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「汚染水」問題を整理するー「FoE Japan」のサイトより(1)

 「汚染水」の海洋放出について、マスメディアは、肝腎な点を語ろうとしない。

 NHKも含むテレビ局は、権力の監視どころか、権力の広報部門になってしまった。

 「処理水」ではなく「汚染水」、百歩譲って「処理済汚染水」である。


 7月に、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と岸田は面会し、汚染水の海洋放出計画について「国際的な安全基準に合致する」と「お墨付き」を得た、と語った。

 しかし、IAEAは原発を推進する機関であり、IAEAに提出された“科学的”データは、あくまで東電が出したものだ。

 高木仁三郎さんの遺志を継承する原子力資料情報室のサイトから、「汚染水を海に流すな!8.18首相官邸要請行動」声明文の一部を引用する。
原子力資料情報室サイトの該当ページ
政府は、IAEA包括報告書を盾にして強行突破を図ろうとしていますが、そもそもIAEA包括報告書は、「処理水の放出は、日本政府による国家的決定であり、この報告書はその方針を推奨するものでも支持するものでもない」としています。IAEA包括報告書は、汚染水の海洋放出の科学的根拠とはならず、海洋放出を正当化できないのです。
 タンク貯蔵汚染水を30年を超えて放出する計画は、海水で薄めても放射性核種の総量は同じで、放出水に含まれる全ての放射性核種の確認もないまま、多量の放射性核種を福島の海から流せば、太平洋に広がり海洋環境が汚染されていきます。

 いくつも問題があるが、なかなかその実態を知る機会は少ない。

 いろいろ探してみて、NGO「FoE Japan」が、問題を整理してくれているのを発見。

 なお、FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)は、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGOで、世界73ヵ国に200万人のサポーターを有する Friends of the Earth International のメンバー団体であり、1980年から日本で活動をしている。

 「FoE Japan」は、「汚染水」の海洋放出に対し、抗議の声明を発表し、詳細に説明をしてくれている。
「FoE Japan」のサイトから、画像を含め引用。
FoE Japanサイトの該当ページ
声明:ALPS処理汚染水の海洋放出に抗議するー「関係者の理解」は得られていない
2023.8.22
「汚染水」問題を整理するー「FoE Japan」のサイトより(1)_e0337777_15143621.png
 
 本日、日本政府は関係閣僚会議にて、福島第一原発でタンクに保管されているALPS処理汚染水の海洋放出を、早ければ8月24日にも開始することを決定した。モルタル固化処分などの代替案について公の場で議論がなされることはなく、「海洋放出ありき」のプロセスが強引に進められた。政府・東電は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束していたが、その約束は反故にされた。2018年8月以降、公開の場での公聴会は一切行われなかった。私たちは、漁業関係者をはじめ国内外での反対や懸念の声を無視した今回の決定に強く抗議する。

 抗議内容の見出しを、あらためて並べる。
1.方針を決めてから「理解」を押し付け
2.「海洋放出ありき」で進められた検討
3.放出される放射性物質の総量が不明
4.「風評加害」という口封じ
5.意図的かつ追加的な放射性物質の放出は許されない

  まず、倫理的な問題は、政府は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束し、その後も「約束を遵守する」と繰り返してきたにも関わらず、まったくその約束を守ることはなかった、ということ。

 次に、物事の決め方としての問題。
 「海洋放出ありき」で、代替案があるにも関わらず、まったく考慮されてこなかった。
  「FoE Japan」サイトから引用する。
 政府の審議会における一連の検討プロセスをふりかえると、代替案の検討は極めて表面的にしか行われず、結論を「海洋放出」に誘導するものであった。2018年当時、海洋放出を含む5つの案が示されたが、その際、海洋放出の費用は17~34億円、期間は52~88か月とされ、5案の中ではもっとも安く、かつ短期間の案として示された。しかし、その後、海洋放出の費用は膨れ上がり、現在わかっているだけで1200億円以上、すなわち35倍以上となっている。放出期間は東電のシミュレーションでは30年以上とみられている。
 また、技術者や研究者も参加する「原子力市民委員会」が提案した、「大型タンク貯留案」「モルタル固化処分案」は、十分現実的な案であるのにもかかわらず、公の場ではまったく検討されなかった。

 加えて、トリチウムのみが話題になるが、処理後の汚染水には、他の放射性物質も含まれており、その安全性は、まったく検証されていない。
 引用する。
 タンク貯留水には、トリチウムのみならず、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が残留し、タンク貯留水の約7割で告示濃度比総和1を上回っている。
 東京電力は当初、ALPSによりトリチウム以外の放射性物質は除去し、基準を下回っていると説明してきた。トリチウム以外の核種が残留していることが明らかになったのは2018年の共同通信などによる報道によってである。
 東電は、トリチウム以外の放射性物質が基準を超えている水については、「二次処理して、基準以下にする」としているが、どのような放射性物質がどの程度残留するか、その総量は未だに示されていない。それどころか、東電が詳細な放射能測定を行っているのは、全体の水の3%弱に相当する3つのタンク群にすぎない。
 東電は、「放出前に順次測定し、測定後、準備が整い次第放出する」としているが、これでは放出する直前にしか何をどのくらい放出するのかがわからないことになる。また、放出される放射性物質の総量は、すべてのタンク水を放出し終わるまではわからない。

 特に、この残存する放射性物質は重要なので、次のQ&Aからも引用する。

「汚染水」問題を整理するー「FoE Japan」のサイトより(1)_e0337777_15182184.png


Q:何が含まれている?
 東京電力の発表では、処理汚染水には約780兆ベクレルのトリチウムが含まれています(2021年5月時点)。2010年、福島第一原発からは2.2兆ベクレルのトリチウムが海に放出されていたので、その約350倍の量となります。
 注目すべきは、トリチウム以外の放射性物質も基準を超えて残留していることです。残留しているのは、ヨウ素129、ストロンチウム90、ルテニウム106、テクネチウム99、セシウム137、プルトニウム239、炭素14、カドミウム113mなど。
 当初、東京電力は、ALPSを通すことにより、トリチウム以外の放射性物質は除去できており、基準を満たしていると説明していました。

 2018年8月に開かれた説明公聴会の資料(図2)では、基準を満たしているデータのみが示されていました。ところが、共同通信をはじめとしたメディアの報道により、トリチウム以外の放射性物質も基準を超えて残留していることが明らかになりました。

「汚染水」問題を整理するー「FoE Japan」のサイトより(1)_e0337777_15244807.png


 報道のあった当時、FoE Japanなどが、ALPSの出口データを確認したところ、ヨウ素129、ストロンチウム90などで、多くの基準超えが発生していました。
 その後の東電の発表により、現在タンクにためられている水の7割弱で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が全体として排出基準を上回っており、最大で基準の2万倍近く(注4)となっていることが明らかになりました(図3)。

「汚染水」問題を整理するー「FoE Japan」のサイトより(1)_e0337777_15284665.png


 東電は海洋放出する前に二次処理を行い、これらの放射性核種も基準値以下にするとしています。
 問題なのは、タンクに残留するこれらの放射性物質の総量が示されていないことです。また、二次処理した結果、どのくらい残留するかもわかっていません。全体の水の量が膨大であるため、濃度を下げたとしても放出される放射性物質の量はそれなりに大きいでしょう。 何がどのくらい放出されるのかという基本的な情報が明らかにされていないのです。

 「理解なしにはいかなる処分も行わない」と言ったことなど、政府も東電も忘れてしまったのだろう。

 放出がいつか、とか、風評被害がどうとか、テレビは、海洋放出ありきで報道してきたが、代替案の存在をなぜ紹介しないのか。

 東電のこれまでの説明が意図的、確信犯的な誤魔化しに満ちており、トリチウムのみならず、多くの放射性物質が「汚染水」に含まれている可能性がある。

 岸田が科学的とか透明性と語るなら、汚染水に含まれるトリチウムも含む全ての放射性物質について、科学的なデータを出すべきである。


 メディアは、日本の水産物輸入禁止を発表した中国やデモで抗議をする韓国市民を非難する前に、政府と東電の犯罪的な行為を非難すべきだ。

 
 次回は、代替案についてご紹介したい。


 今日の飲食店のアルバイトは、まだ世の中が夏休みなのだと思わせる忙しさ。
 家族連れのお客様が多かった。

 来週からは、少しは落ち着いてくれることを願うばかり。

 そうか、来週末は、もう9月なのだ。
 会社で私が担当する仕事も、いよいよ忙しくなるのである。

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by kogotokoubei | 2023-08-26 15:36 | 社会や政治のこと。 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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