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葛西敬之とは、どんな人物だったのか。

 葛西敬之が亡くなった。

 東京新聞から引用。
東京新聞の該当記事

葛西敬之さん死去 JR東海名誉会長 国鉄民営化推進
2022年5月28日 07時30分

 旧国鉄の分割民営化やリニア中央新幹線計画の実現に尽力したJR東海名誉会長の葛西敬之(かさいよしゆき)さんが二十五日、間質性肺炎のため死去した。八十一歳。東京都出身。葬儀は後日親族のみで行う。同社によると「お別れの会」を予定しているが、日程などは未定。
 東大法学部を卒業後、一九六三年に国鉄に入社。労働組合対策などに携わり、社内改革を志した。元JR東日本社長の松田昌士さん(故人)や元JR西日本社長の井手正敬さんとともに「国鉄改革三人組」と呼ばれ、八七年の分割民営化を実現に導いた。
 同年四月のJR東海発足と同時に取締役総合企画本部長に就任。九二年の東海道新幹線「のぞみ」の運転開始などを主導した。九五年に社長に就任すると、九七年に東証一部(当時)上場、二〇〇三年に東海道新幹線品川駅開業を実現した。〇四年に会長、一四年に名誉会長となり、二〇年六月に取締役から退くまで長年、経営のかじ取りを担った。
 リニア中央新幹線計画の推進にも力を尽くし、事業化から着工までの道筋を付けた。新幹線やリニアの海外輸出にも熱意を注いだ。
 また、安倍晋三元首相ら政界にも幅広い人脈を持ち、保守派の論客として知られた。国の公職を多く歴任し、国家公安委員会委員や福島第一原発事故後の原子力損害賠償支援機構の運営委員などを務めた。直近では宇宙政策委員会委員長に就いており、宇宙分野にも関心を持っていた。
 中部地方では、トヨタ自動車などと次世代リーダー育成を目指して全寮制の中高一貫校「海陽学園」(愛知県蒲郡市)の設立に携わり、理事長も務めた。〇一年一〜六月には本紙夕刊コラム「放射線」の執筆をしていた。

 さまざまな形容がされる人だった。

 ・国鉄改革三人組
 ・最後のフィクサー
 ・保守化の論客
 ・ミスターリニア

 毎日新聞では、「国士」「侍」「巨星」という言葉が見出しに並んでいた。
毎日新聞の該当記事


 私は、「功罪相半ば」の人物だったと思う。

 国鉄民営化を含め、その功績は大きかったとは思うが、果たして「罪」の方はどうだったのか。

 経済界の安倍晋三支援組織「四季の会」のリーダーとしても知られる。

 拙ブログでは、2014年に、当時のNHK経営委員会委員の暴言に関する記事で、四季の会と葛西のことを紹介した。
2014年2月6日のブログ

 安倍晋三が野党自民党の一議員だった頃の2012年のビジネス・ジャーナルの記事から、あらためて引用する。
ビジネス・ジャーナルの該当記事

 題は「JR東海会長から三菱・みずほ銀、アサヒビール、ウシオ電機…
  財界が後押しする“安倍総理” 経済ブレーンの面々
」となっている。

 「四季の会」は葛西敬之・東海旅客鉄道(JR東海)会長が幹事役を務める財界人の集まり。前回、安倍氏が政権を投げ出した後も元首相を励まし続け、「再登板」を働きかけてきた。

 葛西氏が東大法学部で机を並べ親友だった与謝野馨氏に「若手の有望株を呼んで勉強会をやろう」と持ちかけ、与謝野氏が当時、官房副長官だった安倍氏を引き合わせたのが始まり。2000年に「四季の会」は発足した。

 葛西氏が集めた人物は、次代の経済界を担う社長候補たち。東京電力の勝俣恒久氏、新日本製鐵(現・新日鐵住金)の三村明夫氏、三菱重工業の社長に就いたばかりの西岡喬氏など、財界本流の人々だった。

 前回の安倍政権時には、この四季の会のメンバーが重用された。

 当時、安倍首相の強い意向が働き、NHKの経営委員長には富士フィルムホールディングスの古森重隆社長(当時、現会長)が選ばれた。古森氏も四季の会の主要メンバーだ。

 古森経営委員長がNHKの会長に任命したアサヒビール(現・アサヒグループホールディングス)の福地茂雄・相談役も四季の会のメンバー。その後、福地会長の後任として11年1月にNHK会長に就いた松本正之氏は、JR東海の元副会長で葛西氏の部下。松本氏を推薦したのは前経営委員長の古森氏だったといわれている。

 これらのNHKトップ人事は、四季の会メンバーによるたらい回しだ、と酷評された。

 NHK会長は、松本正幸の後に籾井勝人(2014年1月~2017年1月)、その後は上田良一(2017年1月~2020年1月)、そして2020年1月から前田晃伸。その前田も、四季の会のメンバーだった。

 毎日新聞webサイトで昨日夕方、現在、日本商工会議所会頭の三村明夫のコメントを含む記事を掲載していた。
 途中から引用する。
毎日新聞の該当記事
 2人は年齢が一緒で、共に東京大学に進学した。学生時代は交流がなかったが、葛西氏が財界人を集めて主宰した「四季の会」に同期のよしみで誘われ、故与謝野馨元官房長官を囲む会で面識ができたという。

 与謝野氏が将来有望の若手政治家として、当時官房副長官だった安倍晋三氏を連れてくるようになったといい、同会は次第に安倍氏の「財界応援団」と呼ばれるようになった。三村氏は出席者の一人だったが「(葛西氏が)中国などに対する独特な考えをお持ちということもあり、私自身はいろいろな事情の中で積極的な活動をやめた」と述べ、徐々に葛西氏と疎遠になったという。

 一方、政界との太いパイプを生かして国鉄の民営化に導いた葛西氏の功績にも言及。「内外でものすごく抵抗があり、成し遂げるのは通常の経済人ならできない。僕だったらできない。政治家とのいろいろな連係プレー、政治力も必要だったのだろう。従って、我々とちょっと違った意味での活躍をなされたと思う」と評した。

 “我々とちょっと違った意味での活躍”と三村が表現するのが、印象的だ。

 葛西と日本会議、そして、靖国神社との関係について、四年前の「Newsポストセブン」が報じていた。
Newsポストセブンの該当記事
 JR東海の葛西敬之・名誉会長(78)といえば、公益事業の経営トップには珍しく硬派な保守思想を歯に衣着せず発言する「ものいう財界人」でもある。安倍晋三・首相にとっては保守政治の「指南役」的存在とされるが、靖国神社の総代を務めていることは一般にはあまり知られていない。

 その靖国神社は、小堀邦夫宮司が6月に行なわれた定例会議の席上、「今上天皇は靖国神社を潰そうとしているんだよ」などと発言していたことを本誌・週刊ポスト(10月1日発売号)が報じ、大きく揺れている。事態収拾に総代の葛西氏が動いたという。

「事情を把握するため葛西氏が靖国に出向いたんです。宮司の人事は総代会で決められるため、辞任を避けられなくなった小堀宮司は、宮内庁に謝罪したうえでケジメをつけました」(靖国神社関係者)

 それにしてもなぜ、JR東海という公益企業の経営者が靖国神社総代なのか。顧客の幅が広いビジネスであれば特定の宗教や政治思想の“カラー”を打ち出すことはむしろマイナスに働くような印象さえある。

 葛西氏の人脈にその秘密がある。日本最大の保守系団体「日本会議」のメンバーが中心になって発足させた憲法改正を推進する国民運動組織が「美しい日本の憲法をつくる国民の会」だ。葛西氏はその代表発起人に名を連ねている。靖国神社だけにとどまらず、日本会議や神社本庁系の神道政治連盟など安倍首相の政治基盤である保守系団体に広く“ご意見番”として発言力をもっている。

 「国士」、などと形容する人物(安倍晋三を含め)もいるが、その「国」のイメージは、決して、戦後の平和憲法を尊重する日本ではなく、大日本帝国ではなかろうか。

 多くの功績はあったのだろうが、罪も少なくない。

 安倍政権の実現、NHK経営委員会人事への介入、日本会議と密接な関係と憲法改正運動の重要メンバー・・・・・・。


 居残り会のリーダー佐平次さんが、ブログ「梟通信~ホンの戯言」で国鉄入社で二年先輩のことを書かれていた。
 少し引用。
「梟通信~ホンの戯言」の該当記事

葛西さんが大事を進めたために、ほっておかれた小事(といってもそこに生きる人々にとっては全てなのだ)の解決のために少しでも貢献できたことは、僕個人にとっては感謝すべきことだったかもしれない。

 佐平次さんは、国鉄時代の思い出を別なブログで書いていらっしゃって、昨日の記事から、葛西に「共産党」と言われたことや、会議に出ても発言は無視すると言われたことなどを明らかにした記事にリンクされている。

 出向や転籍を含む私のビジネス経験においても、たしかに「大事」のためには犠牲にしなくてはならないことがあるとは思う。
 しかし、私も「小事」を無視できないほうだった。
 つい、そのために、上司や本社役員から煙たがられ、疎んじられたことも多い。

 でも、後悔はしていない。


 葛西敬之にとって、国における「大事」とは、いったい何だったのか。
 そして、どんな国家像を描いていたのか。
 正直なところ、よく分からない。

 亡くなったばかりでの不謹慎を承知で書くが、功罪ともに語られなくてはならない人物であると思う。


Commented by saheizi-inokori at 2022-05-29 09:40
自然を破壊し、巨額の税金も費やすリニアが、はたして功となるか、罪となるか。
「それだけの金があるならば」と言いたくなるのは小人のサガでしょうか。
Commented by kogotokoubei at 2022-05-29 09:53
>佐平次さんへ

間違いなく、罪、だと思います。
もっと別なことに、あの技術は応用できるはずです。
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by kogotokoubei | 2022-05-29 09:09 | ある人物 | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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