池波正太郎著『牧野富太郎』より(1)
2023年 03月 30日
来週から始まるNHKの朝のドラマ「らんまん」は、牧野富太郎をモデルとしている。
NHKサイトの同ドラマのページから、引用する。
NHKサイトの該当ページ
好きなもののため、夢のため、一途に情熱的に突き進んでいく!モデル、であり、モチーフなんて言葉を使わないことは、良い。
春らんまんの明治の世を舞台に、植物学者・槙野万太郎の大冒険をお届けします!!
連続テレビ小説108作目『らんまん』は高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。
その喜びと発見に満ちた生命力あふれる人生を、美しい草花の情景とともに描き、日本の朝に癒しと感動のひとときをお届けします。
時代は幕末から明治、そして激動の大正・昭和へ ―
そんな混乱の時代の渦中で、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)と
その妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描きます。
ただし「オリジナルヒストリー」という言葉が、ある意味、史実とは違っていても怒らないでね、という逃げとなっているな(^^)
新潮文庫の短編集『武士(おとこ)の紋章』に収められている。
これが、目次。

この短編は、昭和32年3月に新国劇で上演した「牧野富太郎」の脚本を池波が書いたことが背景にある。
池波は、ある写真との出会いから、この短編を書き始めている。
引用する。
私が、牧野富太郎博士の顔に強く魅了されたのは、土門拳の〔風貌〕という写真集の中におさめられた牧野博士の肖像(ポートレート)を見てからである。九十余歳の博士の、大きな巾着頭や、耳までたれ下った銀のような髪の毛や、強情我慢的な鼻や、女のようにやさしくしまった唇や、痩せぎすな猫背を丸めて、両手に何気なく持った白つつじの花やー土門氏の対象に肉薄している撮影技術の見事さは素人の私にもよくわかるような気がしたが、何よりも私の心を引き摑んで離さなかったのは、その博士の眼であった。
白い眉毛の下に、ややくぼんで、小さな、澄みきった眼がある。それはもう、ただ澄みきっている眼をいうものはこういう眼をいうものであろうかと思われる美しさであって、一葉(いちよう)の写真を通して、この眼の美しい輝きが汲みとれるのは撮影もすばらしいものなのだろうが、撮(うつ)された対象が何よりすばらしいのだと、私は思った。
土門氏の、この肖像に付した解説は次のようなものである。
〔牧野富太郎〕植物学者ー文久二年(1862)高知県に生る。明治九年、在学三年
にして小学校下等八級を中退。正規の学歴はそれだけで、以後独学で植物学を
研究。採集した標本六十万種、発見命名した新種千五百種、日本産の植物の
大半に正しい学名をつけた。
明治二十六年東大助手、大正二年東大講師ー以来、昭和十四年まで東大の万年
講師だった。昭和十二年朝日賞受賞。二十五年学士院会員となる。
私は、昨年秋、劇団新国劇に委嘱されて、牧野博士の伝記を芝居の脚本に書くことになり、はからずも博士の「美しい眼」と現実にめぐり合うことが出来た。
この短編は、「小説倶楽部」の昭和32年3月号が初出。
この土門拳が撮った牧野富太郎の写真は、探してみたが見つからなかった。
あるいは発見したとしても、拙ブログで掲載できるかは、疑問でもある。
さて、池波と牧野との出会いは、どのようなものだったのか、については次回。
NHKの朝ドラ、明日最終回の「舞いあがれ」は、前作(「ちむどんどん」)が、あまりに無理筋の偶然ばかりの脚本に呆れて途中で見なくなったことを考えると、まあまあ最後まで楽しめた。
久しぶりに、実在の人物がモデルの「らんまん」は、牧野富太郎という人物をどう描くか、楽しみにしている。
お久しぶりです。
今日終了した今期のNHK連続テレビ小説ですが、個人的には好きになれませんでした。
時代が違うと言われれば仕方がないのですが、1976年度上期の「雲のじゅうたん」に比べれば、女流飛行家の話としては遙かに劣る訳の解らない作品でした。
勿論、前作「ちむどんどん」もあまり好きにはなれませんでしたが。
大阪制作の前作「カムカムエヴィバディ」も評判は高かったようですが、私には合いませんでした。ラジオ英語講座がテーマと言いつつ、和菓子・ジャズ・時代劇を無理矢理に盛り込み、最後に辻褄合わせ的だったのは今作も同じだった感があります。ラジオ講座で英語、ロシア語を学んだ身としては期待外れでした。
朝ドラ向きではありませんでしたが、昨年度上半期「おかえりモネ」は好きでしたね。
個人の好みですから、仕方がないのですが…。
次作「らんまん」は期待したいと思っております。
ご不快な思いをさせてしまったのならば、申し訳ありません。
お久しぶりです。
いえ、まったく不快な思いなどしておりませんよ。
「舞いあがれ」も、途中でやめかけていましたが、なんとか、見るだけは見た、という感じです。
私も「おかえりモネ」は、最近では良かった部類に入ります。
主演女優がお気に入り、ということもありますが(^^)
「らんまん」は、植物学のためには金銭を惜しまない夫と、彼を献身的に支える妻の物語になるはずです。
高知の実家が零落した後も、富太郎は、研究のために高額な書籍を購入したり、各地に採集に出かけたりすることを止めませんでした。
東京大学の万年講師で、給料より高い家賃の家に住んでいた時期があり、妻の寿衛子の負担は並大抵ではなかったはず。
そのあたりの夫婦の姿を、いかに描いていくか、楽しみにしています。
ニフティサーブと呼ばれたパソコン通信時代から使っているハンドルは、スミレの学名。牧野富太郎氏と言えば、マキノスミレというスミレに名を残す程スミレを愛していたと言われています。
「歴史秘話ヒストリア」でも取り上げられた博士の事をモデルにしたテレビ小説、以前は夜に再放送をしていましたが、今はありません。朝は見られないので、週末に纏めて見ることになるかと。
牧野植物園には、いつか行ってみたいと以前から考えています。

