五輪贈収賄事件の黒幕も、安倍晋三だったー文春オンラインやLITERAより。
2022年 09月 20日
文春オンラインに、『文藝春秋』10月号の記事の一部が掲載されている。
文春オンラインの該当記事
冒頭、このように書かれている。
司直の手に落ちた「五輪招致のキーマン」と「長銀を潰した男」——。文藝春秋10月号より、ジャーナリスト・西﨑伸彦氏による「高橋治之・治則『バブル兄弟』の虚栄」の一部を掲載します。
また、LITERAが、文春の記事を中心に紹介している。
LITERAの該当記事
まず最初に、両記事を参考にしながら、指摘されている、安倍親子と高橋兄弟との関係について、簡略して紹介したい。
(1)1990年 ゴルフ場会員権買い取りで自宅購入ー安倍晋太郎と高橋治則
1990年、安倍晋太郎は、自宅購入資金ねん出のため四つのゴルフ場会員権を総額約1億円で高橋治則に買い取ってもらい、この金をもとに山口県下関市に約一億二千万円で自宅を購入した。
高橋治則は「安倍氏とは義父の故岩沢靖氏(元北海道テレビ社長)からの紹介で、家族ぐるみの付き合いをしていた」と話していた。また、安倍晋三も事務所を通し「高橋氏に会員権を買ってもらって自宅の購入資金の一部にしたという話は聞いている」と話していた。
(2)父晋太郎から継いだ、高橋兄弟との関係
父晋太郎元外相の秘書をつとめていた息子の安倍晋三にも、高橋治則との関係は引き継がれた。
当時、治則が自分の経営するゴルフ場を使って接待した政治家・官僚のリストが出回ったが、このリストには「安倍晋太郎」とともに「安倍晋三」の名前があった。
さらに、元特捜検事でありながら闇社会と関係を持ち、石橋産業事件で逮捕された田中森一の告白本には、高橋の長男が大学を卒業し、日航と都銀の就職試験を受けて落ちたのだが、治則からの依頼に晋三が動き、日航への採用が内定。
弟の治則はその絶頂期、兄治之のロビー活動への資金援助し、その人脈を共有していたのは有名な話だ。
安倍晋三が父から継承した治則との関係を維持し、そして治之とも親しい関係であったことは明白だ。
(3)2012年 「絶対に捕まらないようにします」ー安倍晋三と高橋治之
2012年12月、自民党は政権を奪回するとともに安倍晋三が首相に返り咲いた。
東京五輪招致を目指す安倍は、IOC委員との強いパイプを持つ高橋治之に五輪招致での支援を電話で要請した。
高橋の回想。
「最初は五輪招致に関わるつもりはなかった。安倍さんから直接電話を貰って、『中心になってやって欲しい』とお願いされたが、『過去に五輪の招致に関わってきた人は、みんな逮捕されている。私は捕まりたくない』と言って断った。だけど、安倍さんは『大丈夫です。絶対に高橋さんは捕まらないようにします。高橋さんを必ず守ります』と約束してくれた。その確約があったから招致に関わるようになったんだ」
違法な工作を前提とし、時の総理が、こんなことを言っていたのである。
招致委員会に、「スペシャルアドバイザー」として高橋治之は参加し、招致決定後、それまで34人の組織委員会理事のリストにはなかった彼が、35人目の理事として参加することになる。
招致委員会が、高橋スペシャルアドバイザーと懇意な人物に、2億5000万もの「コンサル料」を支払ったことは、以前紹介したが、実は、高橋容疑者の会社、コモンズには、もっと巨額な金が支払われていた。
LITERAから引用する。
フランス司法当局が東京五輪招致をめぐる汚職事件でJOCの竹田会長(当時)の訴追に向けて捜査を開始したと報じられたのが、2019年。その直後、情報誌の「FACTA」が、招致委員会の出入金記録をスクープした。それは、招致委がみずほ銀行に開設した口座の出入金記録だったが、2013年2月から2014年7月までの間、「コモンズ」という会社に、17回にわたって合計約9億6000万円もの金が振り込まれていたことが判明したのだ。
「コモンズ」というのは言うまでもない、今回の東京五輪組織委を舞台にした贈収賄事件の舞台にもなっている高橋容疑者の経営するコンサル会社である。
この事実について、当時、自分たちも五輪利権に群がっていた日本のマスコミはほとんど無視したが、2020年、ロイター通信が「フランスの司法当局がコモンズへの入金記録を押収し、捜査している」と報道。国際調査報道ジャーナリスト連合も後追いし、高橋氏が招致委から自分のコンサル会社に流れたこの巨額の金を使って、各国のIOC委員に金品をばらまいていた実態が海外で大きな問題になっている。
以前作った構図を改訂した。

どんな手段を使ってでも、五輪を東京に持ってくる、という安倍晋三の命によって、多額の血税が賄賂として使われたと言ってよいだろう。
逮捕させない、と安倍が言ったことは、犯罪的な行為を高橋容疑者に強いるからこその発言だ。
統一教会問題に続き、五輪贈収賄事件においても、その核心的な部分に、安倍晋三の存在がある。
その安倍晋三の国葬が迫っている。
いったい、どれほどの国民が、弔意、を示すというのだろうか。
多くの国民が求めるのは、統一教会問題、五輪贈収賄事件における、巨悪の根源と言える安倍晋三の罪を明らかにすることではないのか。
