将棋順位戦、B級1組もA級も、面白くなってきた。

　昨日、将棋の順位戦B級1組で、藤井聡太竜王と千田翔太七段（愛称、チダショー）の対局があり、チダショーが圧勝した。
　Abemaで見ていたが、AIソフト研究では藤井竜王より一日の長があるチダショーが、中盤以降、まったく隙を見せなかった。
　
　さすが「鬼の棲家」と言われるB級1組だけあって、そう簡単に藤井四冠のA級昇級を決めさせてはくれない。

　日本将棋連盟のサイトにある成績順の表は下のような状態。
日本将棋連盟サイトの該当ページ



　ご覧のように、昇級を争う佐々木七段と横山七段の対局は、横山七段の勝利。
　稲葉八段と久保九段の対局は、稲葉八段の勝利となった。

　その結果、B級1組からA級昇級上位2名の可能性がある四人と今後の対局は次の通りだ
　
　　棋士名　　　勝　敗　　　2月3日　　　　3月9日

　藤井竜王　　　8勝2敗　　　阿久津八段　　佐々木七段
　千田七段　　　8勝3敗　　　　　－　　　　木村九段
　稲葉八段　　　7勝3敗　　　松尾八段　　　郷田九段
　佐々木七段　　7勝3敗　　　郷田九段　　　藤井竜王

　2月3日に、藤井竜王が阿久津八段に勝ち、稲葉八段と佐々木七段の二人とも負けると、藤井竜王のA級昇級が決まる。
　しかし、藤井竜王が勝っても、稲葉八段か佐々木七段のどちらかが勝てば、3月9日の最終局まで戦いは持ち越される。
　藤井竜王が負け、稲葉、佐々木がとも勝った場合は、3敗が四人で並んでの最終局となる。

　昨日の千田七段の勝利で、俄然、混沌としてきた。

　チダショーこと千田七段は、森信雄七段門下。
　あの、村山聖の後輩だ。

　A級では、一昨日、同じ森信雄門下の先輩糸谷哲郎八段が佐藤康光九段に勝利し5勝2敗として、なんとか、斎藤慎太郎八段の独走に食い下がった。
日本将棋連盟サイトの該当ページ



　斎藤八段が、次の豊島九段に敗れ、糸谷八段が佐藤天彦九段に勝つと、最終対局での決戦となる。
　こちらも、渡辺名人への挑戦を巡って、目が離せなくなってきた。

　同じ森信雄門下の糸谷八段と千田七段が、順位戦を面白くしてくれている。

　なお、13年間B級1組にいて、今期初めてA級に昇級した山崎八段も森信雄門下だが、最下位にいる。

　そして、羽生九段も、下位2名の降級危機にある。
　これまでA級在位29期を誇るが、果たして残る二局で、生き残ることができるのかどうか。


　来期、羽生善治と入れ代わりで藤井聡太がA級に昇級するという事態が起こるのかどうか。

　A級の最終一斉対局が行われる3月3日は、「将棋界の一番長い日」と言われる。

　その日と、B級1組の最終局3月9日は、どちらも、長い将棋の歴史の中でも、記憶に残る日となりそうだ。