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青山透子著『日航123便墜落 遺物は真相を語る』より(4)


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青山透子著『日航123便墜落 遺物は真相を語る』

 2018年に単行本で発行され、今年8月に河出文庫で再刊された『日航123便墜落 遺物は真相を語る』から四回目。

 目次。
□文庫版 はじめに
□第一章 この墜落は何を物語るのかー国産ミサイル開発の最中の墜落
□第二章 焼死体が訴えていることは何かー乗客乗員全員分の未公開資料から
□第三章 遺物調査からわかったことは何かー機体の声が聴こえる
□第四章 証拠物と証言が訴えていることは何かー未来の在り様を考える
□あとがき
□文庫版 おわりに
□主な参考文献

 引き続き、第一章 この墜落は何を物語るのかー国産ミサイル開発の最中の墜落、より。

 前回まで、1985年8月12日の日航123便墜落事件の時期、中曽根康弘首相の陣頭指揮で軍拡を進める一環として、国産の地対艦ミサイルの洋上飛行実験が行われていたこと、そして、事件後、なぜか、ミサイル開発に従事した日系の企業が、上野村に建設された神流川発電所にも関わっていたこと、などをご紹介した。

 青山さんは、ミサイル訓蘭中の何らかのアクシデントが、日航123便墜落の原因であると推理する。
 しかし、肝腎の証拠は、政府、防衛庁、そして日航に握られている。
 その状況をいかに打開するのか。

 刑法的アプローチ

 前著『墜落の新事実』は、目撃者の証言を集めることから始めたものであった。今回は「遺体及び証拠物である遺物」の分析結果から、この墜落に関する事件性を問うものである。本著においてもこういった刑法的アプローチで書き進めていくことを明言しておく。
 つまり、通常の殺人事件や傷害致死事件、遺体損傷といった刑事事件と同様に、目撃情報、遺留物、証拠品、遺体の検視結果といった視点から見ていくことになる。その理由は私の最初の本の
刊行後対談した山下徳夫元運輸大臣(当時)との会話の中で、この墜落に関する事件性を痛感したからである。事故当初は疑惑を覚えた程度であったが、その後詳細に調べていく過程でそれはだんだんと確信に変わり、山下氏とお会いして、これは事故ではなく事件だと決定的に思うようになった。

 この部分を読んでいて、私は、横山秀夫の原作を元にしたドラマ「臨場」の倉石を思い出した。
 内野聖陽が演じる、遺体鑑識のプロ倉石の信条は、「死者の人生を、根こそぎ拾ってやる」ということだ。

 倉石と同じような強い思いを、青山さんにも感じたのである。

 だから、事故調査委員会の圧力隔壁説に、青山さんは、倉石のように、「おれ(私)のとは、違うなぁ」と言い続けているのだろう。

 あのドラマも含め、刑事ドラマでよく見るように、事件発生の現場は、保存されなければならない。もちろん、目撃情報を求めて、刑事たちが近隣を聞き込みに奔走するのも、ドラマでは定番シーンだ。

 しかし、御巣鷹では、そうではなかった。

 当時、墜落原因とされた最大の証拠物の後部圧力隔壁だが、それを調査する前に、自衛隊によって電動カッターで五分割されていたことは前著に書いた通りである。その電動カッターで切り刻んだ部分が修理ミスとされている部分と隣接している。つまり現場保存が初動捜査の段階で全くなされていなかた、ということになる。
 次に目撃情報だが、生存者の証言も併せて、事故調査報告書にはほとんど記載されておらず、私が警察がやるべき仕事に代わって目撃情報を集めたということになる。遺留物においては全く科学的捜査がなされていないため、これも独自に集めた証拠品と遺留物から調査していくしか方法がない。DNA型鑑定も含めると80年代当時に比べて、現在は格段に進歩があり、より一層詳細に調べることが可能である。遺体に関する検視報告書に関しても事故調査報告書に記載されていることは通り一遍のことだけであり、乗客全員を分析したものではない。したがって私が独自に入手した内部資料をもとにして全員の遺体状況に関する分析を行う。その遺体に関して、事故調査報告書では検視の内容を少しだけ転記してほんの数行しか書かれていないが、520名全員の命がどうなってしまったのかを、当時身元確認を行った医師とともに「遺体の声」を聴きながら深く掘り下げていく。
 これは事件であり、事故調査報告書のように、ほんの数行だけ遺体状況を書いて済むような話ではないのだ。

 やはり、青山さんと倉石が、かぶってくるなぁ。
 「臨場」をご存じない方、ごめんなさい。

 本書執筆当時は、遺族の吉備素子さんが、事故原因究明のための訴訟を準備している最中だった。

 青山さんは、弁護士との議論も重ね、本書を執筆するにあたってどの範囲まで情報を提示すべきか、どこまで一般の人びとへ伝えることが可能かを考え、次のような結論に達した。

「事実を伝えることがノンフィクションである限り、死者の尊厳を守って、読者にわかりやすく実感してもらうことで真相究明につながるのであれば、それは表現の自由の範囲であり、公序良俗に反することもなく、学術的観点からも必要なことである。情報不足で机上の空論を語る人や運輸省(当時)の公表を鵜呑みにしている人が多い中、そのような方々にも明確にわかってもらえるように、未公表資料も必要な部分においては提示すべきである。そして、その行為は公共の利益に資するものである。何よりも520名という命が奪われた事の重大さを認識していただきたい」
 私はこの信念を持って本書を書き進めていきたいと考えている。

 この文章からは、青山さんの覚悟が、伝わってくる。

 「青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相」では、現在吉備素子さんと弁護団が最高裁への上告中であり、本書の資料も重要証拠に含まれると記されている。
「青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相」

 また、本書の中で触れているが、高浜機長の制服が行方不明であるという不可解な事実への疑問も紹介されているので、ご興味のある方はご覧のほどを。

 次回も、同じ章からご紹介予定。


 「汚染水」をめぐり、いわゆる有名人たちによる、政府を擁護する発言や呟きに、閉口している。

 たとえば、ホリエモンこと堀江貴文。

 彼がYoutubeでしゃべっている内容を、スポーツ紙が取り上げ、Yahooニュースが紹介していたりする。
Yahooニュースの該当記事

 引用する。
「十分に放射性物質を薄めた上で海へ排出するということが、一部のマスコミと左翼の活動家みたいなアホが大騒ぎしてるんで。コイツら頭が悪すぎて『薄める』の概念が理解できないみたい」と苦笑。処理水の水質は「本当に微量だけトリチウム、それ以外の汚染物質等はできる限り除去して海洋放出する。環境にほぼ影響ない状態で排出をしている」と解説した。


 彼は、何を根拠に、このような発言をしているのだろうか。

 経産省と東電の発表を鵜呑みにしているのなら、もっと調べるべきだ。
 それは、圧力隔壁説を唱える事故調査報告書を鵜呑みにするのと同様の過ちである。
 実態を知っていながらの発言なら、彼は政府の広報役である。

 残念ながら、こういった情報を、抵抗なく受け入れる人も多い。


 権力擁護のつぶやきを垂れ流すだけのメディアは、百害あって一利なし。

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by kogotokoubei | 2023-08-31 12:57 | 日航123便墜落事故 | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛
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