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新警察庁長官中村格に残る、大いなる疑惑。

 一昨日22日、新警察庁長官に中村格(いたる)が就任した。

 菅による論功行賞としか思えない人事。

 デイリー新潮サイトから引用。
デイリー新潮サイトの該当記事

伊藤詩織さんの準強姦逮捕状を“握り潰した”男が警察庁長官に就任 その内幕とは
国内 社会 週刊新潮 2021年9月23日号掲載

 全国約30万人を数える警察職員の頂点、それが警察庁長官である。栄達を極めるまでの道のりもさまざまだろうが、次期長官となる中村格(いたる)氏(58)は殊更に独特だ。官邸との近さをウリにし、関係者の逮捕状を握り潰すなど朝飯前というのだから。

 ***

 警察庁次長の中村氏が長官に昇進するという人事が今月10日に内示された。正式就任は22日付。中村氏は東大法学部を卒業して1986年に入庁し、警視庁刑事部捜査2課長ほかを歴任してきた輝かしい経歴だが、警視庁刑事部長時代に安倍官邸のために“あり得ない大ワザ”を放った人物として知られる。

 2015年、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対する準強姦の容疑で元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に逮捕状が出されたが、執行直前、これをストップさせたのだ。

「山口氏はTBS政治部に在籍した経歴から、かねて安倍晋三前総理をはじめ安倍政権の要人らと親しく、官邸とはズブズブの関係などといわれてきました。一方、菅義偉総理の官房長官時代に秘書官を3年つとめた中村さんは15年当時、警視庁に戻って刑事捜査の元締めの座にあったわけです。自分を気に入ってくれている安倍さんや菅さんに忖度し、得点を稼ごうとして山口氏を守ってあげたと囁かれたものです」(警察関係者)

 この件は伊藤さんの告発を本誌(「週刊新潮」)が報じ、大きなニュースになった。当時、中村氏は本誌の取材に、

〈(捜査の)指揮として当然だと思います〉

 と述べたが、

「さる警察幹部は“疑いを持たれること自体が問題”と渋い顔でした」(同)

 そして、こんな揶揄(やゆ)の声まで聞こえてくる。

「菅政権の退陣間際での滑り込み的な人事発令に、中村さんも安堵していることでしょう」(官邸関係者)


 22日の就任会見において、あの事件での疑惑について質問され、「法と証拠に基づき組織として捜査を尽くした。捜査指揮では常に法と証拠に基づいて適切に判断してきたと考えている。法と証拠以外の他事を考慮し、何らかの捜査上の判断をしたことは一度もない」と答えたが、国民の多くは、そうは思っていないぞ。

 現在は更新が止まっている兄弟ブログ「幸兵衛の小言」の2019年3月9日の記事で、ある本から、あの事件に関する記述を紹介した。
「幸兵衛の小言」2019年3月8日のブログ

 重複するが、忘れてはならない、新警察庁長官への大きなる疑惑について。

新警察庁長官中村格に残る、大いなる疑惑。_e0337865_16102597.jpg

幕蓮著『官邸ポリスー総理を支配する闇の軍団』(講談社)

 元警察庁キャリア官僚が内部告発した本として話題になったのが、『官邸ポリスー総理を支配する闇の軍団』だ。

 著者は、幕蓮というペンネームで、巻末のプロフィールには、「東京大学法学部卒業。警察庁入庁。その後、退職」とだけ記されている。
 
 Amazonには、多くの否定的なレビューが投稿されている。
 それだけ、この本の帯にある「92%は現実」を裏付けていると私は思う。

 主要登場人物の仮名と、実際の人物と思われる名を並べてみる。

  内閣官房副長官 瀬戸弘和--->杉田和博
  内閣情報官 工藤茂雄 ------->北村滋
  警察庁総括審議官 野村覚--->中村格 ※前職は警視庁刑事部長

 実名の三人、ここ数年、いろんな場面でネットに登場する。

 今回は、政府に近いマスコミの人間が、その罪を“官邸ポリス”にもみ消してもらった、あの騒動について。

 工藤は運動不足解消も兼ねて、敢えて階段で六階に上がった。そこには内閣情報調査室の各班がある。
 その一番奥、総務班の背後にある資料室の入り口のセキュリティセンサーに掌(てのひら)を近づけた。ピッ、ガシャッと、ロックが外れる。役所のなかでも、特に厳重なシステムだ。警察庁警備局の部屋以上のセキュリティが施されており、内調の職員だからといって自由に出入りすることはできない。
 何よりこの部屋には、内調のIDカードだけでは入れない。内調でも総務班の一部など、限られた職員だけが入室を許されている。
 薄暗い部屋に入っていく。周囲の棚には、過去の週刊誌やDVDだけでなく、いまは懐かしい八ミリフィルムやVHSビデオも保管されている。その奥に、パソコンが整然と置かれたデスクが並んでいた。そこが、まさに官邸ポリス準備室だ。表向きは内調の資料室の作業スペースだげ、これが特命チーム、通称「エイワン」の打ち合わせ場所であった。
 今日はふらっと寄っただけだが、ここに関係者を集めて打ち合わせをすることもある。工藤は、ときおり、ここで一人になって沈思黙考し、気持ちを新たにしていた。
 -内務省を実質的に復活させ、真に強い日本を作るのだ、と。

 その翌日、珍しく業務が落ち着いていた工藤は、昼飯に何を食べようか、などと考えていた。そのときスマホが鳴った。液晶画面には「山本記者」と表示されている。それを確認して、通話ボタンを押した。
「山本さん、こんな時間に珍しいですね。どうかなされましたか?」
 工藤が聞くと、その声にかぶせるように、切羽詰まった山本の声が聞こえた。
「工藤さん、助けてください!実は厄介なことに巻き込まれていまして・・・・・・恥ずかしくて、いまのいままで相談できなかったのですが、私は逮捕されるかもしれません・・・・・・」
 声の主は、多部総理や須田官房長官にも近い、東日本テレビ元ニューヨーク支局長の山本巧記者である。内閣情報調査室のトップとして情報を収集することを任務とする工藤にとって、米国や北朝鮮の情勢について情報をもたらしてくれる山本は、大事な存在であった。

 この山本のモデルは、もちろん、TBSの元ワシントン支局長の山口敬之である。

 作中の名前で続けるが、山本は、彼が自社で記事化できなかった北朝鮮の金正恩委員長のスキャンダルを、署名入りで週刊誌で発表したため、支局長の任を解かれていた。
 翌年のアメリカ大統領選挙選に向けて情報交換をしていこうとしていた矢先のことで、工藤も、そんな山本にどれほどの価値があるか自問しながらも、彼の電話を聞いていた。
「ある女性と合意のうえに関係を持ったのですが、最近、関係がこじれてしまいまして、彼女が私に強姦されたとして警視庁に告訴したらしいのです」
 倫理意識の強い工藤は、内心、そんな痴話喧嘩くらいで電話するな、と思った。もし事実なら、そんな輩は罰せられれんばいい。しかし、総理の盟友を無碍にするわけにもいかない。
「状況がよく分からりませんので、現時点では何とも申し上げられません。もちろん、いわゆる事件のもみ消しなど、当然できませんが、少々お時間をください」
 そう答えて、電話を切った。

 この後、工藤は、内閣官房副長官で官邸ポリスのリーダー、瀬戸に相談する。

 瀬戸は、警視庁の広報課長の根本に実態を探らせるよう工藤に指示を出した。
 
 瀬戸は、そうそう、と言って続けた。
「山本は、言ってみれば総理を宣伝する本の出版も計画しているらしい。その山本を助けられれば、ことによると官僚嫌いの多部総理も、内務官僚だけは評価してくれるかもしれない。山本みたいな人間でも、政権の広報マンとして使えるなら助けてやれ。しかし、言わずもがなだが、くれぐれも違法なことはするな。黒を白にするような無茶もダメだ」

 工藤は、官邸ポリスのメンバー、警視庁刑事部長の野村覚に電話した。
 野村は、捜査一課ではなく、後輩の広報課長の根本に電話をした。

 工藤は、山本の名を出さずに、有名人の逮捕案件は速やかに連絡をくれるよう、伝えた。
 根本は、何のことか分からず不審がっていたが、翌日。

 コンコンと課長室のドアがノックされた。
「課長、いま少々よろしいですか?」と広報課次席の声が聞こえた。
「どうぞ」と根本が答えると、次席が課長室に入ってきた。
 (中 略)
「いま、品川中央署の副署長から電話がありました。東日本テレビの山本という記者を、成田空港で逮捕する予定、とのことです」
 そこまで一気に言うと、次席は少し表情を和らげた。
「先だっての副署長研修で、社会的に耳目を集める可能性のある逮捕事案は事前に一報を、と課長に言っていただいたお陰です。早速、効果が出てきました。どう対応いたしましょうか?報道担当係長を呼びますか?」
 ここで根本は、初めて昨日の野村刑事部長の電話を思い出した。
(ああ、このことだったのか・・・・・・山本、あのテレビでも見かける人か・・・・・・確か、総理にも近い人じゃなかったかな?)

 根本は、品川中央署がすでに令状請求も済み、成田空港にすでに逮捕メンバーを派遣していることを知り、野村に報告。

 野村と根本は、警視総監の高田に会って、この件を野村に一任してもらうことの了解を得た。

 野村は、品川中央警察署長に電話をする。

「逮捕状は、絶対に執行しないでください」
「どういう意味ですか?」と、署長が抵抗する。野村は既に冷静な声に戻っている。
「意味も何も、文字通り、逮捕状を使わないでください、ということです。釈迦に説法ですが、捜査は、任意が原則です。山本は有名人であり、逃走の恐れはありません。そして、いまさら証拠隠滅の恐れもなさそうです。逮捕しなくとも、任意で話を聞けばいいでしょう」
 署長はまだ諦めない。
「ただ、マメは逮捕するのが通常じゃないですか。それに山本は、被害者の女性に、介抱しただけで合意のうえだ、という趣旨のメールを送っています。これは口封じ、つまり証拠隠滅に当たるでしょう。そもそも捜査員が捜査を積み重ねて取った逮捕状を執行しないなんて、少なくとも私は経験したことがない。これは命令ですか?」
 しかし、野村は冷徹言い放つ。
「そう理解していただいても結構です。何も、彼の事件をもみ消せと言っているわけではありません。有名人物である山本については、マスコミからの反響も大きい。その捜査については特に慎重に進めるべきであり、原則に従って任意にすべきだ、と申し上げているだけです。その辺を誤解しないでください。ちなみに、政府レベルでの重要人物であることも申し添えておきます。ご斟酌ください」
 野村は署長の返事も聞かずに、ここで受話器を置いた。

 この野村のモデルが、警察庁長官に出世した中村格である。

 その中村に、山口事件のもみ消しについて、執拗に取材を続けたのが、東京新聞の望月記者である。

 望月記者をなんとか貶めようとしていたのも、もちろん、中村格だ。

 
 菅政権は終焉を迎えた。
 
 もし継続していたらと思うと、空恐ろしい。

 しかし、新たな総理大臣候補にも、危険な兆候のある人はいる。

 官邸ポリスは、今後どう変容するのかは分からない。

 しかし、忘れてならないのは、約30万人の警察組織のトップに、官邸ポリスの一員として、政権に近い人物の犯罪をもみ消し、被害者である女性に、生涯消えることのない大きな傷を残した疑惑があることだ。

 警察は、いったい誰のために仕事をするのか、ということがあらためて問われなければならない。
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by kogotokoubei | 2021-09-24 20:27 | 責任者出て来い! | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛