私にとって、四代目金馬の最後の高座。
2022年 09月 04日
私が生で聴けた最後の高座は、5年前の10月、浅草演芸ホールでの二代目古今亭志ん五真打昇進と襲名の披露興行だった。
その日も日曜日だったが、雨でテニスが休みで行くことができたのだ。
2017年10月16日のブログ
金馬の高座を振り返りたい。
三遊亭金馬 『表彰状』 (17分)
仲入りは、大御所。
見台は用意されていたが、板付きではなく、自ら歩いて登場。
このネタは、初めて聴く。
泥棒の兄貴分と弟分の会話が中心。二人で泥棒に入ったが見つかってしまい、弟分が走って逃げる途中に、お婆さんを突き飛ばした。しかし、その結果、車でお婆さんがはねられるのを助けたので、警察に表彰される、というのが、発端。その後、表彰されて新聞などに顔がばれたら困るから、悪いことやって表彰を取消しにしてもらおうとするが、何をやっても裏目(逆裏目?)に出て良い行いになり表彰されることになる、という筋書き。
後で、ネタをを調べたら、昭和38(1963)年に、「創作落語会」として芸術祭に参加し、奨励賞を受賞している中の一席だった。
ということで、Wikipedia「創作落語会」から、引用していた。
Wikipedia「創作落語会」
1963年11月30日の第14回創作落語会公演は、団体として以下のプログラムで芸術祭に参加した。
「表彰状」(作:大野桂)演:三遊亭小金馬
「遺言」(作:正岡容)演:三遊亭歌奴
「賢明な女性たち」(作:星新一)演:桂米丸
「一文笛」(作:中川清)演:3代目桂米朝
「義理固い男」(作:玉川一郎)演:春風亭柳昇
「時の氏神」(作:粕谷泰三)演:三遊亭圓右
「笑の表情」(作:はかま満緒)演:林家三平
特別出演:5代目古今亭志ん生
(中川清は米朝の本名である)
その結果、昭和38年度(第18回)の芸術祭奨励賞を受賞することとなった。
その後、こう書いていた。
米朝の『一文笛』や、三平のために、はかま満緒さんが作ったネタも含んでいる。
トリの志ん五のネタを知って、古典ではなくこの噺を選んだのであれば、さすが金馬、と思わせるじゃないか。
それにしても、この創作落語会の作者の顔ぶれが豪華だ。
山田洋次が五代目小さんのために落語を創作してから、しばらく経つ。作家や脚本家が落語を創作して芸達者が演じる会、今でもおもしろい試みになるのではなかろうか。
さて、仲入りで、外の喫煙コーナーで一服。
雨は、まだ止まない。
私が聴けた最後の高座が新作だったのも、この人のネタの豊富さを物語っているのかもしれない。
なおこの日は、他に、春風亭栄枝『都々逸坊扇歌物語』、三遊亭円丈『金さん銀さん』にも縁があった。
二人とも、今や、天国寄席の仲間。
トリの二代目志ん五の新作『出目金』も印象深い。
「お笑い三人組」の最後の一人が、旅立った。
♪ウフフ アハハ
公開生番組だった。
あの頃のNHKは、テレビ草創期の緊張感のある良い番組をいくつも放送していたように思う。
四代目金馬のことを思うと、そんなことにも考えが及ぶ。
私の場合、「長短」「孝行糖」「夏の医者」など、古典しか聴いていなかったので、
「表彰状」は構成力に富む、ウイットの利いた新作だと思いました。
創作落語界のライターたちの豪華さ。演者たちの豪華さ。
現代なら三谷幸喜が書けるような気がします。
年齢的には桂米丸のほうが年上ですが、戦後入門ゆえ、噺家としてのキャリアは金翁のほうが上だったのですね。それでも大正時代生まれの現役噺家が健在なのは驚くとともに嬉しい限りです。米丸師の落語は大学時代に練馬区の落語会で聴いただけですが、演目は「賢明な女性たち」だったと記憶しています。今年で97歳。今後もお元気で活躍して頂きたいですね。
創作落語会には、途中でつばめも参加して、錚々たる顔ぶれだったようですね。
昭和4年生まれの四代目金馬は12歳で入門しましたから、昭和16年、まさにあの戦争が始まる年でした。
米丸は、元気なのかなぁ。
ぜひ、また高座に縁があることを祈ります。
久し振りに落語ネタを書きましたが、もう少し、頻度を上げなければならないと反省しております。
