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青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判』より(16)


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青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判

 青山透子著『日航123便墜落事件 JAL裁判』(河出書房新社、2022年11月30日初版)の十六回目。

 目次。

□訴状
□はじめに
□第一章 歴史的裁判開始
□第二章 法廷への道
□第三章 情報開示請求裁判ー東京地方裁判所706号法廷
□第四章 茨の道
□第五章 判決
□おわりに
【裁判資料】


 引き続き、「第三章 情報開示請求裁判ー東京地方裁判所706号法廷」から。

 原告側の提出資料に比べ、たった9頁しかなかった、被告JAL側の答弁書。

 その内容を、青山さんは六つに要約している。
 長くなるが、引用する。


ボイスレコーダーとフライトレコーダーは個人情報保護法2条7項に定義された「保有個人データ」に該当しない。従って、原告市原は、個人情報保護法28条1項に基づく本件データの開示請求権を有しない。憲法13条に基づく人格権を直接の根拠とした私人間での本件データの開示請求権がみとめられないことは、判例上も明らかであるから、原告市原は本件データの開示請求権を有しない。よって、被告が原告市原の上記データの開示請求に応じないとした措置には、「何ら違憲・違法」もない。


吉備素子においても、憲法13条に基づく人格権を直接の根拠とした私人間での本件データの開示請求権が認められないこと並びに原告の主張する安全配慮義務及び情報提供義務履行請求権を根拠とした本件データの開示請求権が認められないのは明らかである。その他原告吉備の本件データの開示請求権を基礎づける法的根拠は何ら存在しない。よって被告が、原告吉備の開示請求に応じないとした措置は、「何ら違憲・違法」もない。
原告吉備は、契約締結後の説明義務(情報提供義務)として本件データの開示請求権が認められるなどと主張するが、契約締結後に当時者がいかなる義務を負うかについては、当該契約の内容に基づいて定まることはいうまでもないところ、故吉備雅男氏と被告の間に適用された国内旅客運送約款には、本件データの開示請求権に関する規定はないし、付随義務としての情報開示請求権が発生すると解すべき根拠もない。


被告が国際民間航空条約の定めを援用して開示を拒否した点を、「原告が云々と述べているが、的外れな非難と言わねばならない」(原文ママ)。民間航空企業である被告が、「航空事故の再発防止」という世界普遍的な理念と、求められるている具体的措置を遵守することは、まさに同条約が期待するところと言わなければならない。ただ、本件では同条約の適用を考慮するまでもなく、原告らの請求がその根拠を欠いていることが明白である。


原告らが主張する文献や裁判例等が存在すること自体については強く争わない。しかし、本件データは原告市原の「個人情報」には該当しない。


本件事故は、運輸省航空事故調査委員会によって行政調査権を駆使して徹底的な調査が行われて報告書が作成された。全社を挙げて調査に真摯に協力をした。こういった経緯を経て作成した報告書ではあるが、これについて原告らが主張する文献や考え方が存在すること自体は強くは争わない。


以上のとおり原告らの請求にはいずれも理由がないことは明らかであるから、直ちに請求棄却判決がなされるよう強く求める。

 私は、「4」の内容に、明らかに“逃げ”を感じる。
 青山さんの著作も文献に入るのだろうが、争わない、のではなく、争えないのだろう。

 この答弁書と一緒に提出された証拠種類は、国内旅客運送約款のみ。

 立証趣旨として「故吉備雅男氏と被告との間に適用された、本件事故当時の被告の国内旅客運送約款には、本件データの開示請求権に関する規定はなく、付随義務としての情報開示請求権が発生すると解すべき根拠も見当たらない」としている。
 こういったJAL側の主張を、一つずつ丁寧に論拠をもって反論していくのが、次回からの口頭弁論期日である。原告側は次々と証拠書類を提出していったのに対して、JAL側の提出はその後も僅かだった。

 答弁書の「3」に、国際民間航空条約が登場している。

 これは、国際民間航空機関(ICAO)によって作成された条約である。

 JAL側の答弁書のように、いまだに、国際民間航空条約を盾にして原告側を誹謗中傷するネットの書き込みがあることが、高裁判決を伝える「青山透子公式ホームページ 日航123便墜落の真相」に報告されている。
「青山透子公式ホームページ 日航123便墜落の真相」

 引用する。


管理人です。

読者から、「いまだにこういう書き込みをする無知な人がいる。情報が乏しい人のために、事実と法律を教えてあげてください」という情報が来ましたので念のためお伝えします。

「カメラマン(自称)の人の書き込み:
『ボイスレコーダーはICAO(国際民間航空機関)の規定によって「事故調査関係者以外には原則非公開」であり、裁判の被告となったJALは開示権限を有していない。開示権限を有していない会社を訴えたからこそ、裁判所は棄却(原告敗訴)の判断をしています。青山本では何も学べませんよ。』
さて、読者の皆さんならばすぐお分かりですね。この自称カメラマンさんは、ICAOが何を規定して何を目的としているのか全く理解せず、それどころか基本的学習をしていないことが明確です。
ICAO本局に問い合わせをすればすぐにわかりますし、英文の条約を読めばさらにわかりますが、どの国も関係者以外非公開、にはしていません。事実、日本での航空機事故裁判や雫石事故等、裁判では当たり前に公開しています。それは加盟している各国共通です。

 この後に、本書の112ページで、「裁判でICAOは不開示の理由にはなない、という項目で、それを取り上げて議論した裁判の模様が、しっかりと客観的に事実として記載されています」と記されている。

 次回は、その112ページから。


 今日は、飲食店のアルバイト。
 土曜日並みの忙しさだった。
 
 いろいろ書きたいこともあるが、それは、また後日としよう。
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by kogotokoubei | 2023-06-13 21:36 | 日航123便墜落事故 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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