日米地位協定も、安保条約も、まとめて見直す時期だ。
2022年 01月 16日
米軍基地での感染拡大が日本国民の生命を脅かしているのに、米軍に対して、外出の自粛をお願いすることしかできない。
米軍兵士の多くがマスクをしないで、基地内を歩いている姿が、昨日の「報道特集」でも放送されていた。
そんな治外法権を認めている「日米地位協定」について、その内容を確認したい。
外務省サイトに、その長い正式名の協定が掲載されている。
外務省サイトの該当ページ
その長い名前は、こうだ。
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」
先に、この協定名にある安全保障条約第6条について、同じ外務省サイトの安保条約主要規定の解説で確認したい。
外務省サイトの該当ページ
重要と思える部分を、太字にする。
第6条
侵略に対する抑止力としての日米安保条約の機能が有効に保持されていくためには、我が国が、平素より米軍の駐留を認め、米軍が使用する施設・区域を必要に応じて提供できる体制を確保しておく必要がある。第6条は、このための規定である。
第6条前段は、我が国の米国に対する施設・区域の提供義務を規定するとともに、提供された施設・区域の米軍による使用目的を定めたものである。日米安保条約の目的が、我が国自身に対する侵略を抑止することに加え、我が国の安全が極東の安全と密接に結びついているとの認識の下に、極東地域全体の平和の維持に寄与することにあることは前述のとおりであり、本条において、我が国の提供する施設・区域の使用目的を「日本国の安全」並びに「極東における国際の平和及び安全の維持」に寄与することと定めているのは、このためである。
第6条後段は、施設・区域の使用に関連する具体的事項及び我が国における駐留米軍の法的地位に関しては、日米間の別個の協定によるべき旨を定めている。なお、施設・区域の使用および駐留米軍の地位を規律する別個の協定は、いわゆる日米地位協定である。
ということで、日米地位協定は、安保条約の第6条に従うものだ。
そして、米軍基地で感染が爆発しようが、彼らがマスクをしないで基地周辺を出歩くことについて、独立国家日本が外出禁止やマスク着用をお願いするしかできないのは、日米地位協定の第9条があるからだ。
引用する。
重要な内容は、第二項にある。太字にした。
日米地位協定
第九条
1 この条の規定に従うことを条件として、合衆国は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族である者を日本国に入れることができる。
2 合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。ただし、日本国の領域における永久的な居所又は住所を要求する権利を取得するものとみなされない。
そして、沖縄の米軍兵士の数々の不祥事や事件について、日本側が裁判権を持てないとしているのが、第17条だ。
第17条の第3項には、裁判権について次のように定められている。

米軍兵士や家族が自由に入国、出国することは、第9条で保障され、米軍兵士による犯罪は、第17条によって日本の司法の手から逃げることができる。
この治外法権と言える日米地位協定は、安保条約が元になっている。
日米安保条約(第6条)
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日米地位協定
という構造。
よって、地位協定を見直すということは、必然的に、日米安保条約の見直しにつながる。
中国、北朝鮮の脅威(と言われるもの)にアメリカの属国として対峙し続けるのか、アジアの同胞たちとの関係を密接にし、アメリカや西洋諸国との仲介役となるべきか、今、重要な分岐点にあるのではないだろうか。
私は、後者を選び、安保を解約すべき時期が迫っていると思う。
万が一、中国や北朝鮮の脅威が本当だとして、基地内でコロナ感染の拡大を食い止めることもできず、いまだに多くの兵士がマスクをせず生活している米軍は、本当に日本国民にとって頼れる存在なのか。
亡くなった海部元首相の功績について、安倍晋三元首相は、湾岸戦争における自衛隊派遣を第一に挙げた。
戦争に加担したことをが総理大臣の功績と言われるのも、安保の存在があるからと言えるだろう。
9.11後、アフガニスタンに侵攻したアメリカは、結婚式場や、アフガンの人々にとって重要なモスクのある集会場マドラッサも爆撃して、一般市民を20年間で約40万人も殺害した。
そんな国の属国であって良いのだろうか。
安保も地位協定も、まとめて見直すべき時期にあると思う。
