者の状況についてメディアはその一挙手一投足を報道したがっているが、現状としては捜査機関からの情報だけが流れており、いろいろな情報が一人歩きしているという。
私からは、山上本人もツイッターでリツイートしているので、“鈴木エイト”の存在は知ってくれていると思うこと、そしてすぐ短絡的に報道する意図がないことも伝えた。
さらに動機面での事実関係の裏付けがなされないとフェアではないと思うとも伝えた。
この後、鈴木エイトの思いは、山上徹也に伝わったのかどうか。
次回は、弁護士に託した鈴木エイトの手紙の内容もご紹介したい。
