映画「長崎の郵便配達」のこと(1)
2022年 08月 16日
昨日は、映画『長崎の郵便配達』を観てきた。
オリジナルサイトからお借りしたポスター。
映画「長崎の郵便配達」オリジナルサイト

昨秋公開予定だったが、今夏の封切りとなった結果として、オリジナルサイトと、配給会社によって開設された公式サイトの両方がある。
8月10日の記事で、それまで私も知らなかった、「赤い背中」の写真で世界に知られた長崎の被爆者谷口稜曄(すみてる)さんのことを紹介した。
2022年8月10日のブログ
「原爆を背負って」と題された西日本新聞の連載は、実に得難い、被爆者による記録と記憶の宝庫だ。
西日本新聞サイトの「原爆を背負って」
そして、谷口さんを取材していた、ジャーナリストのピーター・タウンゼンドの著作『長崎の郵便配達』を元に、タウンゼンドの娘のイザベルさんが、父の足跡を辿る長崎への旅を中心にした映画が制作されたことを、西日本新聞からご紹介した。
西日本新聞の該当記事
再度、その記事をご紹介したい。
父はなぜ「赤い背中」の被爆者に耳を傾けたのか 英軍人の娘が答えを探した長崎の記録映画
2021/8/3 6:00 (2021/8/8 13:26 更新)
********************************************************
長崎で郵便配達中に被爆し、原爆の熱線で焼かれた「赤い背中」の写真で世界に知られた谷口稜曄(すみてる)さん(2017年に88歳で死去)と、元英国軍人で戦後は著作活動を続けたピーター・タウンゼントさん(1914~95)の交流を追ったドキュメンタリー映画が完成した。ピーターさんの長女が長崎を訪ね、2人の残したメッセージをたどる物語で、タイトルは「長崎の郵便配達」。監督の川瀬美香さんは「戦争を知らない世代が戦争体験をどうやって継承していくか。考える一助になれば」と話す。
********************************************************
赤い背中の写真を掲げて精力的に原爆の証言活動をしていた谷口さんを、ピーターさんは82年に長崎で取材した。84年、映画と同じ題の著書を英語とフランス語で出版し、直後に邦訳され教科書にも載ったが、いったん絶版となった。
ピーターさんの遺品から見つかった取材テープを基に足跡を追い、著書に込められた2人の思いをひもといていく今回の映画は、ピーターさんの娘で元モデルのイザベル・タウンゼントさん(60)が主演。ロケは谷口さんが亡くなった翌18年8月、長崎で行われた。初盆を迎えた故人を見送る「精霊流し」で谷口さんの家族と一緒に精霊船を引き、被爆体験の証言ビデオにも触れている。
監督の川瀬さんは、ピーターさんの本の復刊運動に関わっていた知人を通して、14年ごろに谷口さんと知り合った。「核兵器をいまだに持ち続けている国があることが許せない」と、静かに話す姿が忘れられないという。15年春、核拡散防止条約再検討会議に合わせて訪米した谷口さんに同行し、核兵器廃絶を訴える姿を映像に収めた。その後も長崎などで繰り返し面会したが、「原爆」という重いテーマに気後れし、映画化に踏み切れないでいた。
迷いは、イザベルさんとの出会いが断ち切ってくれた。英空軍のパイロットとしてナチス・ドイツとの航空戦「バトル・オブ・ブリテン」に参戦したピーターさんは戦後、なぜ被爆者を描いたのか-。イザベルさんも、その問いに迫ろうとしていたのだった。川瀬さんは決断した。「子を持つ一人の母親としてイザベルが父たちの戦争とどう向き合うのか。その姿を通してなら、原爆を知らない私にも描けるものがある」
映画の撮影には西日本新聞も協力。谷口さんの半生を描いた聞き書き「原爆を背負って」の取材資料を提供した。谷口さんは生前、本紙の取材に「ピーターは話を熱心に、時折涙ぐみながら聞いた。私の思いを本にし、海外で伝えてくれたことをうれしく思う」と語った。
映画は97分、全編英語で日本語字幕付き。長崎原爆の日の8月9日、長崎県美術館で中高生を対象に無料上映会が開かれる。今秋の一般公開を目指す。(久知邦)
こちらが現在の公式サイト。
映画「長崎の郵便配達」公式サイト
予告編。
公式サイトで、神奈川県の上映館を確認。

一番近いのが、厚木のkikiというミニシアターだっだ。
この映画館は、「アミュー(amyu)あつぎ」という厚木市のビル内にあるが、映画館そのものは、民間の運営とのこと。
同ビルのサイトから、引用。
「アミューあつぎ」のサイト
アミューあつぎについて
厚木市の新たなランドマークであるアミューあつぎは、様々なショップと市の公共施設が一緒になった複合施設です。
地下1階から4階までのショッピングゾーンは、飲食や物販など魅力あるショップが並びます。
5階から8階までの公共施設ゾーンは、文化・芸術、生涯学習などの活動スペースがある「あつぎ市民交流プラザ」と、親子の交流の場である「子育て支援センター」で構成された拠点の場です。
そして、9階には市内唯一となる映画館があります。
そして、厚木市内唯一の映画館kikiのサイトがこちら。
「あつぎのえいがかん kiki」のサイト
サイトで確認すると、大阪が本社の映像機器の会社が運営しているミニシアターらしい。
延岡でもミニシアターを運営しているようだ。
壁の写真。

これが、プログラム。

なかなかのラインナップ。
三つのスクリーンの座席数は、154席、58席、112席
開場前のロビーに、仲の良さそうな二人の高齢の女性がいらっしゃった。

結果として、58の客席は、平均年齢の高い20人ほどで埋まった。
ここからは、ネタバレなので、ご注意のほどを。
とはいえ、ドキュメンタリーなので、紹介した西日本新聞の記事にある内容も、フィクションなら隠しておきたい内容を含んでいると言えるかもしれない。
<あらすじ>
まず、あらすじ。
結構カットバックで時間軸が変わるので、必ずしも時系列とは言えない。
(1)ピーター・タウンゼンド
第二次世界大戦で、イギリス空軍のエース・パイロットだったピーターは、エリザベス女王の妹、マーガレット王女との恋で有名な人でもある。二人は、結ばれることはなかったが、映画『ローマの休日』を生むことになる。
マーガレットとの恋が破れた後、彼は、ランドローバーで世界一周の旅に出かけた。
その旅が、彼をジャーナリストとしての道へ進めることになった。
エースパイロットとして、戦争とはいえ、殺人に加担していたことを反省し、反戦を訴える活動をしようと思った。
ピーターは、谷口さんが16歳で郵便配達の途中に長崎の原爆の被害を受け、焼けただれた背中の写真で有名になったことを知る。
1982年からピーターは本格的に調査を始め、長崎を訪れて谷口さんの自宅に通い詰め、1ヶ月もの間、深夜まで膝を交えて、無口な谷口さんから、少しづつ、その日のことや、その後の入院生活のことなどを聞き出した。
フランス人女性と結婚したピーターは、フランスの片田舎の家の書斎で、『The Postman of Nagasaki』を執筆した。
この映画の制作プロジェクトのサイトがあり、そこに、ピーターがサインをして谷口さんに送った本の画像があったので拝借。
「長崎の郵便配達」制作プロジェクトのサイト

(2)イザベルと川瀬の出会い
父の書斎を、生前の時そのままにしていたイザベル。
彼女は、なぜ、父は谷口さんを取材し、『長崎の郵便配達』を書こうとしたのかを、知りたかった。
そして、知人から谷口さんを紹介され2014年に初めて谷口さんに会った、川瀬。
川瀬は、アメリカでの核拡散防止条約再検討会議にも谷口さんに帯同して、カメラを回していたが、映画化には、踏み切れないでいた。
2016年、川瀬はイザベルに連絡をし、フランスの家に立ち寄ることにした。。
家では、ピーターの書斎が生前のままだった。
イザベルの父への思いを知った川瀬は、谷口さん、そして、ピーターとイザベルの三人の映画を作ることにした。
(3)ボイスメモ
イザベルは、父の残した物の中に、長崎での取材を口述で記録したカセットテープ(ボイスメモ)を発見した。
このボイスメモは、この映画にとって、重要な役割を果たす。
その音源をデジタル化し、イザベルの長崎への旅では、片手に父の本を持ち、耳のイヤホンでは父の声を聞きながら、36年前の父の足跡を辿ることになる。
制作プロジェクトのサイトから、父の書斎にいるイザベルと、彼女がカセットテープを持つ写真を拝借。

(4)谷口さんの死
映像では、2015年のアメリカの谷口さんの姿もあったし、2016年のフランスにイザベルを訪ねた際の映像もある。
川瀬もイザベルも、谷口さんがお元気なうちにこの映画を撮るつもりでいたのだが、2017年8月30日に、88歳で亡くなった。
そのため、映画は、翌2018年、谷口さんの一周忌に近い夏、イザベルが長崎を訪れるということとなった。
イザベルの長崎訪問以降については、次回。
この映画を観て良かったことは、映画そのものもそうだが、kikiという映画館を知ったことだ。
今月後半の案内の中で、このポスターと掲示を発見。


残念ながら、21日はテニスなので来ることはできないが、こういう映画を上映し、製作者を呼ぶこともあるというのは、素晴らしいことだと思う。
友の会の方は、観たい映画を匿名でリクエストすることができ、その希望について、「上映が決まりました」などと丁寧に返事をして掲示している。

これが、8月21日~26日のスケジュール。

手作り感のあるこのミニシアターには、今後、度々来ることになりそうだ。
厚木には、結婚して、連れ合いのアパートに私が引っ越して二年ほど住んだことがある。
街の印象は悪くない。
しかし、すぐ近くの海老名の方が駅周辺で商店街として発展し、大手のシネコンも複数ある。
でも、海老名駅前の商店街は、どうも人工的な印象が拭えなくて好きにはなれない。
厚木の市民参加的なミニシアター、悪くないじゃないか。
さて、今日、明日は、飲食店のアルバイトが夕方からラストまで。
そろそろ、行かねば。
ありがとうございました。
