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青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判』より(17)


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青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判

 青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判』(河出書房新社、2022年11月30日初版)の十七回目。

 目次。

□訴状
□はじめに
□第一章 歴史的裁判開始
□第二章 法廷への道
□第三章 情報開示請求裁判ー東京地方裁判所706号法廷
□第四章 茨の道
□第五章 判決
□おわりに
【裁判資料】


 引き続き、「第三章 情報開示請求裁判ー東京地方裁判所706号法廷」から。

 前回ご紹介したように、JAL側は、国際民間航空機関(ICAO)によってつくられた国際民間航空条約を、ボイスレコーダーとフライトレコーダーが開示できない理由の一つとして挙げている。
 また、原告側を誹謗中傷するネットの書き込みでも、この条約により開示できないのは当然、というような内容があった。

 しかし、実態は、逆なのである。

 国際民間航空機関(ICAO)作成の国際条約は不開示の理由にならない

 さてここで、前述の3に国際民間航空条約が出てきたが、JAL訴訟代理人弁護士が出した「この条約に対する原告の解釈は的外れ」という主張に対して、JALが逆に的外れであること、これを隠れ蓑としていかに詭弁を繰り返してきたかを検証する。
 まず裁判前の準備段階において、2020年3月30日に、当時の代表取締役会長の植木義晴(2020年4月以降、代表権のない取締役会長に)宛に、三宅弘弁護士が、市原和子さんの代理人としてJAL側に記録開示請求を行った。その時に出していた書面の一部を記載する。
 
   国際民間航空条約第13附属書の第5章5・12が一部の記録について開示を
  禁ずる理由は、これらの記録に含まれる情報が「その後の懲戒、民事、行政
  及び刑事上の処分に不適切に利用される可能性がある。もしこのような情報
  が流布されると、それは将来、調査官に対して包み隠さず明らかにされると
  いうことがなくなるかもしれない。このような情報を入手できなくなると、
  調査の過程に支障をきたし、航空の安全に著しく影響を及ぼすことになる」
  からである。しかし、事故後30年以上経過すれば、調査記録を開示すること
  によって、調査協力者が責任を問われることは極めてまれであって、既に
  時効も成立している。従って条約が危惧する不利益は生じない。さらに、
  過去の航空機事故における裁判では、法廷でボイスレコーダーを公開している
  事実は多数ある。
   現実に、1972年6月14日に日本航空が運航した471便がインドのニュー
  デリー・パラム国際空港で墜落した際、ボイスレコーダーの音声がインドの
  法廷で公開されて大勢のマスコミを含む傍聴人の前で全編が流された。しかも、
  それを入手したNHKが事故後、たった一年しか経っていないにもかかわらず、
  1973年6月15日に「あすへの記録ー空白の110秒」と題するドキュメンタリー
  番組を制作し、ボイスレコーダーの音声を公共の電波を用いて公開している。
  これが国際民間航空条約違反として国際問題になったという事実は確認されて
  いない。従って、国際民間航空条約第13附属書の規定は、本件の記録開示を
  拒絶する正当事由とはならない。
                                                                                                
 これだけでもJAL側の主張はすでに打ち砕かれている。
 ニューデリー墜落事故後、一年も経たないうちに、日本航空自らボイスレコーダーを公共電波で公開しているのである。それにもかかわらずJAL訴訟代理人弁護士はこちら側を「的外れな非難」という。この明らかな矛盾こそ、JAL側の主張が的外れなのであることは誰もが納得するだろう。
 しかい、今回の裁判報道において、再びJALは、「事故関係の生データ、資料は公開されたものを除き、国際民間航空機関の規定にのっとり非公開のため、当社も公開しない方針」(『上毛新聞』2021年3月5日)と語っている。
 前述のように、ニューデリー事故裁判でのボイスレコーダーの公開から、わずか一年後に自ら情報開示をしてNHKの番組制作に協力してボイスレコーダーを放送していたのであるから、それを無視しているコメントである。
 JALは、こういった矛盾を平気でマスコミに語ってきた。無知蒙昧発言である。これが通れば、JALは何でも言いたい放題が許されることになってしまう。
                              
 この後、青山さん達は、JALに二度とICOAを盾にして開示を拒否させないために、詳細な調査を行った。

 それは、海外の航空機墜落事故の裁判事例だった。

 それらの事例は、国際民間航空条約は、提携国の事故調査委員会や司法当局が判断をするための指針であって、その決定権は司法にあること、そもそも事故当時者のJALが元データを開示しない、という理由をこの条約を盾として拒むことは出来ないことを示していた。

 また、事故調査報告書は絶対的なものではなく、証拠の一つとして採用するかどうかは、各国の裁判官の裁量によると、されていた。

 日本の裁判事例も紹介されている。
 
 平成9(1997)年6月8日に発生した、日航706便(ダグラスMD-11型JA8580、香港から名古屋空港)の三重県志摩半島上空での乱高下事故だ。
 
 この事故では、いったん機長が在宅起訴されたのだが、事故調査委員会が恣意的に事実と異なる報告書を発表したことが裁判によって判明し、パイロットの正しい証言が明らかになり、機長は無罪となった。

 当時者の機長、高本孝一氏は『真実の口ー日航706便機長が語る事故調査と裁判の記録』(2013年、本の泉社)という本を著している。

 このように、結局のところ、事故調査報告書の内容を鵜呑みにすることは出来ないのである。
 以上から、客観的に見ても、JALは屁理屈を言い続けているのであって、こちら側の主張が極めてまともなのである。
 会社ぐるみで言うことならウソも正当化されるという錯覚に陥ってはならない。

 実はこの第一回の口頭弁論のみならず、その後のJAL訴訟代理人弁護士は、裁判長にも促されるほど、正面から議論をしてこないのであった。
 これは議論に値しないと勝手にうそぶいている態度でもあった。
 その姿勢は法廷での態度に表れた。JAL訴訟代理人弁護士はいつも憮然として無言である。さらに若手弁護士は、自身のタブレット端末をいじくっている始末だ。これらは傍聴席からしっかりと見られている。三輪裁判長も被告側よりも原告側のほうを見ての質問が多い。当然のことながら、法廷で、「不貞腐れた子供のようだった」と傍聴人が感じたほどのJAL訴訟代理人弁護士の態度は、裁判長を見向きもしない。

 JAL訴訟代理人弁護士の態度は実に無礼だ。
 
 法廷では無礼な態度で沈黙していたJAL側だったが、法廷の外では、とんでもない活動をしていた。

 実にあくどい、訴訟妨害。

 次回は、その内容について、ご紹介したい。


 立憲が内閣不信任案を出すようだが、与党とエセ与党によって否決されるのは目に見えている。
 岸田は、解散すると議席数を減らす危険性があると考え、解散は先延ばしにした。

 結局、無能・不正・腐敗の2012年体制が続く。

 防衛費(軍事費)大幅増の財源については誤魔化し、多様性を尊重しようという法案には、多数派が優先するという但し書きまでつける。

 旧統一教会と自民党議員の癒着問題は、時間が経てば国民は忘れると思っているのだろう。

 劣化著しい政治が、まだ続くが、権力に負けずに、真実を追い求めている人々がいることを、忘れてはならない。


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by kogotokoubei | 2023-06-16 12:54 | 日航123便墜落事故 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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